それでは、昨日の函館記念を振り返ろう。
逃げたマイネルミラノがビュンビュン飛ばしていただけに、中団からジックリ行ったダービーフィズにはちょうどいい展開になったよね。道中はインコースでロスなく運べていたし、４コーナー手前で外へ出すタイミングもドンピシャ。直線ではフワフワしてトボける面を出していたから、内にいたハギノハイブリッドと最後まで併せ馬の形になったのも良かったんだろう。切れ味勝負だとワンパンチ足りないところがあるから、時計が掛かる洋芝も合っていたんじゃないかな。調教の動きからしてデキは良かったし、今回はハンデ（５４キロ）にも恵まれていた。“全てがうまく噛み合っての勝利”と言えるんじゃないかな。あとは他の馬と同じ斤量を背負ってどれだけやれるかが、今後のカギになりそう。５７キロを背負う次の札幌記念でも、今回のような競馬ができれば本物と見て良さそうだけど…。
ハギノハイブリッドは、速い流れを好位４～５番手から追い掛ける形になったとはいえ、溜めても切れる脚は使えないぶん、早め早めの競馬で正解だったみたいだね。直線で抜け出してからもしぶとく伸びていたし、あともうちょっとだったんだけど…。勝った馬とは２キロのハンデ差が出ただけで、同じ斤量なら逆転まであったんじゃないかな。正直なところ調教では良く見えなかっただけに、これだけ走れれば上等でしょう。切れ味不足をカバーするためにも、今回のように前々から流れ込む競馬を続けていれば、どこかでチャンスはあると思うよ。
ヤマカツエースは離れた２番手からになったんだけど、平均ペースで逃げているのと同じ形。ハミを噛むところはあったにせよ、抑えが利く程度で収まったのが良かったんだろう。力の要る洋芝だけに、馬が下を気にしながら走っていたぶん、我慢できたんじゃないかな。軽い芝だったら折り合いに苦労していたかも。調教でもだいぶ素軽さが出てきたあたり、状態面も上向いていただろうし、展開、馬場が味方したにしても、初めての２０００ｍ、古馬相手でこれだけやれたのは大きな収穫。まだ若い３歳馬で力も付けていくだろうから、これからが楽しみな馬だよ。
エアソミュールは、まずは道中の位置取りが後ろ過ぎた感じ。３～４コーナーで上がって行こうとしても、ゴチャついた所に入ったぶん、馬群を捌くのに手こずったのも痛かった。トップハンデを背負っているだけに、ゴーサインを出しても素早く反応できるものではないからね。後手に回ったにせよ、そこでスムーズに上がって行けていれば、結果は違っていたんじゃないかな。ただ、今回はチグハグだったとはいえ、これまでも後ろから行くとチョイ足りないところがあったのも確か。前々で積極的に運んでも今回ぐらいの脚を使えれば、ポンポンと勝てそうなものだけど…。結局のところ、ワンパンチ足りないんだよね。
レッドレイヴンは勝ち馬を見ながらジックリ運んでいたんだけど、３～４コーナーで一緒に上がって行けなかったのが痛かった。モタモタしていたように器用さに欠ける感じだから、小回りの函館は忙しいのかも。前走は同じ函館の巴賞で２着だったとはいえ、あの時は少頭数で競馬がしやすかったからね。ノビノビ走れる広いコースの方が合うにせよ、この馬も成績的にワンパンチ足りない感が否めない。コース適性以前に重賞で勝負するには、もっと力を付ける必要があるんじゃないかな。
ツクバコガネオーも３～４コーナーでモタモタしていたけど、最後までしぶとく伸びていたね。良績のない芝でこれだけやれれば健闘の部類で、追い切り診断でも触れたように今はデキがいいんだろう。得意なダートに戻ればチャンスはあるんじゃないかな。
マイネルミラノはハナを切って単騎逃げに持ち込んだのは良かったんだけど、３コーナー手前で早めに動き過ぎ。道中でビュンビュン飛ばしていてにせよ、あそこでもジッとして後続を引き付けていれば良かったのに…。息を入れるところがなかっただけに、終い苦しくなるのは当然だよね。きちんとペース配分できれば変わるだろうし、次も乗り方ひとつでしょう。
ラブイズブーシェは、３～４コーナーでダービーフィズの後を追うように上がって行けたんだけど、見せ場はそこまでだったね。調教の動きが良かったにせよ、久々で本調子とはいかなかったんだろう。このひと叩きでどこまで良くなるか…だろうね。
デウスウルトは、道中はダービーフィズと同じような位置にいたのに、３～４コーナーではアラアラの手応え。全然いいところがなかったなぁ。調教でも首を硬くして走っていたぐらいだから、体調面の問題としか思えないね。
リベルタスは３コーナー手前でアラアラになっていたほどで、あとはズルズル下がる一方。この馬も体調面の問題だろう。
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