先日、書いた通り週頭に捻挫をしてしまった。
未だ足首の痛みは消えない事に加えて今週は南関で重賞は無いので来週の火曜の戸塚記念に備え、予想から離れてゆっくり休養する。
来週に施行される戸塚記念は川崎競馬場の前身にあたる神奈川県鎌倉郡戸塚町に昭和8年軍馬育成補助のために作られた戸塚競馬場を記念して昭和46年に創設された重賞で、この戸塚競馬場は戦後に行われた地方競馬で全国一の売上になった時期もあったが、その後は競輪の台頭もあり売上が低迷した事もあって移設の話が持ち上がり、わずか6ヶ月の突貫工事で昭和25年1月に川崎競馬場が完成した後は戸塚競馬は休止となり昭和29年10月を以って正式に廃止となった。
この戸塚記念は東京王冠賞のステップレース的存在の重賞で、一時期は夏場に施行時期が変更されて「残念ダービー」的存在の重賞になったが、再び秋口の施行となり東京王冠賞を占う意味で重要なレースになったが、東京王冠が春施行へと変更されてからは大井の黒潮盃と共に「残念ダービー・残念JDD」的存在の重賞となって現在に至る。
過去の勝ち馬は戸塚記念の一発で終わった馬が目立つが、それでも古馬になり活躍したカツアールや東京王冠・東京大賞典を逃げ切った個性派ドルフィンボーイなどの実力馬がおり、個人的に記憶に残るのは昭和51年の戸塚記念を逃げ切ったフアインポートだろう。
フアインポートは川崎の名門・井上宥蔵師が管理しており、春のクラシックでは東京ダービーで果敢に逃げて見せ場こそ作ったが重賞勝ちは出来ずに終わるも、この戸塚記念の勝利をきっかけに本格化、古馬相手のNTV盃でレコード勝ちを収め、東京王冠賞ではプラスワンの2着に敗れたが、中央騎手招待では当時9連勝中で1番人気に支持された船橋・小暮善清厩舎のマル外・ストツクウエイをレコード走で一蹴、続く東京大賞典でも果敢にハナを奪うと12秒5-12秒5のラップを精密機械のように刻んで後続を翻弄して逃げ切り勝ちを収めた。
この東京大賞典は同年の中央の菊花賞でのグリーングラスの勝ち時計の3分09秒9をダートで上回る3分08秒6と云うとまさしく快速馬として面目躍如の世界レコードでの勝利、この後は脚元に不安が発生して順調にレースを使えず、大きなタイトルを追加する事は叶わなかったが、フアインポートのスピードは今でも鮮烈に記憶に残る。
現役を引退後は種牡馬となったが、牝馬を寄せ付けない種付け嫌いに加えて精虫数が少ない事で種牡馬として成功したとは言えないが、それでも中央の新潟3歳Sを勝ったマイネルムートや全日本3歳優駿2着のラピスポート、何より井上師が管理していたマリーノビーチとの間に桜花賞・関東オークスを勝利した名牝グレイスタイザンを輩出しており、グレイスタイザンは調教での事故で死亡したため繁殖入りする事は叶わなかったが、フアインポート産駒でグレイスタイザンの全妹となるライフポートは浦和・桜花賞を勝つダイアモンドコアを生むなど数少ない産駒の中から多くの活躍馬を輩出したのはフアインポートの能力の高さの証明と思えるだけに、もし3歳以降脚元が無事でレースを順調に使えていれば南関東の競馬史で一二を争う名馬になったかも知れないだけに残念だ。
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