それでは、青葉賞から振り返っていこう。
ヴァンキッシュランは力でねじ伏せたっていう感じの勝ち方。このメンバーに入れば一枚上だったね。テンからある程度出して位置を取りに行っていたから、“ウチパク(内田博騎手)は勝ちに行っているな”と思って見ていた。ただ、最初はスローだったのに前半の1000mを過ぎたあたりから速くなるっていう流れ。ペースが上がってからはジッと我慢していたね。馬が強かったのはもちろん、ウチパクの好判断も褒めてあげたい。ただ、直線でフラついていたように馬がまだ若いね。逆を言えば、まだ伸びしろは十分あるっていうことなんだけど、ダービーまでに解消するとは思えないし…。
レッドエルディストは中団よりも後ろでジックリ構えて、自分のペースを守って競馬をさせていたね。ただ、直線で目の前の馬が1頭分外に出たことで、その更に外へ出す羽目になったのが響いたかな。スムーズなら差し切ったとまでは言わないけど、もっと際どい勝負にはなったと思う。今回のように溜めれば終いは確実だから、どれだけジックリ行けるかどうか。それで展開がうまくハマるようなら、本番でもチャンスはあるんじゃないかな。
レーヴァテインはレッド(エルディスト)の前でジックリ行っていたんだけど、終いはジリジリとしか伸びなかった。切れ味という点では見劣りするかな。今回は久々だったから、叩いた次は変わってくると思うよ。
プロディガルサンは引っ掛かっていたし、ペースが上がった所で一緒になって動いているからね。先行馬が総崩れのなか、あそこまで粘るんだから力はあると思うけど、あれだけ掛かってしまうようだと2400mは長いと思うよ。
メートルダールも後方でジックリ行っていたけど、その割に終いは伸びなかったね。この馬も距離が長いんだろう。せいぜい2000mくらいまでの馬じゃないかな。
マイネルハニーは今回もハナを切ったんだけど、2400mで後続に次々来られる展開ではさすがに厳しかったね。いかに自分のペースに持ち込めるかがカギになるんじゃないかな。
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