2015年2月23日月曜日

今後もスタートと展開がカギになりそうなコパノリッキー

それでは、昨日のフェブラリーSを振り返ろう。



コパノリッキーのスタートは、今回もそれほど速くなかった。ただ、同型のコーリンベリーが出遅れたとあって、(武)豊は自分がハナを切るつもりで気合を入れながら出して行ったね。結局アドマイヤロイヤルにハナを叩かれた上に、前半多少ハミを噛んだけど、ペースダウンした3コーナーでは完全に折り合っていたし、直線に向いて先頭に立つタイミングも理想的。番手に控える羽目になりながらも、逃げ馬にとっては力を出し切れる形に持っていけたのが良かったんじゃないかな。豊の好騎乗があったとはいえ、最後まで全く危なげがなかったあたり、ここでは力も違っていた感じだね。ただ、逃げ馬にしてはスタートが速くない点、特に1完歩目が遅いのはちょっと気になる。テンにモタついているうちに、両サイドから挟まれて後手を踏むケースも十分考えられるから…。強さは認めるけど、不安材料がないわけではない。今後もスタートと展開がカギになると思うよ。



インカンテーションは、今回はスタートを決めて好位に付ける積極的なレース運び。道中もコパノリッキーを追い掛けて早め早めに動いた分、直線ではいつもほどの切れる脚を使えなかった感じだね。それでも、一線級を相手に正攻法の競馬でこれだけやれれば大したもの。これなら地方の小回りコースも苦にしないはずで、負けはしたけど収穫はあった。全然悲観することはないと思うよ。GⅠを勝つチャンスも十分あるんじゃないかな。



ベストウォーリアは、前を見ながら中団からジックリ行って、4コーナーでは楽な手応えでインカンテーションの直後に付けている。この馬とすれば最高の競馬ができたと思うし、千八~二千のここ2戦は条件が合わなかっただけで、適距離に戻って力のあるところを見せてくれたね。ただ、追われてからがジリっぽくて、グッとくるところがないんだよなぁ。中央のGⅠだとワンパンチ足りない感は否めないね。



グレープブランデーは好位のインでジッとできていたんだけど、それはペースが落ち着いた4コーナーまで。直線で他馬が動いた時に一緒に動けないし、乗り役のゴーサインにサッと反応できないからこそ、ワンパンチ足りない成績が続いているんだろう。トビが大きくて器用な脚に欠けるだけに、道中からエンジンを吹かしつつ、早め早めに動いて行った方がいいんじゃないかな。一昨年のこのレースを勝っているとはいえ、マイルは忙しい感じだから、もっと長い距離を使った方がいいと思う。ただ、器用な脚がない分、地方の小回りコースで内に包まれたりしたらキツそうだし…。大きく衰えた感じはないけど、好走するには何かと注文が付くね。



ローマンレジェンドは中団からジックリ行っていたんだけど、ペースが落ち着いた3コーナーからハミを噛んで引っ掛かったのが痛かった。1番枠を利して終始内ラチ沿いをピッタリ通って一切ロスのない競馬ができていただけに、道中で折り合っていればもっと脚を使えたはず。ちょっともったいない競馬になってしまったね。まぁ、敗因はハッキリしているだけに、今回だけで見限るのはまだ早い。折り合いさえつけば巻き返しがあるんじゃないかな。



ワイドバッハは4コーナーでカゼノコに外から蓋をされて、直線でも先に前へ入られたのが痛かったよ。3コーナーからペースが落ち着いた分、前の馬は息を入れて楽をしていている。そう簡単に前も止まらないだけに、仕掛けのタイミングが遅れたらさすがに苦しいよね。ただ、後ろから行けばこういった不利を受けやすくなるのは当然で、脚質的に仕方のないことだと思う。終い一手となれば、展開や仕掛けのタイミングがうまく噛み合わないと勝ち負けまではキツい。ましてやGⅠともなると、そう甘いものではないと思うよ。



サンビスタはスタートも決まったし、ペースが流れた序盤はリズム良く運べていたんだけど、流れが落ち着いた3コーナーで馬が怒ってハミを噛んでしまったのが痛かったね。肝心の勝負所でムキになって余計なスタミナをロスしたら、東京の長い直線は乗り切れない。今回はペースと展開に泣いた感じかな。追い切りの動きからしてデキは良かったと思えただけに、ちょっと残念な競馬になってしまったよ。



キョウワダッフィーは3番手から。ペースが落ち着いて先行馬には有利な展開だったのに、終いバタバタになるようではどうしようもないよね。GⅢあたりでもワンパンチ足りない競馬が続いていただけに、GⅠに入ったら能力的にキツかったんだろう。




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