2015 4/5(日) ダービー卿チャレンジトロフィー(GIII) 中山芝外1600m
出走予定・登録馬一覧
戦国時代となりつつあるマイル路線、そんな中に彗星のごとく現れたのが明け4歳馬のモーリス。関東の実力者である堀厩舎に転厩してここ2走は中山で強烈なパフォーマンスを示し、重賞でも十分通用するだけの競馬をファンに見せつけた。相手は強化されるもののこのレース最大の注目馬と言って間違いない。秘めたる素質を一気に開花させたい。
前走は非常に驚かされる、衝撃的な末脚だった。準OPスピカSは中山芝内1800m戦で稍重馬場、ペース的には51.4-46.8と新馬戦ぐらいしか出てこない桁違いのドスローだ。12.0 - 12.1 - 11.6 - 11.2 - 11.9と向こう正面でようやくまともな12秒前後のラップになり、コーナーで徐々に加速、11.2とL2の4角出口~直線入りで11.2とかなり速いラップを前の馬が先導しているというイメージを持ってレースを見たい。出負けしてほぼ最後方で進め、3角でもまだ後方にいた。3角では最後方まで下げ切ってから4角でようやく外に持ち出して追い出し最後方列。直線序盤でそこからぐんと伸びてきて中団、L1でもしっかりと伸び切っての圧勝だった。
勝ったから良かったが、騎乗的には糞騎乗と言っていいレベルである。実質的に3角でペースが上がる中で進路確保もできない、下げて外に持ち出す。そこからはもう前はどんどん加速している流れで通常なら置かれるレベルなのだがここで普通に外からついていくと、直線序盤11.2と前も最速地点を作っている中であり得ないほどの切れ味で伸びてきた。L1は前も落としているのでその中で差し切った形になるが、個人的にはこの4角出口から直線入りで見せたトップスピードの質というものは異質なレベルにあると思う。
一方で2走前の若潮特別で、こちらは今回と同じ中山芝外1600m戦。ペースも46.4-47.3と1秒前後のややハイペースの流れ。11.9 - 12.1 - 11.9 - 11.8 - 11.5とハイペースだがL1突き抜けて加速ラップを刻んでしまったという点でもなかなか興味深い内容。ある程度のハイペースを好位外目で進めながら3~4角でもまだ楽な手ごたえで持ったまま。直線序盤でもまだ追い出しを我慢するぐらいで追い出されると一気に弾ける。後は独壇場というような内容で他馬に寄せ付ける余地を全く与えなかった。極端なハイペースというほどではなかったにせよ、高い基礎スピードを要求され、それを外々から追走しながら直線で加速するだけの余力を持っていた。かなりの高速馬場状態で時計自体はそこまで評価していないが、やはりL1での加速という点は大きい。この2走からもかなり高い総合力を持っていて、1000万下、準OPといったところで躓くような馬ではなかったのは間違いないだろう。
白百合Sもハイレベル戦の中でステファノスには屈したが、中団から12.4 - 12.2 - 12.5 - 11.2 - 11.6のラップ推移で直線序盤にスッと反応して最速地点での脚色は勝ち馬のステファノスに匹敵していてL1で甘くなってしまったという感じ。個人的には前走もL1で差したというより普通詰められない流れでL2の最速地点でグンと伸びてきたところを評価していて、トップスピード面の高さを持っていると同時に、基礎スピードが高いということを2走前で見せていて、ある程度のハイペースからでも一脚を使ってくるというのは非常に高いレベルにあると思う。
個人的には距離は1400~1600ぐらいが良いと思っていて、TS持続戦に特化した形だと危ういかなという感はある。前走は勝ち切ったしかなり酷い騎乗にもめげずに伸びてきた。 あの流れで前が加速する中で一頭だけ勝手に出し抜かれた中でも反応できていて恐らくギアチェンジ面も高いレベルで秘めているだろう。白百合Sも2F勝負で1秒以上のギアチェンジ、合わせながらスッと伸びたように要所でかなりの脚を使える。またハイペースにも対応できる。個人的にはこの馬で前々を確保できればかなり安定してくると思うし、安田記念でも通用するレベルにあると思っている。ただ、ネックなのが出が安定しないところだ。この馬は11秒前後を要求されるラップをそこまで長くは維持できない。これは白百合Sではもろに、前走は分かりづらいところもあるが、L2の凄さに比べるとL1はやや落としている感はある。当たり前なレベルではあるが。その点でもどちらかというと仕掛けは待ちたいタイプだと思うし、瞬時に動けるギアチェンジやトップスピードの質を一瞬でスッと引き離すという点に使いたいという印象を持つ。先に追い上げるところで脚を使ってしまうと、最後に甘くなる感じは高いレベルだと見せてくるかもしれない。そういう意味でこのレースは重要な一戦となる。今後かなり期待している一頭で、馬場も高速状態で雨が降るとどうかという面はある、という程度。このクラス相手に55kgで強い競馬で勝ち負けできなければ安田どうこうとも言ってられない。ここは好勝負してもらいたいし、雨が明確に影響を及ぼさない、戸崎が前走のような酷い騎乗にならない限りは好勝負だとみている。
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