2015 5/31(日) 日本ダービー(GI) 東京芝2400m
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2歳時に新馬戦を鮮やかに勝ち上がり、新潟2歳Sでも強敵アヴニールマルシェを撃破しクラシックを意識させたのがミュゼスルタン。しかしそこから骨折してしまって休養明け初戦のスプリングSでは上り最速タイとはいえ良さが見せられずの完敗。NHKマイルCではようやく本領発揮、末脚を引き出してきて3着と存在感を見せつけた。ダービーの大舞台、ここまで決して順調には運べなかったが、その鬱憤をここでぶちかましたい。
この馬に関しては距離に対しての不安がどうしても…。そのうえでNHKマイルCや新潟2歳Sの内容はそれなりには評価できるが…という感じ。
まずは新潟2歳Sから振り返るが、新潟芝外1600m戦でペースバランスは47.1-46.3とややスロー、11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.0 - 12.0とL2最速、仕掛けもそれなりに早く高いレベルでの総合力を問われたというような感じのレースになっている。内枠から五分には出てそこから無理をしない感じで中団での競馬。ただ、内の隊列が詰まってきて、外からのポジションの入れ替わりがあったので相対的に後方に下がってしまう苦しい競馬。3~4角でも後方内目から追走しながら直線で中目に持ち出す。序盤で追い出すとしっかりと反応して先に抜け出していたニシノラッシュをL1で捉えて抜け出したところにアヴニールマルシェの強襲を受け僅差でねじ伏せた。ポジションは後ろからになってしまったのだが、これは正直枠順と展開の綾という感じで、決して序盤が拙かったわけではない。その中で後方からの末脚勝負、序盤加速していく段階でしっかりと脚を使えていたのは好感を持って評価できる。L1での伸びではアヴニールの方が目立ったが、総合的なポジション、ギアチェンジといった面でしっかりと上回ってきた。
骨折明けを叩いたNHKマイルCでは東京芝1600m戦でここでも3着と力の一端は示した。ペースバランスは47.2-46.3、新潟2歳Sに近いペースバランスで、そこから11.9 - 12.1 - 11.1 - 11.3 - 11.8とL3最速戦、東京マイル戦としては比較的仕掛けも早かったので脚を出し切りやすい流れではあった。この中でやや出負けして無理せずに中団馬群の中で進めていくという形。3~4角でもペースが上がらず団子状態の中で上手く外目に誘導しつつニシノラッシュの直後で中団で直線。最速地点の序盤でジリジリと伸びL2でそこから抜け出して好位列、L1で前2頭に食らいついてきたがクラリティスカイには脚色でも優位に立ち切れずなだれ込んでの3着だった。まあこの内容ではクラリティスカイに総合力で完敗だったと言わざるを得ないかなと。L1でせめて明確にクラリティとの差を詰め、最低でもアルビアーノを交わして来れば面白いかなとは思ったんだが。アヴニールマルシェ比較で考えると十分通用しそうな感じはするんだけど、同日の準OPとの時計比較で見ても、この馬の走破時計ではちょっと物足りないし、やはりここでL1もうちょっと詰めてこられないとクラシック戦線で勝負になるとは言えないかなと。クラリティスカイは個人的にはかなり高く評価している馬なので、これに負けるのはそこまで評価を落とさなくてもいいとはいえ、L1まで詰めきれなかったところはやはり不満。L1で明確に伸びてきてくれていればダービーでも面白い要素はあったかなと感じるが。
スプリングSは骨折明けだったのである程度仕方ないが、内容としては完敗である。ドスローからの12.8 - 12.0 - 11.8 - 11.2 - 11.5と実質2F戦。同じ上り3F最速タイでも恐らくL1最速、L3の遅い地点で押し上げずに脚を余してのリアルスティールと違ってこの馬は最後方外目から前を向きながら4角出口ではハッキリと前を向いて押し上げてエンジンをかけている。それでも直線序盤の最速地点でリアルにあっさり突き放されているし、L1までなだれ込む程度。もちろん骨折明けもあったとは思うし、この一戦をどこまで評価するかというのは少なくともマイナスの材料としては難しい面はある。実際立て直してきたNHKマイルCでは好走しているからね。ただ、このレースをプラスに取ることはできない。上がり最速だが、そりゃL3の11.8と緩いところでしっかりと3F勝負、押し上げる競馬ができているんだから早い上りは出るにきまっている。その代り、L2-1と速い地点では明確に脚色で見劣っている。L3で他が溜めているところで一足早く仕掛けたから早い上りになっただけで、トップスピード面、持続力面では平凡だった。これが早い上がりのトリックになっているだけで、この一戦評価するところは全くない。骨折明けという条件は頭に入れておくとしても少なくとも最上位相手に太刀打ちできるレベルの末脚ではなかった。
以上からも、現段階ではある程度流れているマイルでの総合力勝負で良さを見せていて、そのうえでクラリティスカイには完敗だったという現実は軽くはないだろう。クラリティスカイは皐月賞でも逃げてレースを作りながらも5着と完敗だった。もちろん条件は違うというのは間違いないが、この馬としてはトップスピード持続戦となったNHKマイルCで普通にL1でクラリティに明確に詰められなかったというのはやはりこのダービーという舞台を考えると足りないかなと。そのうえで距離不安が明確にある馬である。ゲートも決して上手くない、このメンバー構成でも楽ではないだろう。枠順発表で7枠15番と外目の枠というのも気がかりで、やはりチャンスがあるとすれば後半の総合力をできるだけ楽にかつ前で引き出せるかがポイントだったと思うので、この枠からだと有力馬より前を取りに行ったとしてもやはりロスが多くなる。TS持続力でも伸び切れなかったことを考えると、この外枠というのは地味に痛いかな。新潟2歳Sなんかは内目から進路を探りながらしっかりと加速していてここでアヴニールマルシェに対して優位に立っていた感じなので、そう考えるとやっぱり総合力を活かせる内目の枠で無理なくいいポジションを取れた方が良かった。枠が出るまでは完全に消すには勇気がいるかなというような扱いだったが、これで個人的には全く買わない方向性で固められるかなというところ。距離をこなしてくる可能性はあっても流石にクラリティスカイ相手に最後まで結構楽に完封されてしまうとこの枠で正攻法では厳しいし前にもつけにくい。苦しい一戦となりそうだ。
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