レースは好発のホッコータルマエを制してクリノスターオーがハナ、2番手ニホンピロアワーズの順でスンナリ行くかと思いきや、ゴール板前でクリソライトが逃げるクリノスターオーに並び掛けて2番手に上がり、3番手にニホンピロアワーズがつけて、その直後のインにワンダーアキュート、外にホッコータルマエが馬体を併せて追走、そこからやや離れたちょうど中団のポジションにハッピースプリントが控える。
向う正面で後続を2馬身ほど引き離し飛ばして先行する前2頭を見ながらワンダーアキュートがインを通ってポジションを上げ3番手のニホンピロアワーズに並び掛けて、ホッコータルマエも外を通りジワジワとポジションを上げ併走する3~4番手の2頭の1馬身差の5番手をキープ。
逃げるクリノスターオーをカカり気味に追走するクリソライトが突っつく為、1000M通過は1分を切る59秒9と2000Mの距離としてはかなり厳しい流れになり、3角手前で早くもクリノスターオーの脚色が鈍り出す。
ここでクリソライトが動いて先頭を奪った事が合図のように後続も仕掛けて一気にレースが動き、人気のホッコータルマエも3~4角で2番手まで上がり、先頭のクリソライトを射程圏内に捕らえて直線に入る。
かなり厳しい流れを作って先行したクリソライトだけに早々と失速しても不思議ではなかったが、驚異的な粘り腰を発揮して中々先頭を譲らず直線でホッコータルマエとの長い叩き合いに縺れ込んだが、残り100手前でその熾烈な競り合いの末クリソライトを振り切って先頭に立ったホッコータルマエがそのまま流れ込み3/4馬身差をつけて優勝した。
勝ったホッコータルマエは元々最後の競り合いに強いタイプで派手な勝ち方をする馬ではないが、直線での手応えは決して抜群だったとは言い難く、これは悪癖のソラを使ったと云う事もあるだろうが、8分程度の状態で出走した事が影響した印象で、乗り役や調教師がレース後に語っていた様にベストの状態で出走したかに関しては正直疑問、しかしベストの状態でなくともキッチリと勝ち切れるのが王者の底力で、まさしくダート王の称号に相応しいタフで強いレース振りに脱帽するのみ。
これで帝王賞は13年に続いて2回目の制覇となり、GⅠの勝利はダート王の先達のヴァーミリアン・エスポワールシチーに並ぶ9勝目、6歳と云う年齢や今の勢いからは今秋で記録更新するのは間違いない。
2着のクリソライトは逃げるクリノスターオーを突っついてスタートから12秒3-11秒4-11秒5-12秒6-12秒1-12秒0-12秒1の厳しい流れのラップを刻み、逃げ馬を潰すと同時に後続を翻弄、気性が難しい馬だけに包まれて力を出せずに終わるよりはと積極策を試みたヤネの思惑が奏功しての好走、多少厳しい流れになろうともモマれずに競馬が出来れば能力を発揮するのは可能と云う事を証明したレース内容。
もちろん、カカリ気味に行くクリソライトのやる気を損なわない様に心掛け、無理に抑えず巧みに宥めて2番手でコントロールしながら気分良く走らせる事に専念したヤネの好騎乗が結果に繋がったのは言うまでもないだろう。
3着のハッピースプリントはちょうど中団の6番手のポジションをキープ、レースが動いた3~4角で4番手に上がった際の手応えから今日はこの馬が突き抜けるかも知れないと一瞬思ったのだが、直線で前を行く2頭との差を詰める事が出来ないだけでなく、残り200を過ぎた辺りで3番手のハッピースプリントの脚色の方が早くも一杯になる始末・・・
2着のクリソライトとの着差は2馬身半だが、厳しい流れを作って粘り込んだクリソライトと先行勢が作る厳しい流れに惑わされず、終始自分のペースでレースを進めていたハッピースプリントとの能力差は着差以上に開いている印象で、今回のレース内容から中央勢が相手だと2000Mの距離は若干長く、かしわ記念のレース内容から中央勢相手の1600Mのレースではスピードが足らずと帯に短し襷に長しのイメージから今後も中央勢が相手のGⅠでは勝ち切るのは難しい気がする。
ただ、今回は展開に恵まれたと云えども中央のニホンピロアワーズ・ワンダーアキュートらの実力馬に先着した事は評価出来るし、地方所属馬としてトップクラスの実力があるのは確かで、4歳と云う年齢から今後の成長と相手次第ではダートGを勝つ可能性が残っている。
4着のユーロビートは1000M通過59秒9と云う厳しい流れに全くついて行けず中団待機のハッピースプリントから大きく離された7番手から追走、それでも諦めずに向う正面中程から追い出しを開始、直線に入っても先団グループからは置かれたままだがジワジワと伸び、厳しい流れついて行けずバテた馬をゴール前で交わして4番手に入線した。
スタミナ型のユーロビートには今回の帝王賞での厳しい流れは願ってもないモノで、自分の競馬に徹して掲示板を確保をしたが、やはりダートGⅠを勝つにはスタミナに加えてスピードが必要で、スタミナはあってもスピードに欠ける馬だけにこの結果も已む無し。
5着のニホンピロアワーズは3番手のから追走するも、3~4角の勝負ドコで瞬時に反応出来ず前を行く3頭からやや置かれてしまい、直線入り口でハッピースプリントに前をカットされる不利があったのは事実だが、ジリジリとしか伸びない馬だけに不利が無くとも勝ち負けは絶望的で、ゴール直前で格下のユーロビートに半馬身交わされて5着に沈む。
今回の帝王賞は上記した様に厳しい流れで推移したが、本来のニホンピロアワーズならばこの流れになっても対応可能なスタミナ型の馬だけに、勝負ドコの3角で前に行けず、結果格下馬に為す術無く先着を許してしまった今回のレース内容から全盛期を過ぎた印象は否めない。
3番人気のワンダーアキュートはかしわ記念の内容と外差しが利く今回の馬場から9歳馬でも勝ち負けは可能と大きな期待をしたのだが、直線では早くも脚色に余裕が無くなり8着と惨敗したのには正直唖然・・・
インの3~4番手から1000M通過59秒9と云う厳しい流れを追走したのが祟っての凡走と云う見方が一般的だろうが、如何に積極的な競馬をしたと云えども8着は負け過ぎの印象で、前走のかしわ記念を勝った事でそれまでのワンダーアキュートが衰えたと云う評価を改めたのだが、前走の勝利はいわばロウソクが消える前の最後の輝きだったのかも知れず、何れにせよ以前ほど大崩れせず安定した結果を残す事は今のワンダーアキュートにはかなり難しい事かも知れない。
前日までの馬場傾向ならばワンダーアキュートよりクリノスターオー・クリソライトが向くと考え、ホッコータルマエからこの2頭をヒモにした馬券を買う予定だったのだが、外差しが決まる馬場になった事から急遽ワンダーアキュートに相手に切り替えたのが大失敗、前日の優駿SPの様に初志貫徹するべきだったなぁ・・・
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