レースは大方の予想通り昨年の覇者サウンドガガがハナを主張、外から押してカイカヨソウが2番手につけ、インのポジションをキープしたトロワボヌールと外のポジションをキープした人気のサンビスタが併走しながら3~4番手を進み、伸び上がり気味にゲートを出た事に加え隣枠の馬に寄せられるシーンがあったメイショウマンボもスタンド前でジワジワとポジションを挽回、トロワボヌール・サンビスタの直後の5番手を行く東海のピッチシフターから半馬身差の6番手につけて1角を回る。
レースは半マイル通過が50秒フラットだからサウンドガガはかなり余裕を持ったペースでの逃げを打ち、向う正面でサンビスタ・トロワボヌールの2頭が逃げるサウンドガガとの差を徐々に詰めようと試みるも、サウンドガガは4ハ過ぎに11秒7にペースを上げて後続を突き放しにかかると後続の2頭は中々差を詰める事が出来ず、結局2番手以下に1馬身半差のリードをつけたまま直線へ入り、かなり逃げ切りが濃厚な情勢。
しかし、外を通ったサンビスタの手応えが怪しいのを横目にインを通ったトロワボヌールが逃げるサウンドガガとの差をジワジワと詰めて並び掛けるとゴール前で突き放して1馬身半差をつけて快勝した。
勝ったトロワボヌールは道中インの3~4番手のポジションから追走、直線入り口の手応えから快調に飛ばして逃げ込みを図るサウンドガガを捕まえるのは厳しいかと思ったが、ゴール前でサウンドガガの脚色が一杯になった事もあるがジワジワと渋太く伸びて完勝、今回の勝利で左回りでは【6・4・0・0】の連対率10割と云うサウスポータイプだけに自身の能力を発揮するには願ってもない条件で勝利すると同時にマリーンCで完敗を喫したサンビスタに雪辱を果たす事に成功した。
ただ、トロワボヌールは今回も含めて重~不良馬場では【4・3・0・0】連対を外していないが、私の個人的な見解では決して時計の早い決着が向いているとは思えず、今回は重馬場ながら1分40秒8と時計がかかるなど力を要する馬場だった事が勝因として大きく、平坦のコースでも勝利しているが、この馬のベストの条件は以前にも書いたがパワーが必要とされる左回りで坂のある府中や盛岡などのコースと思える。
2着のサウンドガガは馬場が違うと云えども昨年のスパーキングレディーCの半マイル通過が49秒1と比較すると時計一つ近く遅い半マイル通過の50秒フラットと云う流れで単騎逃げを打つ事に成功、半マイル過ぎにペースアップして後続を突き放し、セーフティリードを広げて直線に入った時は昨年に続き逃げ切るかと思ったが、やはり昨年のこのレースを勝っていると云えども1600の距離は微妙に長い分だけゴール前で脚色に余裕が無くなりトロワボヌールに捕まり2着に沈む。
昨年に続きこのレースで好走したが決してマイルの距離がベストとは思えないだけに、今後は持ち味が活きる短距離路線の1200Mの東京盃などを目指してサウンドガガのスピードを証明して欲しい。
3着のサンビスタは外の3~4番手からの追走、向う正面に入るとポジションを上げて逃げるサウンドガガを捕まえに行こうとするが、中々射程圏内に入れる事が出来ず、直線に入ると何とか2番手まで上がったが、この段階で早々と脚色に余裕が無くなってしまい万事休す。
斤量58でマイルの競馬はサンビスタにとって決してベスト条件で無かったのは確かだが、それでも馬場は違えど同じ条件のマリーンCで圧勝した事を考えるとまさか今回3着に敗れて連対すら出来ないとは夢にも思わずが本音、前走のかしわ記念のこの馬らしからぬ惨敗はマリーンC激走の反動が原因と判断したが、どうも昨年の冬から今年の春当時の状態より下降線を辿っていた事がかしわ記念の敗因だったのかも知れず、安易に巻き返し可能と考えたのは間違いだった。
4着のピッチシフターは先行するトロワボヌール・サンビスタの直後のインの5番手から追走、3角手前で何とか先団グループに取り付いたが、3~4角で前を行く3頭に振り切られてしまい、直線に入っても外へ張り気味に走って前を行く3頭に並び掛ける事は最後まで叶わず、結局3着のサンビスタから2馬身半も離された4番手に入線するのが精一杯。
勝負ドコの3~4角で置かれたのは左回り云々よりもマイナス18Kと大幅な馬体減が影響したのかも知れず、この結果だけで見限るのは早計と思えるだけに今後の牝馬路線でも引き続き注意を払いたい一頭。
5着のタッチデュールはスタート直後に巧くインへ潜り込み中団よりやや後ろの7番手から追走、レースが動いた向う正面で先団グループから大きく離されたが慌てず騒がず自分のペースでの競馬を心掛け、直線で満を持して追い出すとインを通ってジリジリと伸びてゴール寸前にバテて歩いていたメイショウマンボをハナ交わして掲示板を確保した。
まぁ、帝王賞からの連闘を考えればGⅠ3勝のメイショウマンボに先着する5着は立派かも知れないが、着拾いの競馬に徹した事とメイショウマンボのだらしなさに助けられての掲示板確保で4着のピッチシフターから5馬身も離されていては評価は微妙。
GⅠ3勝の格上馬メイショウマンボは3角までは何とか先団グループに食らいついて行ったが、3~4角で徐々に後退してしまい、直線では完全に脚色に余裕が無くなり最後の最後でタッチデュールに交わされ6着と掲示板に載る事すら叶わない惨敗に等しいレース内容。
以前にクイーン賞を使い惨敗したホエールキャプチャがその後芝路線で復活しただけに、今回のダート戦が良い刺激となって今後の芝路線で再起を果たして欲しいが、今回の敗戦は斤量58を背負わされた事やダート適性以前にレースに対する集中力に欠けている印象が強く、現状の成績や年齢面からも復活に関しては正直疑問が残る。
メイショウマンボはレース前から凡走するだろうと思っていたが、サンビスタの凡走に関しては正直想定外、前売りで2倍を割っていたサンビスタからトロワボヌールへの馬単が当日は3倍近くまで跳ね上がっており、こりゃオイシイとほくそ笑んだのだが、そうそうオイシイ話は転がってはいないと実感したのが今回のスパーキングレディーCの感想。
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