2015年8月25日火曜日

キーンランドC 2015 出走予定馬:レッドオーヴァル、岩田とのコンビが劇薬となるか?詰まるリスクと睨めっこが必要…

2015 8/30(日) キーンランドC(GIII) 札幌芝1200m
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キーンランドC2015の出走予定馬

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 桜花賞2着、スプリンターズS3着とGI好走の実力がありながらも、いまだに重賞に手が届いていないのがレッドオーヴァル。強烈な末脚は誰もが認めるところだが、それがなかなか届ききらないもどかしさも同時に誰もが感じていることだろう。得意の札幌では大崩れはない、秋の大一番を意識するうえでこのクラスは力でねじ伏せきりたいところ。新コンビに絶好調岩田を迎えて悲願の重賞制覇なるかに注目だ。


 まあどうしても大外一気しかないわけで、嵌り切らないと勝ち切れないが強敵相手に嵌ると善戦できるという点では厄介な馬ではある。ただ、能力的に非凡であるのは間違いなくて、札幌の緩いコーナーで大外回して最後まで伸びてくるという点で見ても札幌だとロスがあっても力を出し切ることができるので安定するとみるのが妥当かな。


 まずは昨年のスプリンターズSから振り返ろう。新潟芝内1200m戦でペースバランスは33.7-35.1と明確にハイペース。ただ新潟の内回りっぽい競馬で11.3 - 11.9 - 11.3 - 11.9と3~4角で緩んでから4角出口で加速するという競馬。ここでベルカント辺りは2列目ポケットからスッと反応しているが、これはベルカントのギアチェンジ面の能力の高さによるもので、実際中団馬群でもたついたストレイトガールは伸び始めが遅く、外から前を向いてきたスノードラゴンにまとめて差し切られた形である。この流れの中でこの馬も中団から道中で結構押し上げていつもより前、3角までに好位の外に取り付く。3~4角でペースが緩んでいく流れの中で好位の外から前を向いてこれに合わせずにしっかりと追いだして直線。3列目から最序盤の再加速ではこの馬らしく伸び切れないが徐々に伸びて先頭列に並びかけてきたがスノードラゴンやストレイトガールには差し切られたという形。このレースでは上手く乗られた面もあるし、33.7と速い地点で押し上げていったという点でのロスも多少はあったが、それでも総じて流れに沿って力は出し切れた。合わなかったとはいえハクサンムーンや出遅れコパノは楽に撃破、セイコーライコウやアースソニックといったクロフネ系も撃破しているし、普通にGIで戦えるレベルにはある。


 この馬はトップスピードの質という観点では物足りない面がある。前述のスプリンターズSでも理想的に最速地点に向かいながらもジリジリとしか伸びなかった。典型的なのは京阪杯。京都芝内1200m戦でペースバランスも34.7-33.6と1秒以上のスローで11.1 - 11.0 - 11.0 - 11.6と11秒前後を連続させつつ前が粘り切ってL1ちょっと落とすという感じの競馬。内枠で出負けして後方からというのはいつもの形。コントロールされて後方内なので勝ち負けは苦しい状況だったが、地4角出口から激しく追われているのに置かれる。前にスペースがある状況下で全然伸びずの大惨敗だった。この馬は速いラップを後半で要求されるとよくないというのはこれまでの傾向的にもはっきり出ていて、多少厳しくても前半が速く後半の減速が早いケースでばてないポテンシャルの高さで伸びてくるというイメージ。昨年のキーンランドCもそうでややハイ、11.4 - 11.5 - 11.5 - 11.9とコーナーの段階では11秒半ばは要求されない中で大外ぶん回して突っ込んでの2着である。基本的に後半速いラップを要求されない方が良いのは確かだと思う。





 そのうえで前走を振り返ろう。前走UHB賞は格上挑戦のエポワスと高速スピードタイプのルチャドルアスールに押し切られて強い競馬の3着ではあった。ここは自分的には勝ち負けの自信があったのだが、馬場が想定よりもかなり軽くなってしまっていて1:07.5と札幌としては考えられない高速決着。33.4-34.1というペースバランスで10.9 - 11.2 - 11.3 - 11.6とコーナーの段階でも極端ではないにせよそこまで落ちなかったしL1も11.6とあまり落としていない。バテ差しのこの馬としては3~4角大外を回すこの馬らしい競馬で直線最後まで伸びてくる競馬は見せたものの、緩く長いコーナーの大半を大外通してしまうと、この馬のばてるばてないではなく、コーナーで追い上げきれずに前に残られてしまう、というところである。L1の強襲を見てもわかるようにこの馬がばてていたわけではないのはよくわかる。このケースの場合はスピードで押し切られてしまった形で、やはり序盤のポジショニングの差、コーナーでラップがあまり落ちないところで外を回した分だけ押し上げられなかった。敗因としてはこんなところだろう。この馬としてはパフォーマンスを落としているわけではないしハンデ差もあった。


 個人的にはここで勝てなきゃこの先重賞勝つのも簡単ではないなと思う一戦。関屋記念のサトノギャラントほど幅がないわけではないし、チャンスはあるとは思うがひとまず今回は条件的にいいはず。ひとまず前走のUHB賞ほど時計が早いということはまずないだろう。スピードタイプの馬に対しては後半の減速が早くなりやすくコーナーでシッカリと大外を回しても取り付きやすくなる。ペースが上がれば前走よりはバテ差しが決まりやすいだろうと。斤量差もなくなるのでこの馬としても今回は条件面で問題は全くない。札幌は長く緩いコーナーで本来大外から追走せざるを得ないというのは不利な条件ではあるが、GIでも通用する非凡なポテンシャルを持っているのでむしろ3~4角での各馬の動きが少ないだけ力を引き出しやすい条件。ベストかどうかというよりはこの馬にとってベターな競馬をしやすいコースだ。もちろん取りこぼすパターンとしては昨年のローブティサージュとの関係の様に、内から上手く立ち回ってくるポテンシャル面の強敵がどうかというところ。今回もその点でローブティサージュはやはり侮れない存在だし、ルチャドルもエポワスも前走条件が良かったにせよ今回も侮れない存在である。ただ、やはりポテンシャル面だけを考えればこの馬が一番上なのは確かだと思っていて、例えば昨年ローブとレッドが逆の競馬をしてローブがレッドほどの競馬ができたかと言われるとそこは疑問がある(いや、この2頭は総合的に見たらローブの方が強いし買いやすいとは思うが素材という点ではレッドかなと)。時計が掛かりだした今の札幌なら前走と同じ大外一気でも前の2頭は呑み込めるとみている。後は結構強敵というか面白い馬が多い中で、まとめて差し切れるかどうかというところに焦点を置くのと、前走の負け方でどこまで人気を落としてくるか、ルメールから岩田に乗り替わり?とのこと。乗っていた岩田でインを突く可能性も一気に高くなったが、北海道の1200シリーズの岩田は正直詰まっている印象しかないのでそこは個人的にはリスクかなと。この馬の場合は多少ロスがあっても脚を出し切ることを優先してもらいたいし、相手関係を考えてもここは成功法でと感じる一戦。特にルチャドルが出られずにペースをコントロールされる中でインに絞ってしまうとどうにもならないと思うし、メンバー構成や枠を考えて…(いや、岩田の場合大外枠から内に入り込んで詰まるケースもあるからな…スギノエンデバーとか悪夢だ)とりあえずあまり相性的にいいとは思わないなあ。ただ今の岩田は乗っているし、クロスクリーガーやジェベルムーサで動く意識を植え付けられている感じはある。嵌れば余裕で突き抜けそうだが安定感を削ぐ組み合わせにはなりそう。個人的にはルメールのままの方が軸としては信頼しやすかったかなという感じ。



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