2015年8月26日水曜日

第22回アフター5スター賞②

では出走馬の評価をしていこう。

1枠1番クロタカ
デビューは3歳の6月と遅かったが、デビュー戦2着後は門別で9連勝を達成して南関へ移籍、南関でも連勝を14まで延ばして中央へ移籍。
さすがに層が厚い中央で連勝は途切れたが、それでも勝ち鞍を増やして準OP入りするも、準OPでは12戦して勝利するどころか3着が1回だけと云うアタマ打ちの成績から再度南関へ戻り巻き返しを図り、それが奏功して8回大井・ムーンストーン賞でブリージーストーム・カイロスと云った骨っぽい面子を降して再転入初戦を勝利で飾った。
しかし、続く準重賞スターライトCはこれまで未経験のマイルの距離が堪えて4着に敗れたのかも知れないが、前走の準重賞シーサイドCは得意の1200Mだけに10着惨敗は状態に問題があったと考えるのが自然、斤量53に最内枠でイン突きが得意な岩田騎手が騎乗と本来の状態ならば当然無視出来ない存在だろうが、前走の惨敗が気になるだけに今回は様子見が正解かも知れない。


2枠2番ナイキマドリード
かつては年連続でNAR最優秀短距離馬に選出されたナイキマドリードも今年で9歳になり能力が完全に下り坂のイメージが強く、近年は唯一4連勝中と結果を残し「最後の砦」だった船橋1000M戦の習志野きらっとSPで9着と敗れており、もはや凋落は決定的と思え。ましてや今回の舞台となる大井コースは自身の充実期だった4歳時のアフター5スター賞で2着して以来、中央勢相手の競馬が多いと云えども8戦して勝利を挙げるどころか掲示板に載るのが精一杯の成績から決して得意のコースとは言い難く、南関勢が相手でも勝ち負けするとは思えない。

2枠3番リアライズリンクス
前走の中央勢が相手のさきたま杯3着からも南関所属馬として抜けたスピードがあるのは確かだが、問題なのは再三指摘しているようにスピードに乗るとハイラップを踏んで逃げる事が可能だが、スタートダッシュが抜群に早い訳ではなくトップスピードになるまで時間を要するタイプと云う部分、それだけにハナへ行くまで包まれる可能性が少ない外枠がベターと思えるだけに、今回引き当てた3番ゲートの内枠は決してプラス材料ではない、それでも控えて味があるタイプとは思えないだけにスタートから押して敢然とハナへ行き完全燃焼するしかない。

3枠4番ゴーディー
昨年のアフター5スター賞は好発から馬なりで逃げて他馬をスピードで圧倒、残り200を過ぎた所で先頭に立ち後続とのリードを広げて流れ込みを図り、ゴール寸前にサトノタイガーにハナ交わされて2着惜敗も、自らハイラップを踏んでレースを引っ張り1分10秒8の時計で走破する勝ち馬を凌駕する強いレース内容で、続くムーンライトCでは斤量差もありグランディオーソに完敗、マイルGPでは最内枠を利してハナへ行くと終始他馬にプレッシャーをかけられる展開を凌いで1000Mまで11秒後半から12秒前半のラップを刻んで逃げ粘り3着するなど昨年は3~4歳時の単調な逃げ馬のイメージを払拭し、ポジションに拘らず自在の競馬が出来る様になった事から絶好調、しかし昨年末の笠松遠征が堪えたのか年末のおおとりOPで惨敗して休養に入り、復帰初戦の東京SPでは13着と惨敗、その後はゆりかもめOP・武蔵野OPで2着するなどレースを使いながら状態が良化している印象も、前走のサンタアニタTでは5番手から徐々に後退して11着と敗れたが、現状は前走の1600よりも今回の1200の距離がベターと思えるだけに得意の距離に戻って巻き返しの可能性はあるはず、とは云えども絶好調だった昨年のこの時期の出来には無いだけに評価を割り引くのが妥当だろう。


3枠5番ケビンドゥ
中央ではOPクラス入りしたが、OPでは5戦して何れも着外と云う成績からアタマ打ちの印象が強く南関へと転厩、中央時代は外の3番手から抜け出す競馬で準OPを勝ったが、基本モマれ弱くてハナを切れないと力を出せないタイプ、南関転入後は中央時代からレース間隔が開いていた事もあるがハナへ行けない事もあって8着・12着と惨敗続き、逃げ馬だけにハナへ行けば一変する可能性があるのは認めても、今回はスピード馬が揃っているだけに自分が望むような展開に持ち込めるかは疑問で、特に買いたいほどの魅力は感じない。

4枠6番ジョーメテオ
今年で9歳の年齢になるが昨年暮れの笠松GP1着・兵庫ゴールデンT2着から判る様に能力の衰えを感じないが、前半はジックリとガマンして脚をタメて、ヤネがゴーサインを出すと一気に行くだけの不器用で乗り方が難しいタイプに加えて、イメージほど良い脚を長く使える訳でもないだけに直線の長い前走の盛岡や大井の外回りは不向き、また多頭数の競馬になると馬込みが捌けず力を発揮出来ないケースが目立つだけに真ん中より外の枠がベターと思え、今回引き当てた6番ゲートはマイナス材料、ただクセのある馬だけに以前に騎乗しこの馬を良く知る坂井騎手に手が戻るのは好材料で、縺れた展開で浮上する可能性があるだけに、ここは乗り役に全て任せて思い切りの良い競馬で一発を狙って欲しい。

4枠7番カイロス
福山では15戦13勝を挙げ、福山ダービーを制した実力馬で、福山廃止後に南関へ転厩し優駿SPに挑戦するも8着と敗れて自己条件から仕切り直し、その後はレースを使いながら地力を蓄えて前走では2番手から抜け出す正攻法の競馬で準重賞シーザイドCを制して、優駿SP以来となる久々の重賞へと駒を進める事に成功した。
優駿SPのあとは10戦して全て掲示板を確保する安定株も、1回大井の準重賞・ウインターSPでは斤量5K貰いだったリアライズリンクスに完敗しており、その後カイロスも力を付けているとは思うが、今回のリアライズリンクスとの斤量差は3Kと縮まっている事から逆転は厳しいかも知れず、ここは試金石の一戦と考えるべきだろう。

5枠8番トーセンベニザクラ
中央所属時は3歳1月のフェアリーSを勝利したが中央時代にダートを使ったのはわずか1回だけで、しかもその時はシンガリ負けを喫しており、転入初戦の4回大井・隅田川OPでもシンガリ負けとダート適性に疑問と思っていただけにしらさぎ賞3着には正直驚いたが、続くオトコ馬相手のさきたま杯6着は仕方ないとしても、オンナ馬相手のスパーキングレディーC9着、金沢・読売レディス杯7着は正直不満、やはりしらさぎ賞3着はレベルの低い南関牝馬が相手だから成し得ただけで着順を鵜呑みにするのは危険、今回はオトコ馬相手の競馬となるし、1200向きのスピードがトーセンベニザクラにあるとは思えず見送りが正解。


5枠9番カネトシディオス
中央在籍時は芝のレースで5勝を挙げてOP入りしたが、当時ダートは1戦して11着と惨敗している事からダート適性に疑問が残り、現実に南関転厩後はフジノウェーブ記念11着・東京SP12着惨敗している。
その後は相手が微妙だった盛岡・シアンモア記念と6回船橋・短夜賞で其々5着と掲示板を確保するなど多少はダート競馬に馴染んで来た印象があるが、1200M向きのスピードがあるとは思えず軽視が妥当。

6枠10番アルゴリズム
中央OPから昨年4月に南関へ移籍、移籍前は中央で障害レースを使っていた馬だけに正直大きな期待はしていなかったのだが、転入初戦の東京SPは3着と健闘、続くゆりかもめOPを快勝した時は南関で一花咲かせるのは確実と思ったのだが、その後は重賞を勝つどころか掲示板にも載れない期待ハズレの成績が続いて休養に入り、今年の2月から復帰し中央勢相手の東京SPは別として、フジノウェーブ記念と前走のゆりかもめOPはスンナリと先行して直線での手応えから馬券圏内かと思うほどの見せ場を作ったのは確かだが、共に最後の一踏ん張りに欠けて残り100で急激に失速と掲示板を外してしまった。
最後に止まった部分に今のアルゴリズムの限界を感じるも、フジノウェーブ記念は休み明けが理由、ゆりかもめOPは芦毛馬だが暑さに弱いタイプと思えるだけに状態が微妙だった事が最後に失速した理由かも知れず、状態さえ戻ればまだ見限れない存在かも知れない。


6枠11番ルックスザットキル
前々走の優駿SPを逃げ切って重賞初制覇に成功すると、その勢いを借りて初の古馬相手の競馬となる習志野きらっとSPに出走し、斤量53の恩恵があった事は認めるが、これまでの逃げ一辺倒の競馬と異なる3番手からの競馬を試みて、直線で満を持して追い出すと上がり36秒2の脚を使い快勝も、問題は前々走の優駿スプリントTRのようにスイッチが入るとヤネがコントロール出来なくなり暴走する可能性がある部分で、前走は初の左回りで馬が戸惑いモタついたとの事で結果オーライだった印象があるが、今回も前半に無理にハナ争いに加わらず、前走同様に控える競馬が出来れば当然ここでも勝ち負けするだけの能力の持ち主だけに、ヤネがルックスザットキルをどこまで辛抱される事が出来るかが勝敗の分かれ目となる。

7枠12番アクティフ
準重賞の桃花賞を逃げ切り勝ちが評価され1番人気に支持されたユングフラウ賞だが、自分のペースで逃げれなかった事が影響して早々と失速し6着と敗れるも、そこから一息入れて臨んだ優駿スプリントTRでは前を行く3頭を見る形でやや離れたインの4番手に待機、直線で力強く抜け出して快勝、初の1200M戦ながら無難に距離に対応するなどこちらが考えていた以上に短距離適性を感じるレース内容。
しかし、続く優駿SPでは2番手につけて逃げるルックスザットキルにプレッシャーをかけに行き、真っ向勝負を挑んだが直線でアッサリと振り切られてしまい3馬身差の2着は前残りの馬場を考えても完全に力負けの印象を受けただけに、今回はルックスザットキルだけでなく百戦錬磨の古馬陣が揃っているだけに正直厳しい印象があるのは確か。
唯一の望みは今回は斤量49で競馬が出来る部分で、ハナ争いに加わらず優駿スプリントTRのような控える競馬が出来れば、他馬との斤量差を活かして上位争いは可能かも知れない。



7枠13番コアレスピューマ
4年以上も前の話だが中央勢相手の東京SPでセレスハントのコンマ1秒差3着するなど短距離路線で活躍した時代があるが、今年で11歳になる馬だけに衰えは顕著、それでも前々走の川崎スパーキングSPでは3着と久々に馬券圏内に食い込んだが、前走の習志野きらっとSPでは追走するだけで終了の7着と敗れたのがこの馬の現実、今回は得意の右回りになるのは歓迎材料だが、それだけで勝ち負け出来るほどの能力が今のコアレスピューマにあるとは思えない。


8枠14番アイディンパワー
南関に転厩した後は自身ベストのワンターンの短距離戦に特化して13年の習志野きらっとSP3着・アスター5スター賞2着に加え中央勢相手の東京盃でも直線勝負に徹して2着のテスタマッタとはコンマ1秒差の5着、昨年のクラスターCでも勝ったサマリーズからコンマ5秒差の5着と健闘しており、今年初戦の東京SPは中央勢が相手に加え久々の実戦だっただけに8着も已む無し、その後の2走は自身のベストとは言えないツーターンの競馬だけに度外視は可能、現実に前走の習志野きらっとSPでは直線だけの競馬で掲示板を確保するなどベストのワンターンの競馬では大崩れしないのは9歳と云う年齢を考えれば立派だろう。
とは云え今のアイディンパワーに往年の突き抜ける勢いは感じないだけに余程展開に恵まれたとして掲示板に載れば御の字だろう。


15番インプレスウイナー
中央で7勝を挙げ、12年の京王杯スプリングCでサダムパテックとコンマ1秒差3着の実績があるOP馬で、ダートは5年半以上も前になる3歳の未勝利を勝っているが、中央での活躍は芝のレースが目立つだけにダート適性に疑問が残るし、最近はめっきりと衰えて得意の芝でも惨敗が続く8歳馬だけに大きな期待は出来ず、ここは軽視したい。


see more info at 南関診断士の南関競馬徒然草