2015 10/4(日) スプリンターズＳ(GI) 中山芝外1200ｍ
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賞金的には足りなかったがレーティング上位５頭に入って復活の出走、昨年のスプリンターズＳ３着馬レッドオーヴァルが参戦。北海道シリーズでは末脚不発の展開、春は雨にたたられて末脚不発と苦しい結果となった。それでもきっちり力を出し切れれば戦えるのは昨年のスプリンターズＳで証明済みだ。今回は相手もかなり強敵が揃ったが、昨年ストレイトガールと僅差の３着、実力は侮れない。
とにかくこの馬は厄介な馬で、パワータイプではあり少し時計が掛かった方がいいのだが雨はできるだけ降らない方がいい、高速馬場でもエンジンが掛かればやれるというタイプ。昨年のスプリンターズＳは雨は降っていたがこの馬にとってはギリギリこなせる範囲だったかなと。
昨年のスプリンターズＳは新潟開催、芝内1200ｍ戦で良馬場発表だが直前で結構雨が降っていたし少なくとも良？と思うような馬場ではあった。ペースバランスは33.7-35.1で11.3 - 11.9 - 11.3 - 11.9のラップ推移、コーナーで緩めての再加速戦という総合力が問われた競馬。五分にスタートを切って無理なく、しかしいつもよりは前、中団より前で進める田辺のバランスの取れた積極策。３～４角では好位の外から緩みに合わせてじわっと押し上げる、４角ではもう２列目を射程に捉えて直線。序盤でそこから追い出されるが最速地点では伸び切れずに２列目の一角。Ｌ１でもしぶとく伸びて２列目から抜け出し掛けたが外のスノードラゴンの強襲、内からはストレイトガールに差されての３着だった。今思えばこの接戦の中で２着に入っていれば賞金的にも心配することはなかったのだが、まあ結果的に強い競馬で高いレーティングをもらえたのがここに繋がっていたと。レース内容としてはいつもより明らかに前で競馬を進めることができたし、ハイペースの中でそれをしっかりとやりきれたこと。また最速地点では見劣ってもＬ１でしぶとく伸びてきたようにこの馬は本来ポテンシャルタイプにはなるので、そういった要素を外目で進めたことで中弛みに巻き込まれずに引き出せたというのは大きい。まあまともに走れればこれぐらいはやれる馬ではある。
のだが、この馬はエンジンの掛かりがちょっと遅い。それと基本的にはそんなにポジショニングが上手くないので、総合力勝負になってしまうとなかなか対応できないところはある。例えばここ２走はそんな感じである。UHB杯は悪くない展開だったが33.4-34.1と札幌にしてはかなりの高速馬場で、ややハイから10.9 - 11.2 - 11.3 - 11.6とコーナーでも速いラップを維持しながら直線でも落ちないという競馬。五分に出て中団ぐらいかなと思ったが結局下げながら３角に入ってそこからの仕掛け。３角で外から押し上げようとするがラップが速くて捲りが難しい。４角で外から徐々に勢いをつけていこうとしたがそれでも押し上げきれずに最後方列で直線。序盤で外から伸びかけＬ１では流石という伸びを見せたが及ばず。まあこの馬場だと基礎スピードの質の面が問われているし、３～４角であれだけ外を回してしまうとなあという感じ。ただ馬場差は別にしてもあれだけ３～４角外を回して33.3というのはなかなか見られない数字で、引き合いに出すとしてウキヨノカゼなんかあれだけ目立つ脚を見せても33.5なのである。しかもこの馬の場合は３～４角でペースが落ちなかったので４角なんかはかなり大外を回していて、ウキヨの場合は４角の段階では捲れていたので比較的インに入り込めたこともある。個人的にはトップスピード面での評価はともかく、トップスピードを長く維持するという分野ではこの馬も全然見劣らないと。これまでの実績でもコーナーで外を回すとロスの多い札幌でも大外から勢いをつけながらポテンシャルでねじ伏せるという競馬だったし、この競馬自体は悪くないと思うのだが馬場が軽すぎたのが影響したかなというところ。
そして前走のキーンランドＣである。個人的にはこの組の上位の中では一番苦しい競馬になっちゃったなというのが率直な感想だ。34.0-34.6とややハイ程度でコントロールされ、レースラップが11.3 - 11.8 - 11.4 - 11.4とＬ３でかなり緩んでいて、ここが３角後半である。ゲートはまずまず、そこから下げながら中団馬群の中なのだが３角で凝縮してくる中でスペースがなくブレーキ。４角でも内目にいたので外に持ち出すまでにも時間がかかる。直線序盤でもまだ進路確保できずようやく外に持ち出してから鞭が入って反応しつつ最後は目に見えて伸びてくるのだが届かず。まあ正直２Ｆ戦で前向けないまま後方に下がりつつ直線なんてのはこの馬で一番やってはいけない競馬になったわけだし、まあ岩田の裏の面が出てしまっている。この馬自身はあれからでも猛烈に伸びていて少なくともラストは11秒前後のラップで恐らく自身はＬ１最速。ウキヨが出し切ったのとは対照的にこちらは全然脚を引き出せなかった。全く悲観する材料ではないなと見ている。
ここに出られたのは幸いで、個人的には中山1200のスプリンターズＳに出てほしいなと思っていたのもあるし、穴としてはかなり期待している。まずこの馬は基礎スピードそのものは高い、ゲートもさほど悪くないという点も大きい。これまでも中団で我慢してという内容だがスペースがなかなか広がらずに結局後方に下がるということが多いだけで、基本的には中団ぐらいで競馬ができる馬である。また昨年のスプリンターズＳからもわかるように33.7-35.1で１秒半ば程度のハイバランスなら楽に好位につけてそこからもしぶとく脚を使えてきたという面がある。もちろん今回は中山なのでもうちょっとスピード色は強くなるだろうが、少なくとも無理なく走れるペースの幅が広いというのは他の追込み一辺倒の馬に対して優位に立てるポイントである。不器用な馬で加速戦は本来得意としていないし、中山1200なら前掲ラップで減速を止めるポテンシャル戦になる可能性が非常に高い。ある程度縦長で32.5-35ぐらいの競馬になってくればこの馬の持ち味である一定レベルの基礎スピードとそこからのポテンシャルというのは今回のメンバー構成で考えればかなり厄介だろう。ペースが上がり切ってくれば捌き次第で頭まであってもいい魅力的な穴馬である。ただし、まず天気が心配だ。土日はひとまず晴れそうだが、金曜辺りは天気が荒れる可能性が高くなっている模様。多少の道悪ならこなせるが、馬場が悪化すると良くないタイプなのでそこは不安材料になる。それを除けば今回は良い材料が非常に多い。特にキーンランドＣはかなり特殊な競馬で最悪に近い流れになった中であれだけ詰めてきたというのは個人的には驚きで、馬のレベルという観点で見ると一枚上だったかもしれない。昨年のスプリンターズＳも３着とはいえ、展開を考えるとこの馬にとってベストだったとはいいがたい。ある程度前で勝負に行った分この馬のポテンシャルを前半で幾らかは削いでいることにはなるし、何より直線で加速する競馬になった。その点を考えてもまだまだ底は見せていない不気味な馬で、穴馬としては最大限に注目したい一頭になる。今年はまだ重賞未勝利となかなか巡り合わせの悪い蛯名正義だが、ここで乾坤一擲の騎乗となるかにも注目だ。
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プレミアムインフォメーションで飯村トラックマンが推奨しているように、前走の走りから1000万でも通用するレベルとみた。ハービンジャー産駒は、今のの芝100％の中山芝コースはデータからピッタリ。ここは人気でもこの馬から狙う。
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