2015年10月23日金曜日

菊花賞2015 出走予定馬:ブライトエンブレム、前走は捲りを躊躇、ポテンシャルは世代最強候補の一頭!

2015 10/25(日) 菊花賞(GI) 京都芝外3000m
出走予定・登録馬
菊花賞2015の出走予定馬・登録馬一覧


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 菊花賞出走予定馬の全頭展望、最後を飾るのが弥生賞2着、そして皐月賞4着のブライトエンブレムだ。札幌2歳Sの覇者でクラシックの有力候補として期待されていたが、結局春は脇役に終わりダービーは参戦せず菊花賞に賭けるローテーションに。しかし秋初戦のセントライト記念では期待を裏切る10着となった。本番の菊花賞に向けて不安を背負った状態で素質馬が秋最後の一冠に全てを賭ける。母がGIを取った10月の淀にこの馬もGI制覇を成し遂げることができるか。


 最後にこの馬を持ってきたのはやはり期待している面が強いからである。と同時にやはり陣営が前走の敗因を積極的に強気に動いた大味で伸び切れなかったと分析しているようで、今回は流れに沿った競馬をするというコメントがあった。これをどう捉えるかで随分と変わってくる一頭かな。


 まずはこの馬の良さであるポテンシャル面から見て行こう。印象に残っているのはやはり札幌2歳S。ペースバランスは48.8-48.8の平均ペース、12.4 - 12.2 - 12.1 - 12.2 - 12.3と淀みなく12秒前半のラップをずっと刻んでいくというポテンシャル戦である。内枠で出負けしてポジションを取れずほぼ最後方からの競馬になる。道中も平均ペースの流れの中で後方から3角手前で大外に持ち出す。3~4角で大外を見事にぶん回して中団に押し上げて直線。序盤でそれでもそこから伸びてくると、L1まで一番いい脚を維持して突き抜けた。地味にレッツゴードンキが3着、ミュゼエイリアンが4着、アルマワイオリが6着でありレースレベルそのものは高かった。その中でポテンシャル戦で異次元のパフォーマンスを見せてきたというのは確かでこの段階から菊花賞で面白い一頭だなと思うようにはなっていた。


 弥生賞では強敵サトノクラウンのポテンシャルが初めて引き出された一戦で、大外捲りの戦法で2着に屈したもののポテンシャルに限って言えばこの馬の方が不気味さはあった。中山芝内2000m戦でペースバランスは61.3-60.5とややスローの範囲内。ラップ推移でみても12.7 - 12.0 - 12.1 - 12.1 - 11.9 - 12.4と5Fのロンスパ戦で典型的なポテンシャル勝負になっている。ここでもやや出負けからポジションを後方に下げての競馬になる。道中も最後方に近い位置で競馬を進めて3角。3角で徐々に外に誘導し、4角では超大外をぶん回すいつもの小沼の競馬、一団の後方にまで差を詰める。序盤でそこから抜け出したサトノクラウンをL1で追撃するが詰めきれずの完敗だった。ただロスを考えるとポテンシャル面では最後まで詰めようとしていたというのはやはり一番だなという競馬で、もちろん総合的に見てポジショニングや要所で動ける器用さといったところがサトノクラウンの良さでもあるので着順通り完敗ではあるのだが、あれだけのロスがあっても3着以下は引き離している。不器用さは課題だが少なくともポテンシャル面だけで見れば最上位に十分互角に戦える馬であることは分かるだろう。





 皐月賞ではその点を幾らか改善させてきた。ただ、レース全体が総合力勝負になった感もありこの馬としては適性を発揮しきれなかった感じ。中山芝内2000m戦でペースバランスは59.2-59.0と平均ペースだが、12.2 - 12.2 - 12.1 - 11.7 - 11.4 - 11.6と3F勝負にはなっていて最上位勢からすればこのペースを楽に追走してそこからのペースアップにしっかりと反応できるか。基礎スピードの幅はもちろんだが後半もある程度総合的な要素を要求されている。ここで内枠から好発を切って中団につける。道中でも厳しい流れの中で中団の最内から向こう正面スペースを上手く押し上げつつ3角へ進んでいく。3~4角でも最内から徐々に外の進路を探っていきながら好位列で直線。序盤でそこからの伸びが欲しかったが反応が微妙。ここで出し抜かれるもののL1までジリジリと伸びて最後はキタサンに並びかけるレベルまで伸びての4着だった。この内容からも厳しい流れになり切っていたら或いはもう少しというところだったと思うのだが、やはりあの流れでもラップ的に要所でしっかりと加速して動いていく要素が問われた。これまでからは一転して器用に立ち回ってきたが結局要所での反応で前を向けなかった分、ギアチェンジの乏しさが直結したかなと。ただ幸いにしてペースはそこそこは速かったし基礎スピードの幅が足りない馬たちがこのペースで脚を出し切れなかったりサトノクラウンの様に無駄に後ろから仕掛けも遅くというような競馬になった馬たちもいたので4着と最低限の結果を残せたなという感じ。適性的に皐月賞は苦しかったと思うが、その中では田辺が上手くレースに沿って進めてくれたと。


 セントライト記念ではこれまでの大外捲りを踏襲しようとしていたが、個人的には仕掛けが遅かったと思っている。まあ中山2200はゴールドシップ岩田もそうなんだけど、道中の直線部分が非常に少ないトリッキーなコースなので捲っていくのが難しいコースではあると思うが。ペースバランスは61.1-60.1とややスロー程度、しかし12.6 - 12.5 - 12.6 - 11.9 - 11.5 - 11.6というラップを見てもわかるように中盤は明確に緩いしそこから仕掛けも遅くほとんど2F戦に近い、L1を落とさない流れだ。やはりやや出負け、そこから無理せず後方に下げての競馬。レースは結局スローで落ち着いていたのだが、田辺もなかなか押し上げられずに中盤に進む。中盤で流石にちょっと遅いとみたか仕掛けて進出しようとするがじわじわで中団ぐらいまでで3角を迎える。3~4角でもまだペースが上がっているわけではないのだが中団の大外で雁行状態に嵌る。4角で加速していく流れの中で大外を回されて当然コーナーワークで置かれて直線。序盤に反応できずにジリジリ、L1までジリジリで完敗に終わった。エンジンの掛かりが遅いのは皐月賞で証明済み。前がおいでおいでをしていて3角終盤から4角にかけて一気に0.7も加速、更にそこから4角出口にかけて11.9-11.5とこの2F、コーナー地点で1秒も加速を要求される競馬で大外を回せばどうなるかは普通に考えればわかること。動いていったと言っても前がペースを引き上げない中で中団で満足したのが全てで、器用さのないこの馬でコーナーで明確に加速していく流れを前に作らせてしまった。捲り切るまではともかく6F目では動き出していたし、そのまま無理なく好位列、2列目あたりまで押し上げていけば前ももう少し早めの仕掛けをせざるを得なかったし、せめて4~5F戦に持ち込めていれば緩やかな3角から4角までに速度を上手く分散できたと。ポテンシャルタイプなんだからまず5Fで平均的なラップ推移に持ち込む必要があった。その点で積極的に映ったかもしれないが実質的にはかなり消極的な捲りだったといえる。


 さて、菊花賞ではそれらを全てまとめて考える必要があるのと、陣営が大味な捲りはしないというコメントを発しているのでこれをどう受け止めるかというのが今回の予想のポイントになるはず。ひとまずだが流れに合わせての競馬になれば完全に展開次第の馬になる。リアルスティール辺りを目標にするだろうが、結局前が支配してしまうようだと今の超高速京都ではコーナーで加速する展開になってくるだろうし、昨年のような超高速馬場でも結局L4から加速して11秒台をコーナーで刻んでいる。そういうことを加味してもトップスピード面でさほど高いレベルにないこの馬が後方から上手く立ち回ったとしてまとめて差し切れるかは疑問が残る。基本的にはバテ差しタイプでエンジンがかかった状態を維持するのが理想だろう。弥生賞の内容からもサトノクラウン相手に大外からあれだけやれればポテンシャル面では世代でも最上位のはず。ポテンシャル戦に持ち込むのがこの馬にとっては定石で、多少ロスがあっても早い段階で動いて3コーナーまでにレースを動かしていく形が理想だし、早めに動くことで縦長に持ち込ませて自身の進路も3~4角でできるだけ内に入るという戦法が取れる。今年の春の天皇賞ゴールドシップがやったように向こう正面で動いて3角までにはポジションを上げ切り、コーナーでは逆に無理をせず仕掛けを待つという立ち回りが理想は理想だが、これは恐らくやってこないということになる。となるとやはり展開次第になるだろうか。高速馬場適性はこれまでの内容からは判別できないところはあるが、皐月賞で一定以上の競馬ができていたのでそこまで心配はしていない。母も高速馬場の秋華賞で波乱を呼んだ馬である。皐月賞の感じからある程度内目で我慢しながらでも3~4角の進路どりを上手くできればと思うし、皐月賞はああ見えて3F勝負で要所で動く必要があり置かれたのが痛かった。あのレベルで対応できたなら距離延長3角の下りからペースが上がるという点では菊花賞はやはりいい条件になるはずである。この条件だとやはり狙いたい一頭にはなってくるかなと。セントライト記念の田辺は正直不満しかないが、ここはどういう競馬をするにせよしっかりと置かれない競馬を心がけてもらいたい。皐月の感じからインでも早めの仕掛けならば対応できるはずだ。




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現在では『競馬総合チャンネル』、『web競馬王』、『競馬王』などに連載を持っており、今年3月に発売されたパーフェクト種牡馬辞典2015-2016では監修を務めている。

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