2015年10月25日日曜日

富士S2015 回顧・結果:ダノンプラチナ、強烈な末脚を引き出しサトノアラジンを差し切る圧巻のパフォーマンス!

2015 富士S(GIII) 東京芝1600m良
レース回顧・結果

1:32.7 12.7 - 11.0 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.2 - 11.1 - 11.4 
47.0-45.7S


 最初の3Fは35.1でそこまででもなかったが中盤で明確に緩んだこととL3から一気にペースが上がってそこからトップスピードを長く維持していくという競馬になった。富士Sらしい競馬と言えばそうだが、L1でここまで落とさないというのは結構驚きでやはり高いレベルの一戦だったなという印象だ。結局はスローになっていて基礎スピードはほとんど要求されず、TS持続力が高いレベルで要求されているし、ギアチェンジもトップスピードの質も必要だったという感じで後半の3要素を高いレベルで求められたかな。あとやっぱり外差し馬場の傾向ではあったと思うのでその辺も含めて内がしんどかったのはあるかも。


 1着ダノンプラチナは出負けして最後方からという競馬で苦しい形で進めていく。ただ道中はペースが落ち着いて団子状態ということもあってこのスローでも割と落ち着いて進めていた方で3角まで団子の最後方列で進める。3~4角でも我慢しながら最後方列で直線ヨーイドン。序盤で進路をとると反応良くすぐに駆け上がってきてL2では2列目に並びかける切れ味。L1でそのままサトノアラジンを捻じ伏せての完勝だった。ひとまずいえるのは、この展開はスローで後半の総合力勝負、とりわけTS持続力が問われたわけなんだが、その中でサトノアラジンを差し切るというのはかなり驚かされた。本格化したサトノアラジンを差し切る競馬ってのはちょっとイメージになかったかな。これは相当なレベルにあるとみて良い。まあもともと2歳時から府中でも朝日杯でもやれていた馬だけど、どちらも比較的ソフトで時計がかかる馬場ではあった。今回はまあ高速になり切っているかは微妙だがそれでも32秒台の走破時計は余裕で出てくるという中でまず緩い流れからしっかりと動けたギアチェンジ、そこから最速地点でスッと伸びてくるトップスピードの質、それを維持してサトノとともに3着以下を引き離してねじ伏せる。これらをやり遂げたのは後半3要素を全て高いレベルで見せてきたと言って良い。ゲートが甘かったし本当の意味でのスピード勝負…今年の安田記念みたいに淡々と仕掛けも早い中でという競馬で脚を使わされないかどうかという点での不安は無くはないし、気性面を無視すればバランス的には1800ぐらいの方がいい競馬はしていると思うんだけどね。折り合いに関してはバッチリだったが、スプリングSのドスローでもそこまで掛かっておらず2走目の皐月であれだけ流れて掛かり切ってしまったように2走目でテンションが上がってこないかどうか、というのも課題にはなるね。追い切り見てもスピードに乗りたくて仕方ないって感じだし、ギアチェンジというよりブレーキを外す形でギアを上げてる感じなのでwその辺で考えるとまだまだ素質だけで走っている感じはある。完成した時の破壊力が想像できないね。この世代は読みにくいんだけど絶対的な能力が高い馬が非常に多い。


 2着サトノアラジンは五分には出てそこからある程度追走はするが結局後方からというのは仕方ないかなと。ただ道中が結局このレベルとしてはかなりスローに落ち着いたことでちょっとかかり気味になったし前の馬とのスペースを詰め過ぎてブレーキするシーンもあった。3~4角で外々、仕掛けを待ちながら4角でグランシルクを目標にしつつ後方列で直線。序盤では仕掛けを待ちながらダノンの一列前で進める。L2でダノンが並びかけてきたのに合わせて仕掛けて内に切り込ませて出し抜きを狙うがこれにダノンが余裕をもって喰らいつかれる。L1でも甘くはなっていなかったがそれ以上にサトノアラジンが強く、最後は競り負けての2着となった。正直このパターンで負けるイメージはあまり浮かばなかったんだが、これは素直にダノンプラチナを高く評価するしかないかな。正攻法で負けてしまったのは残念ではある。3歳世代はかなり強いけど、この馬自身も3着以下は圧倒しているわけでやはりエプソムCで見せたトップスピードの持続力含めて高いレベルでの後半の総合力を見せてきたわけだし、最速地点でのキレってのはやっぱり流石。今回はダノンを褒めるべきだが、この馬としては後半の要素の高さはトップクラスであることは証明したんじゃないかな。ただ本当の意味でマイルが合うかどうかってのは課題が多かった。ゲートは悪くはなかったが二の足が甘かったしスローなので団子で決め手勝負に持ち込めたが、やはりある程度ペースが上がった時にポジションを確保できるのか?後半の総合力を引き出す余力を持てるのか?基礎スピードの幅という点ではまだまだ未知数でリスクはあるままかな。


 3着ロゴタイプはまずまずのスタートからスッと番手を確保しに行く。そこで折り合わせる形になるがペースもそれに伴って緩めの形で中盤までスローでコントロールしてしまう。 楽な手ごたえで3~4角も番手外で立ち回って直線。序盤でそこから楽に抜け出してくるんだがL2ではまだ頑張っていたもののL1で甘くなって3着確保。まあ58kg背負ってこの展開で3着だったんだからひとまずは恰好を付けた形だけど、やっぱりペースが遅すぎて良さを活かし切れなかったかな。この馬の場合総合力そのものは持っていて中山金杯とかでもある程度のペースから要所でスーッと動いていって勝負を決めることができる。ギアチェンジもトップスピードの質も良いものを持っているんだがTS持続力はトップクラスにない。スロー団子状態で後続の馬が追走に脚を使うことなく差のない位置で直線となった段階で勝負としては厳しかったかな。本番がマイルCSなら面白い負け方ではある。内枠引けたらやれると思うんだけどなあ。基礎スピードの幅をもっと活かしたいところで、47秒ペースでは流石に。せめて46秒前半、できれば45秒後半あたりのペースで内目のポジションを取って仕掛けを待ちたいという感じかな。マイルでも対応できると思うし後はある程度噛み合えばというところ。良い負け方だと思う。


 4着シェルビーは五分に出てそこから無理せずに中団で様子を見る。道中はスローで馬群が凝縮する中で下げながら後方というやや苦しい競馬で3角。3~4角でもまだ動けないまま最後方列に下げながらで直線。序盤で進路を外に出すがダノンよりも仕掛けが遅れてワンテンポあと。L2でダノンの直後を選択してL1でそこからぐんと伸びてきたがそれでもダノンやサトノに詰め寄る脚はなくの4着完敗。この馬やっぱりもうちょっと距離あった方がいいかもしれんなあ。流れ的にはどうみてもおいおいって感じの下げながら直線進路取り遅れという戸崎らしい駄目騎乗なんだけど、それで脚を引き出せてきちゃうんだから前半は無理をしない方がいいってことになるんじゃないかな。まあ距離どうこうってよりも前中盤フラットに走って無理なく取り付ける舞台が合っているという感じ。こういうタイプのバクシンオー産駒はあんまり距離で考えるよりも前後半でしっかりとメリハリを付けられるかどうかが大きい気はするんだけどね。色気を持って乗るとろくなことがないし、溜めるだけ溜めて終いでズドンができる条件が揃えばなあ。京都の外回りはその点で合いそう。ペースも上がっても大丈夫な馬だし、規模は小さいけどグランプリボスみたいなイメージで良いんじゃないかな。距離に拘らずに色々試してほしい一頭。嵌れば番狂わせもできる馬だと思うしね。


 5着フルーキーは五分に出てそこから内田らしく積極的にポジションを取って2列目の外という形で進めていく。道中も2列目外でコントロールしながら進めて3角。3~4角では先頭列を見ながら楽な手ごたえで直線。序盤でそこから追い出しを待ちつつL2で仕掛けるが手応えほど伸びがない。そのままL1でジリッと伸びずばてず5着完敗だった。まあトップスピード特化戦になってしまうとなあという感じ。マイルでドスローだとキレで見劣るし流れると基礎スピード的に難しい。少し時計が掛かってくれるといいんだけどね…。その点で見てもこのクラスではなかなか競馬がしにくいかな。トップスピード面でやっぱり強気になれないのが安定しないところ。逆に本番では面白いと思うんだけど、賞金的に出られるのかなという感じはあるかな。





 6着グランシルクは五分には出てそこから無理はせずに中団でという競馬。道中スローななかで折り合いながら中団でという感じだが途中で頭を上げていた。3~4角でも中団の外で進めて直線。序盤で前を向いて結構すぐに反応したがL2で各馬がトップスピードに乗ってくると明らかにキレ負けする。L1でもジリジリとは伸びて来ていたが6着まで。やっぱり根本的なトップスピードの質が足りないんだよね…。脚自体は最後まで使えているんだけど、サトノもダノンもレベルが違うという感じ。個人的にグランシルクは折り合い面で不安はあると思うんだが距離自体はもうちょっとあった方がいいと思う。NZTなんか出遅れながら淀みない基礎スピードが要求されてのポテンシャル勝負でグンと来ていたし、ローカルの2000で流れる競馬は面白いと思うんだけどね。ちょっと適性と噛み合っていない感じ。


 番外で15着クラリティスカイは五分のスタートからじわっと出して2列目のポケットにという感じ。ただカレンが思ったより行ききらず、下げようと思たtが掛かってしまって上手くポケットに入るまでに時間がかかった感じ。3角ではポケットに下げ切れ、そこからでもまだ掛かってしまっていて、4角出口でも仕掛けを待ちながら2列目ポケットで直線。序盤で最内進路を取って追い出されるがいつもの反応がなく前に行けそうにないのを確認して後はほとんど流すような競馬で下がって行った。まあ実際追っていたとしても話にならなかったと思うが、敗因はちょっと難しい面はあるかな。カレンが半端に行くのか行かないのかわからなかったし、かといって最序盤はそこまで遅くなかったからハナを切るというのも難しかった。で、抑えようとしたんだけどなかなかブレーキできずに3コーナーまで掛かってしまったからねえ…。操縦性が良い馬だと思っていたんだがちょっとメンタル的にうまく行ってなかったのか?というぐらい掛かってた。序盤出がそこまで良くなくて若干出し気味だったのも影響したのかな。個人的にはこの不安はダノンの方がどうかなと思っていたんだが、ダノンはあの流れでも持ってかれるようなこともなかったというのになあ…。敗因としては難しいんだけどいつも要所での反応はトップクラスなのにそれが直線入りで出せる気配もなかったということは直線までに問題がある。レース前の調整が微妙だった可能性も否定はできないし、追い切り自体は良く見えたんだけどね…。57kgなり色々と敗因と考えられる材料は多いが、それでもこのペースで57kg背負ったからって反応できないような馬ではないはず。レース運びの拙さが影響した可能性が高いかな。




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