2015年11月2日月曜日

第15回JBCスプリント

大井で行われたJBCスプリントは01年・03年・04年・07年・11年の5回で、JBCスプリントに連対した10頭で前走が東京盃だったのはちょうど半数の5頭で、その5頭すべてが東京盃で1~3番人気に支持されており、東京盃の評価がJBCスプリントに反映する印象。

残る3頭は前走1400M時代の阪神・シリウスS1着馬、東京盃以外の面子が連対するには前走ダート短距離で勝利している事が条件。

残る2頭が前走帝王賞11着だったフジノウェーブと芝のスプリンターズS7着だったプリサイスマシーンで、前走でダート短距離レースを使っていない馬でも前走でGⅠレースを使っている事が最低の条件となり、その場合は着順は気にする必要はない。

今回のJBCスプリントで上記の条件に該当するのは東京盃1番人気のダノンレジェンドと3番人気のコーリンベリーに前走ダート短距離で勝利しているレーザーバレット・ノーザンリバー・ジョーメテオ、前走がGⅠだったベストウォーリア・ポアゾンブラックの計7頭で、この中ではやはり東京盃を1番人気で勝利したダノンレジェンドが有力だろう。

ではスプリント競走の出走馬の評価をしていこう。


1枠1番タガノジンガロ
中央の準OPから昨年3月に兵庫へ転厩してからは名古屋・かきつばた記念勝ちに兵庫GT4着、黒船賞3着、佐賀・サマーチャンピオンでは3着・2着するなどダートGでの好走が再三あり、地方所属馬としてはダート短距離路線でトップクラスの実力があるのは事実だが、スピードに加えて器用さが必要な小回りツーターンでの地方の短距離重賞だからこそ器用に立ち回る事が可能なタガノジンガロが活躍している訳で、純然たるスピード勝負になる大井のワンターン1200Mでは分が悪い印象、現実に前走の東京盃では前を行く面々のスピードに対応が出来ず徐々に後退してしまい、直線だけの競馬で掲示板を確保するのが精一杯だっただけに今回も勝ち負けするのは厳しいだろう。

1枠2番コーリンベリー
3歳時に出世レースの昇竜Sを勝ち、ユニコーンSで2着するなどオトコ馬が相手でも互角に戦える能力の持ち主で、昨年は牝馬と云う事もあってJBCレディスクラシックに挑戦したが、距離1800Mは守備範囲外だけに9着と惨敗、今年はその反省を生かしてレディスクラシック競走ではなく、オトコ馬が相手でも守備範囲の距離となるスプリント競走に挑戦するために前走は本番と同じ舞台の東京盃に出走したが、ゲートの出がイマイチだったにも関わらず3角手前で大外を通ってポジションをやや強引に押し上げて3番手まで進出、直線で先頭に立ったダノンレジェンドを目標にして追い出すも、3角手前で先団に取り付くために無理に脚を使ったツケが終いの脚にモロに出た印象で、直線ではジリジリとした脚しか使えず、結局伸びあぐねて3着に沈んでしまった。
今回は互角にゲートを出る事が好走の前提条件だが、過去に控える競馬でも結果を残しているだけに仮にスタートで置かれた際は前走のような強引な競馬を避けて控える競馬を試みるのもひとつの手だろう。

2枠3番レーザーバレット
3歳時はUAEダービーに挑戦したほどの素質馬だが、その後は順調に使えない時期もあり、降級・昇級を繰り返しながらOPクラスで中々勝てずにくすぶっていたが、昨年の11月よりOPクラスでの成績が徐々に向上するなどようやく一皮剥けて、派手ではないが中々の実力の持ち主と云う印象があり、近走は地方の小回りに対応する器用さを見せ、結果を残している事で小回りツーターンがベストと云うイメージもあるが、1200のワンターンは中央で【2・0・0・1】の成績を残しており、唯一勝利を逸し4着と敗れた千葉Sは勝ったシゲルカガとタイム差無しだからイメージ以上に1200の距離は向いており、自在に立ち回る事が可能な器用な馬だけに上位食い込みがあっても不思議ではない。


2枠4番コスモフィナンシェ
4歳時にみちのく大賞典・すずらん賞の岩手の重賞で2勝を挙げた実績はあるが、成長力が乏しくその後はOP特別で2勝を挙げただけで、今年になり地元の自己条件でも勝利を挙げられない日々が続く馬ではダートGどころか南関のB級でも通用しないだろう。

3枠5番ジョーメテオ
今年で9歳の年齢になるが前走のアフター5スター賞を完勝している事から判る様に能力の衰えは感じないが、このアフター5スター賞は先行した面々のほとんどが真ん中より内に居た事でジョーメテオは外を通ったと云えどもいつもよりロスが少ないコースを通りスムーズに追い上げる事が出来た事が勝利に繋がっただけで、本来はフルゲートの競馬になると馬込みが捌けず力を出し切れず終わるケースが目立つ馬で前半はジックリとガマンして脚をタメ、ヤネがゴーサインを出すと一気に行くだけと乗り方が難しくアテにし辛いタイプなのは確かで、アフター5スター賞の勝ち時計も1分12秒台と平凡だけに展開がハマったとしても勝ち負け出来るかは疑問。

3枠6番ダノンレジェンド
デビュー戦では2着に7馬身の圧勝を決めて、続くポインセチア賞では後に全日本2歳優駿を勝つサマリーズとハナ差の競馬をするなどダートで活躍するだけの下地はあったが、スタートが安定しない事でレースの流れに乗れず惨敗したり、不得手と思える1600~1800の距離を使った事で出世が遅れた印象も、最近はスタートが安定して距離1400M以下のダートを使うようになり本来持っていた素質がようやく開花し、カペラS・黒船賞・東京SPと重賞3連勝を達成するまで成長した。
続く北海道スプリントCではスタートの出遅れが響いて3着と敗れて連勝がストップしたが、クラスターCではM・デムーロに鞍上強化を図り2着に6馬身差をつける圧巻のパフォーマンスで巻き返しに成功、前走の東京盃では大外枠を引き当てるハンデに加えて、スタートで後手を踏みながらも抜群の二の脚でそれをカバーして2番手をキープ、直線で追い出して先頭に立つと1分10秒9の時計を叩き出して完勝した。
今回のスプリント競走は前走の東京盃と距離・コースとすべて同じ舞台だけに連勝する可能性は高いが、以前は治まっていたゲート難が最近チョイチョイ見られる事がダノンレジェンドの唯一の不安材料。

4枠7番ノーザンリバー
昨年の盛岡・JBCスプリントでは1番人気に支持されたが坂のあるワンターンの左回りは不得手な印象の馬だけに5着と敗れてしまったが、今年のJBCスプリントはこれまで【2・0・1・0】と自身ベストの条件の平坦のワンターンの右回りの大井で行われるだけに昨年の借りをキッチリと返したいトコだろうが、他の有力馬がステップレースを使ってこのレースに臨んでいるのに対して、ノーザンリバーは5月のさきたま杯以来実戦から遠ざかるなど順調さを欠いている部分が正直気になる。

4枠8番サトノタイガー
南関転厩後はダートの短距離からマイルまでを中心に使い重賞で2勝挙げるなど大活躍、昨年の盛岡・JBCスプリントでは差す競馬を試みてドリームバレンチノの2着と好走、その後古巣の中央への遠征となったカペラSでは勝ったダノンレジェンドにはチギられたがゴール前で鋭く伸びて2着を確保とホームの南関だけではなくアウェイの競馬でもキッチリと結果を残した事は大したモノ、しかしその激戦続きの疲労が出たのか、今年に入り根岸S13着、フェブラリーS16着、東京SP7着、京成盃GM8着と結果を残せなかったが 習志野きらっとSPで久々に連対するなど復調の兆しがようやく見え、前走の16回大井・インタラクションCで昨年のアフター5スター賞以来の勝利を挙げる事に成功したが、勝ち時計は前々走の東京盃7着の走破時計より遅い1分12秒7と平凡なモノで、昨年のこの時期よりも明らかに勢いに欠けるレース振りから前走で勝利したと云えども完全復活したとは判断出来ず、それだけに今回は特に買いたいほどの魅力を感じないが本音。

5枠9番バーチャルトラック
昨年夏に中央1000万条件から高知へ転厩、当地では重賞のだるま夕日賞で勝利するなどそれなりの結果を残しているが、これまでのダートGでは南部杯11着・名古屋大賞典9着・さきたま杯10着と惨敗ばかりで全国級の実力は無く軽視が妥当。

5枠10番ベストウォーリア
前走で南部杯2連覇を達成したが、昨年と異なり今年はクラシック競走へは向かわずスプリント競走をチョイス、これはベストウォーリアが1600以下の距離のレースでは【9・3・2・2】と複勝圏内を外したのはわずか2回だけなのに対して、1600Mを超えた距離のレースでは【0・1・0・3】と未勝利と云う部分を陣営が鑑みての選択なのだろう。
ただ、この馬のベストはワンターンの左回り1400~1600と云うイメージが強く、右回りに関しては京都で2勝挙げているので気にする必要は無いかも知れないが、1200Mの距離は正直1F短いと思えるし、これまでデビュー戦の1度しか使っていない事も少々気懸りで、久々の1200Mの距離に対応して勝利するか、自分のリズムを崩して案外な結果になるかはやってみないと結果は判らないと云うのが本音。

6枠11番セイントメモリー
2月のフジノウェーブ記念は2ハ目から続く11秒台のラップを楽な手応えで追走すると直線で抜け出して2着に4馬身差をつけるなどスピード面の衰えを感じないレース内容で圧勝したが、その後は何れも惨敗続きで砂を被るとレースを止めてしまうなどのムラッ気とズブさが出て来た現況から得意の大井コースでも昔のような信頼は置けず、中央の快速馬が揃った今回は自分の競馬が出来ないだけに見送りが正解。

6枠12番アルゴリズム
昨年は転入初戦の東京SPで3着と健闘、続くゆりかもめOPを快勝したがその後は重賞を勝つどころか掲示板にも載れない期待ハズレの成績が続いて休養に入り、今年の2月から復帰したがアフター5スター賞で3着した事が目立つ程度で昨年の勢いを感じないレースが続いており、南関勢が相手でも勝ち切れないだけに、中央の快速自慢が相手では自分の持つ能力を全部出しても通用しないだろう。

7枠13番ゴーディー
昨年は3~4歳時の単調な逃げ馬のイメージを払拭し自在なポジションで競馬が出来る様になった事から好結果を残したが、今年に入りゆりかもめOP・武蔵野OPのOP特別では其々2着しているが、重賞では何れもフタケタ着順の惨敗を喫している事から絶好調だった昨年のこの時期の状態には程遠く今回も厳しい戦いを強いられるのは確実。

7枠14番ドリームバレンチノ
今年は5戦して未勝利と不完全燃焼の結果が続き、8歳と云う年齢からピークが過ぎたのではないかと思っていたが、衰えたと云うよりも昨年のJBCスプリントを制してGⅠタイトルを獲った事で他馬より余分に斤量を背負わされている事が要因と判断するのが正解かも知れない。
事実、今年に入り未勝利だがダノンレジェンドより2K斤量を余分に背負わされた黒船賞・東京盃では其々2馬身差の2着に頑張っているし、連対できなかった地方での東京SPは不良馬場に加えて大外枠のハンデがあり、斤量58を背負わされた事で直線で苦しくなったのか内へとモタれてしまいドロドロの内ラチ沿いを通った事での敗戦と思えば仕方ない、さきたま杯も勝負ドコの3~4角で進路が狭くなったり、ゴール前でラブバレットが斜行した事で最後追えないなど大きな不利を2度も受けたのは痛く、不利を受けずスムーズな競馬が出来ていればアタマは厳しくとも2着はあった印象で、他馬と斤量差が無い今回はディフェンデングチャンピオンとして実力を発揮する格好の舞台だろう。


8枠15番ポアゾンブラック
兵庫でデビューし重賞2勝を含む5連勝で兵庫ダービーに挑戦、ここで連勝こそ途切れたが2着を確保し栗東の本田優厩舎へと移籍、中央では重賞勝ちこそ出来なかったが芝・ダートのOP特別を其々勝利したり、昨年の南部杯ではベストウォーリアの2着するなどの活躍をした。
今年4月の阪神・アンタレスSを最後に中央から道営競馬に移籍したが、転入初戦の北海道スプリントCでダノンレジェンドに先着する2着と好走、続くグランシャリオ門別SPを勝ち、盛岡・クラスターCでダノンレジェンドに6馬身も離されたが2着を確保と中央在籍当時の勢いをキープして大活躍、今回は南関所属の面々に好調時の勢いを感じないだけに地方所属馬ではこの馬が最先着する可能性は高いが、GⅠレースだけに中央所属馬は粒揃いで自分の競馬をしても勝ち負け出来るかに関しては微妙な印象があるのは確か。

8枠16番マルカバッケン
南関転入初戦の16回大井・インタラクションCでは6着と敗れたが、当時は3カ月振りの実戦だっただけに勝ったサトノタイガーからコンマ8秒差ならば及第点の内容、上々の滑り出しかも知れない、今年で8歳になる馬だけに以前よりズブくなり前に行けなくなっているが、1月と4月の中山のOP特別で今回出走しているレーザーバレットと小差の競馬をしている事から衰えは緩やかでOPクラスで通用する能力はあるはずで、また中央で挙げた全7勝のうち6勝が京都と云う事から平坦の地方競馬向きの印象があり、南関限定の短距離重賞ならばもう一花を咲かす可能性があるが、中央所属の快速馬が揃った短距離のGⅠレースではやはり厳しい印象で今回は見送りが正解だろう。


see more info at 南関診断士の南関競馬徒然草