2016年2月29日月曜日

本番も自分のリズムで走れるかどうかだけ

次は、日曜の阪急杯だね。

ミッキーアイルは、スタートが良かったし、この馬がハナに立った途端に他の馬が控えてくれた。2番手に付けたレッツゴードンキもガッチリと抑えてくれて、自分の競馬に持ち込めたのが良かったよね。リズムを崩すと脆いけど、こういう競馬ができるとやっぱり強いよ。でも、僕としてはハナを切らなくても大丈夫だと思うんだよね。スタートセンスがいいぶん、ハナに行くことが多いだけで、自分のリズムで走れれば番手からでも問題ないと思うんだけどなぁ。まぁ、今回はテン乗りの松山だったし、イチかバチかの思い切った競馬は簡単に試せるものではないからね。休み明けとすれば上々の滑り出し。本番(高松宮記念)でハナを切るにしても、番手に控えるにしても、自分のリズムで走れるかどうかだけだと思うよ。

オメガヴェンデッタは、先行勢を見ながらジッとできていたし、(武)豊は最高にうまく乗っていたと思うよ。レッツゴードンキがミッキーアイルを突いていればもっと際どい勝負になっていたかもしれないけど、逆転まではなかったはず。相手が強かったとしか言いようがないでしょう。ワンパンチ足りないなりに頑張っているんじゃないかな。千二だと気持ち忙しいし、千六だと微妙に長い。今回のソツのないレースぶりからしても、千四が一番合っているんだろうね。適鞍ならどこかでチャンスがありそうだけど、千四の重賞は限られているからなぁ(苦笑)。

ブラヴィッシモは、積極的に先行して最後までしぶとく粘っていたね。もっと前に行ったら苦しくなっていただろうし、ジックリ構えていても切れる脚を使えていたかは微妙。スムーズな競馬をして、この馬の力は出し切れたんじゃないかな。オープン入り2戦目でこれだけやれれば上等で、順調に力を付けていけば…といったところ。まだ4歳で若い馬だから、これからの成長に期待だね。

ミッキーラブソングは、中団からの競馬になったんだけど、最後はいい脚で突っ込んで来たね。2着争いは横一線の際どい勝負だったから、インコースを通ってロスなく運べていれば上の着順に上がれたんじゃないかな。まぁ、こればかりはレースの流れ、展開だけに仕方がないし、この馬なり頑張ってくれたと思うよ。

サドンストームは、後ろからの競馬になったんだけど、苦しい位置取りからよく追い込んで来ている。同じようなラップが並んで淀みないペースだっただけに、一瞬の脚を使えるぶん、ここまで詰められた感じかな。これ以上となると展開の助けが欲しいところで、前崩れの競馬にもならないとキツいだろうね。

レッツゴードンキは、2番手からになったんだけど、すぐに折り合いもついたし、この馬とすれば理想的な競馬ができていたんだけどね。同世代の牝馬相手だと強い競馬ができても、牡馬相手、古馬が相手になるとこんなものなのかなぁ。いずれにしても、ちょっとだらしない競馬だったよ。

ミッキーアイルが逃げ切って、前に行った他の馬も止まらない競馬。後ろから行ったクチには厳しい展開になっちゃったね。ヒルノデイバローあたりはいい脚を使っていたんだけど、さすがにお手上げだったよ。


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