レースは好発のディーズプリモをスタンド前で交わしてケイエスソードがハナへ行き、徐々に後続を引き離しての単騎逃げ、2馬身ほど離れた2番手にウワサノモンジロウが付け、3番手にシャークカイザーが上がり、人気のディーズプリモはスタートからカカり気味だった事もあって折り合いに専念しインの4番手からの追走、ケイエスソードは誰も絡んで来なかった事もあって1000M通過63秒4と思いのほかレースは流れなかったが、3角手前で後続の面々が徐々に差を詰めて行くと、中団よりやや後ろのポジションから追走していたプレイザゲームがココが勝負ドコと判断し3角過ぎに一気にマクり先団に取り付くと直線で逃げるケイエスソードを交わして流れ込みを図るが、直線入り口で外へと進路をとったガーニーフラップがジワジワと伸びて先頭に並び掛けるとゴール前でプレイザゲームを突き放して1馬身半差をつけて優勝した。
勝ったガーニーフラップはスタート直後からヤネが気合をつけてインへと潜り込み人気のディーズプリモの直後の5~6番手からの競馬、3角手前でジワジワと前との差を詰めると4角で先団グループに取り付き、直線で外へと持ち出してヤネが追い出すと先頭に立ったプレイザゲームとの差を1完歩ずつ着実に詰めて抜き去りゴール板を駆け抜けた。
スタート直後にヤネが気合をつけて好位のポジションをとった事や3角手前でゴーサインを出しながらも中々前との差が詰まらなかった事を考えるとレース経験を積む毎にズブさが出て来た印象も、脚質転換に成功してからはゴール前で確実に伸びるのがこの馬の強み。
ただ、勝ち時計の1分44秒6は如何にも平凡の域を出ず、戦前に指摘したように今年のクラウンCの出走馬のレベルは驚くほどの低かっただけに、今回の勝利で新星誕生と騒ぐ気にはなれない。
2着のプレイザゲームは馬群の中団よりやや後ろの8~9番手を外から追走、各馬が徐々に動き出した3角手前で外から一気にマクッて先団グループに取り付き、直線入り口で先頭に立つ積極策で勝利を目指すも、直線で外から伸びたガーニーフラップに競り負けて2着に沈む。
ただ、2着に敗れたと云えども3着のディーズプリモに4馬身差つけており、戦前に指摘したようにこれまでのレース振りからモマれ弱いイメージがあるだけに大外枠がプラスに作用した事に加え、ヤネの絶妙な仕掛けのタイミングも手伝って自分の能力は出し切った印象。
3着のディーズプリモはスタートセンスが良くテンのスピードがある快速タイプだが、それ故にスタート直後はヤネのコントロールが効かずカカり気味に行きたがるなど通常はプラスに作用するはずの特徴が現状マイナスに作用している印象で、今回もこれまで同様にスタートしてからムキになって走り、ヤネが折り合いに苦労した影響からか直線で全く弾けずに終わり、ただ流れ込んだだけの3着と云う結果。
道中もう少しリラックスして走れるようになれば良いのだが、今のままでは1600以上の距離に対応するのは厳しいかも知れない。
4着のキングスベンチはシンガリ待機から3角手前で仕掛け、前との差をジワジワと詰めて4角で先団グループに取り付いたが、直線ではジリジリと伸びただけで3着のディーズプリモに3/4馬身及ばずに終わる。
13番人気の低評価だった事を思えば今回の4着は健闘したと思えるが、寸評で穴に一考の余地があると書いたように前2走の右回りだった大井を別とすれば左回りの競馬では今回勝利したガーニーフラップには1回船橋で先着、また今回人気だったヤマノカミやウワサノモンジロウと少差の競馬をしているなど人気ほど実力が劣っていた訳ではなく、特に不思議な結果ではないが、この面子が相手だからの入着であり、この相手でも勝ち切れないのが今のキングスベンチの実力だろう。
5着のドンナディヴィーノはいつも通りに後方待機の競馬をチョイス、3角手前で動こうとした際に前に居たヤマノカミが競走中止するアクシデントが発生しブレーキを踏んだり、直線でも外へ張って来たデフィノワールと接触するなど再三の不利がありながら競馬を止めず掲示板を確保したのは立派で、仮に不利が無くとも勝ち負けするのは不可能だったのは間違いないが、3着争いに加わる事は可能だったはず。
前に行くと思っていた3番人気のラブレオは行きっぷりが悪くガーニーフラップの外の5~6番手から押しながら追走も、勝負ドコの3~4角で早々と手応えが無くなりアッサリと後退、久々の実戦に加えて初ナイター・初ダートだった部分を考慮しても12着は負け過ぎでダート適性があるとは思えないが本音、今回の競馬からは「いわくつき物件」なのかは判断出来なかったが、過去に中央で戦った面子を考えれば普通に準OPまで通用する存在と思えるだけに、この不可解な地方転入はそれなりの理由があると考えるのが自然だろう。
今回、3~4角でプレイザゲームが動いた際に「ヨシ!デキタ」と思ったが、特に声を出す事もなく案外冷静にレースを観ており、ゴール前でガーニーフラップが抜け出して本線での的中が確実になった時も嬉しいと云うよりホッと一安心したと云うのが本音、先週の桜花賞は290円の低配当だったが、安目の馬券をキッチリと的中したからこそ今回のクラウンCで勝負が出来た訳で、日曜のマーチSの負けを取り戻すどころか大幅プラスに持ち込む事が出来たのだから本当に有難い。
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