レースは外枠から押して逃げる気満々のコーリンベリーを抑えて好発を決めたソルテが迷わずハナを主張、ハナを取り切れなかったコーリンベリーはソルテから1馬身離れた2番手をキッチリとキープ、2番手から更に1馬身ほど離れた3~4番手のインにサトノタイガー、外にベストウォーリアが併走し、その直後の5~7番手はホワイトフーガ・ラブバレット・ドリームバレンチノの3頭が一団となり追走する。
ソルテはコーリンベリーがアッサリとハナ争いから引いた事で入りの3ハ36秒5と云う余裕を持ってのタメ逃げを打ち、残り600を切った所でペースアップを図り2番手のコーリンベリーを振り切ると代わって2番手に進出して来たベストウォーリアを4角のコーナーリングで突き放すと最終的に1馬身半差をつけて待望のダートG制覇に成功した。
勝ったソルテは今回も前走同様にハナへ行ったが、決して無理をして逃げている訳ではなく、終始余裕を持ちながらタメて逃げる形だから追い出してから終いキッチリと弾ける訳で、ハナへ行く事よりも前々のポジションで競馬をしながら道中脚をタメる事が出来るかがソルテには重要で、仮にコーリンベリーが逃げても結果は変わらなかったはず。
ただ、今回は斤量56の恩恵があったのは確かだし、ワンターンの1400ならば中央所属の快速馬が有利で当然結果は違うと思っているが、ツーターンの1400ならばソルテの方に分があり、現実に今回は中央のGⅠホース4頭相手に終始危なげないレース内容で完封しており、秋の最大目標となるJBCスプリント制覇へ向けて視界は良好。
2着のベストウォーリアは前を行く2頭を見る形で3~4番手から追走、ソルテがペースを上げた残り600過ぎに仕掛けて2番手に進出、ソルテに半馬身差まで迫るもコーナーリングの差でリードを2馬身差まで広げられてしまい万事休す、ゴール前でジワジワと伸びたが1馬身半差に詰めるのが精いっぱい、確かに今回はソルテより2K余分に斤量を背負わされたが、敗因は斤量差が響いたと云うよりもコーナー4つの競馬が影響した印象で、今回ベストウォーリアは36秒3で上がりソルテの上がり36秒4よりもコンマ1秒差早いが、残り100の脚色は明らかにソルテの方が優勢で、やはりこの馬はツーターンの競馬では脚をタメる事が出来ずコーナーで済し崩しに脚を使わされてしまい、そのため直線でイマイチ弾け切れない印象で、戦前に指摘したようにこの馬は距離1400でもワンターンの競馬でなければ勝ち切れないと改めて実感した。
3着のドリームバレンチノは小回り浦和を意識してかスタートから押して普段よりも前々のポジションでの競馬を心掛けたが、それでスイッチが入ったのかやや折り合いを欠くシーンがあり、また昨年のさきたま杯でインを通って大きな不利を被った影響からか今回はロスを覚悟で外を通っての競馬、3角過ぎに仕掛けて先団グループに取りつくも直線でジリジリとしか伸びず、前を行く2頭との差をインコースを通りロス無く立ち回ったサトノタイガーを交わすのが精いっぱい、自分本来の競馬とは違う積極策で3着を確保したのは立派だが、直線でモタついた事を考えると微妙だが年齢的な衰えを感じる1戦だったのは間違いない。
4着のサトノタイガーは3~4番手のインから追走、3~4角でもインを通ってポジションを上げ、巧みなコーナーリングで直線入り口では単独3番手まで上がるも残念ながら見せ場はここまで、直線ではジリジリとしか伸びず外を通ったドリームバレンチノの交わされて4着に沈む。
終始インを通ってロスの無い競馬を心掛けた事が奏功して充分な見せ場を作ったが、年齢的な衰えから最後の一押しが足らず、今のサトノタイガーの能力ではダートGでこれ以上の着順を望むべくもない。
5着のホワイトフーガはゲート内でチャカつきスタート直後に躓く不利があったがジワリとポジションを挽回して中団よりやや前の5~7番手のインから追走するが、インに固執した事が裏目に出てレースが動いた3角手前で前が開かずスムーズに上がって行く事が叶わず、直線に入っても進路が開かず苦肉の策で内ラチ沿いを突いたが時既に遅く掲示板の端に載っただけ、レースの流れに乗り損ない消化不良の結果。
3番人気のコーリンベリーはスタート直後に押してハナを取りに行ったがスタンド前で早々にハナへ行くのを諦めて2番手のポジションをキープ、過去に控える競馬で勝利した事はあるが随分アッサリとハナを譲ったなと云うのが正直な感想で、番手からの競馬になった影響か判断し兼ねるが3角でソルテに振り切られるとズルズルと後退し8着惨敗。
確かに前走の東京SPでオトコ馬が相手ながら斤量56をクリアして勝利したが、ダノンレジェンドの出遅れもあって入りの3ハ35秒7と云うダートGのスプリント戦とは思えないほどのゆるい流れに助けられてのモノだけに評価が微妙だったのは事実で、主導権を握れなければ案外のケースもあり得ると想定していたが、それでもメジャーアスリート程度の馬にまで先着を許した事は正直意外だった。
4~5月の重賞予想が振るわず弱きの虫が出まくってしまい、攻め馬からかしわ記念の反動は無いと判断しながら、万が一のケースを想定してソルテを消した馬券を買ったのは反省材料だが、それでも南関の重賞を久々に本線で的中する事が出来てホッとしたと云うのが本音。
また、前日の4-7の馬単のオッズが4.1倍だった事で、こりゃヘタすりゃ当日に4倍割り込む可能性もあるなと考えて当初予定していた分より4-7を多めに購入、終わってみれば4-7の馬単はこちらの想定を覆す5.7倍の配当となり思わぬ大儲けになったのは有難かった。
しかも、メインで大勝ちした事でリラックスして打った最終レース、軸にしたのは9ヶ月半の休み明けだった前走は実績無い1000Mと如何にも叩き台の雰囲気がありありで、休養前の昨秋B3二組の特別勝ちを含めて浦和コースは【3・0・0・1】と相性の良いダージーパラダイス、相手はこれまた浦和コース4戦3勝と適性があるスパーキードリーム、昇級戦で絶対的な信頼は置けないが、さりとて無視も出来ないタマモベルモットにスマートジョーカー・コテキタイの全妹でムラ駆けタイプだが3回浦和のB3一組の爽春特別3着から通用する可能性があるグッドネスの3頭をチョイス、結果はダージーパラダイスが一マクリで勝利、2着がグッドネスが確保して馬券は的中したのだが、日刊競馬ではダージーパラダイスに本紙が対抗、グッドネスも△の印が付いていたのにこの2頭の組み合わせてマンシュウと云う配当に正直ビックリ、メインが的中した事で特にオッズの推移に注意しておらず無欲の勝利と云ったトコ。
4~5月は自分でも嫌になるほど不振が続いており、6月になった事でようやく潮目が変わって来た事が馬券で儲けた以上に嬉しく感じる。
これで自信を持って来週の東京ダービーへと臨めるのは幸いだ。
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