では出走馬の評価をしていこう。
1枠1番アスカノロマン
15年のダイオライト記念3着以来となる久々の地方参戦で、このダイオライト記念ではクリソライトに真っ向勝負を挑みながら最後失速して3着と敗れるなど未だ力不足だった印象があったが、その後は体がパンとしたのか強い攻め馬をこなしながらコンスタントに520K台の体重で出走が可能となり、それに伴い成績も向上し完全に一皮向けた。
GⅠのタイトルこそ無いのは確かだが、決してベストの条件では無かった府中のマイルでのフェブラリーSで3着に食い込んだ事からもコーナー4つの競馬ならば今回出走のGⅠホースと互角に渡り合える可能性があるだけに格下と一概に軽視するのは危険。
2枠2番ノンコノユメ
チャンピオンズCで2着と敗れて連勝がストップしてからフェブラリーSも2着、前走のかしわ記念では4着と久々に馬券圏内から外れるなど末脚勝負の馬だけに仕方ないと云う意見があるのは確かだが、展開に左右される他力本願タイプの追い込み馬ではなく、自分で動いて勝つ事が可能な追い込み馬と評価していただけに、不本意な結果が近走続いているのは気懸りで、今回はJDD勝ちの実績がある大井での競馬となるだけにノンコノユメの正念場となる。
3枠3番コパノリッキー
昨年のJBCクラシックを勝利したが、これは前残りの馬場に恵まれた事と珍しく行きたがったホッコータルマエが道中折り合いに専念した隙をついて3角でスパートしリードを広げたヤネの好騎乗が奏功しただけで、昨年後半はフェブラリーS後に発症した骨折の影響なのかハナへ行けないとモロいなど全体的に本調子と思えないレースが続いていたが、今年のかしわ記念ではソルテの2番手から直線で抜け出す本来のコパノリッキーらしい競馬で完勝とようやく復活を果たした印象。
この勢いでもう一丁と行きたいだろうが、コパノリッキーは2000Mはこなせない訳ではないがやはりマイルがベストの条件で、今回は天敵ホッコータルマエに加えてクリソライトも居る事から楽逃げが打てるかは微妙な状況で、前走のレース内容は評価しても絶対視は出来ない。
4枠4番アムールブリエ
これまで距離2100のエンプレス杯を連覇した他に距離2000のブリーダーズゴールドC勝ちに、ニホンピロアワーズ・カゼノコらのダートGⅠを精したオトコ馬相手に完勝した距離2500の名古屋GP勝ちがある反面、距離1800のレディスプレリュード・JBCレディスクラシックで共に4着と敗れたのは道中常に押しながら追走するほどズブく、ギアチェンジが瞬時に出来ずエンジンが全開になるまで時間を要するタイプだからで、道中ゆったりと流れる2000M以上の距離が好走の必須条件。
そう云う意味ではGⅠを制したオトコ馬が相手と云えども今回の大井2000は格好の条件と思えるが、川崎記念で3着したと云えども2着のサウンドトゥルーから4馬身差の完敗だった事に加えてコパノリッキーが不在だった川崎記念と異なり、今回はコパノリッキーをめぐってある程度レースが流れるのは確実で、アムールブリエが楽に追走出来る流れになるかは疑問だけに一枚落ちの評価が妥当。
5枠5番ナリチュウドラゴン
大井記念では先行馬向きの緩い流れの中、シンガリ待機から直線勝負と云う自分の競馬を全うしてジャルディーノに先着する4着と健闘したが、軽量52Kだった事も大きく定量戦の今回は期待出来ない。
5枠6番ジャルディーノ
連戦連勝の勢いを活かして金盃で重賞初制覇、前走の大井記念5着は一息後のレースと思えば納得で度外視可能だが、今回完調で臨んだとしても中央のGⅠホースに通用するとは思えず、この経験を糧として今後の成長に繋げて欲しい。
6枠7番サウンドトゥルー
3歳時のユニコーンS3着の実績はあるが重賞勝ちと無縁だった馬が昨年の日テレ盃の勝利をきっかけに大躍進、JBCクラシック2着・チャンピオンズC3着とその勢いはとどまることを知らず、ついに年末の東京大賞典を勝ちGⅠホースまで上り詰めたが、正直な話をすれば勝利するには展開の助けが必要な他力本願タイプの印象があったのは確か。
しかし、年明け初戦の川崎記念は3角手前で早々にバテた馬を捌き切れず、結果ホッコータルマエをアタマ捕らえる事が出来なかったが、自ら動いて勝ちに行った部分に成長を感じる、前走のかしわ記念はスローの前残りの競馬だった事に加えて1600Mは今のサウンドトゥルーに距離不足だけに度外視可能、今回は自身ベストの条件の2000Mとなるだけに巻き返しは必至だろう。
6枠8番リワードレブロン
8歳になるが前走の笠松・オグリキャップ記念で2着するなど古豪は健在も、中央勢が相手では通用しないのはこれまでの成績から明白。
7枠9番ユーロビート
昨年の帝王賞では4着と健闘したが、決め手不足の馬だけにダートGで勝ち負けするには盛岡のように相手の脚色が鈍る坂のあるコースが条件となり、平坦の大井でのダートGでは勝ち負けは厳しい。
7枠10番ホッコータルマエ
昨秋の復帰以降の3戦は何れもGⅠと云えJBCクラシック3着・チャンピオンズC5着・東京大賞典2着といささか消化不良の競馬が続いたが、JBCクラシックは行きたがり道中折り合いに専念した結果、逃げたコパノリッキーに早目にスパートされての敗戦、チャンピオンズCと東京大賞典はJBCの反省を踏まえてコパノリッキーを徹底的にマークし自力で潰しに行く競馬をした事で終いが甘くなってのモノと敗因は明らかで、現実にコパノリッキー不在の川崎記念では自分のペースでの競馬に徹し、一部で囁かれた能力限界説を封じてGⅠ10勝目を挙げる事に成功しており、7歳と云う年齢からまだダート路線で見限るのは早計だろう。
今回、ホッコータルマエはドバイ帰りの1戦となるが、昨年の帝王賞も同じローテーションで勝利している事に加えて、中間の攻め馬の本数も豊富と不安材料は少なく、今回もダート王の貫禄を見せて11勝目となるGⅠのタイトルを手に入れる可能性は高い。
8枠11番ナムラビクター
中央在籍時はアンタレスSを勝ち、一昨年のチャンピオンズCで2着した実力馬も昨年の東京大賞典5着を最後に道営へと移籍、当地では2戦したが勝ち負けをするどころか掲示板もやっとの成績と完全に下り坂で中央当時の能力を今のナムラビクターに望むのは酷。
8枠12番クリソライト
昨年の帝王賞と日テレ盃では1000M通過が共に59秒9とかなりのハイペースで先行しながら2着したように自分の競馬をすれば多少厳しい流れでも頑張る事が可能な馬だが、気性面に問題がある事から時折ポカがあり全幅の信頼が置けないタイプなのは確か。
また、近2走のアンタレスSと平安Sでは自分本来の競馬が出来なかったにも関わらず4着・3着に踏ん張るなど年齢を重ねて常識にかかって来た印象があるが、やはり気性面を考えれば今回大外枠を引き当てた事は逆にプラス材料と思え、控えても味があるタイプではないだけに昨年同様に積極策で活路を見出すのみ。
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