2016 7/24(日) 中京記念(GIII) 中京芝1600m
出走予定馬一覧
東京1400m戦では抜群の総合力の高さを見せて結果を残してきたカオスモスだが、近走はやや物足りない競馬に終わってしまっている。それでも昨年も5着と善戦した中京記念の舞台に今年も参戦。近走に不満はあるが強い競馬をすることも多い馬だけに、人気を落としてくれば怖さはもちろんある。内枠を引き当てて器用さを活かしてこの馬の魅力を引き出せればこのメンバー構成でも侮れない存在だ。
個人的には先週までの軽い中京のイメージであれば、怖い一頭だと思う。条件としては良馬場、内外でそこまで馬場の差がない、内枠を引く、ペースは平均前後で極端でなく仕掛けが遅い。そういう条件が噛み合ったときに府中で見せている坂の上りでのスルッと抜け出すギアチェンジは武器になる。逆に言えばそれを引き出しにくい展開、ハイペースで余力がない状況、TS持続でギアチェンジの性能の差が影響しない状況。そうなると地力では見劣る。
ひとまずはこの馬の直近で最後の好走と言って良い昨年のパラダイスSを振り返る。東京芝1400m戦で良馬場、開催最終週でもあったし、雨もちょっと残っていたのでパンパンの良馬場ではなかったがそれでも好時計の1:20.6で走破しスマートオリオンの2着である。ペースバランスも35.0-34.1とややスロー、11.4 - 11.4 - 11.3 - 11.0 - 11.8というラップ推移が示しているようにL2最速で中盤以降そこそこ流れて本仕掛けがL2ということになる。坂の上りでの加速が問われた一戦で、この馬は1番枠からまずまずのスタート、そこからじわっと手が動いて追走しながら2列目のポケット。そのまま我慢して直線で一つ外、2列目。序盤でそこから楽な手ごたえで先頭列に並びかけ、L2の上り坂地点でしっかりと先頭に立つ。L1ではスマートオリオンの目標になって最後は甘くなったが機動力を見せた。時計も早かったし、それは中盤3~4角以降でそこそこ流れていたこともあった。本仕掛けそのものはL2最速で遅かったともいえるが、結局そこまでの過程が速かった分だけL1が落ち込んでいるというところだろう。ここで食い込まれてしまうのがこの馬の負けパターンということになる。ただ、東京1400が得意なのは一つはペースが極端に上がりにくいことと、仕掛けどころが少し遅れやすく、坂の上りでのギアチェンジが問われやすいというのが大きいだろうと思う。
その前提で考えると前⒮脳のパラダイスSの負け方はちょっと物足りないのだが、34.9-34.6と平均ペースなうえに、11.2 - 11.5 - 11.2 - 11.5 - 11.9とL3最速でこの条件としては些か仕掛けが早くTS持続の側面が強い。またバランス的にはそこそこ流れていて基礎スピードも東京1400にしては要求された。3番枠からまずまずのスタート、ここでは無理をせずにじわっと先行争いに加わって行くのだが、内のスペースに入れずに雁行状態となる2列目の外目になってしまう。3~4角ではそれでも少し下げて一つ外程度で上手く立ち回って直線。それでも入りが最速という中で追いだされての手ごたえがイマイチ。減速戦となっているL2の地点での伸びもいつものモノはなく、L1まで着順ほど悪くはないが決定的な伸びはなく伸びずばてずの6着完敗だった。この辺からも本来動けそうで動けなかったのは、ペースが流れたうえでL3最速と仕掛けが早くギアチェンジの性能がそこまで要求されなかった。直線ではほぼ減速していく過程で、坂の上りで余力がなかった状態だったのでこの馬の良さが引き出せなかったかなという解釈だ。まあこういう競馬でも東京1400ならいつもはもうちょっと頑張れるので不満がないといえば嘘になるが、3~4角でも決して器用に立ち回れたわけでもないし、隊列の並びも含めてちょっと恵まれなかったのはある。
昨年の中京記念は内容的には悪くなく、0.2差5着、しかも展開的に理想とはいいがたかった。中京マイルで良馬場、ペースバランスも46.4-47.0と平均ペースだがややハイ気味。11.7 - 11.8 - 11.4 - 11.6 - 12.2のラップ推移でコーナーから11秒台、L3最速で仕掛けが早くL2の上りの地点では減速ラップを踏んでいる。トップスピード戦とまでは言えない競馬になった。この中で5番枠から好発、そこから先行争いに加わって行きながら上手く内を確保するという形で落ち着け、結果的に3列目のポケットと理想的なポジショニング。3~4角でも最内から上手く2列目の内目で進路を確保して誘導。直線序盤の坂で2列目から抜け出しそうになるんだがL1でやっぱりちょっと甘くなって最後は3着争いでもちょっと見劣った。負けはしたんだが、本来この馬の場合要所で鋭く脚を使いたい。L2で加速する余力自体はあったと思うんだが流石に11秒前後の鋭さを引き出すほどの余力はなかったはず。坂の上りでの脚は良かったと思うが最終的にはL3最速でポテンシャルタイプが外からエンジンがかかってバテ差してきたのに対抗できなかったという感覚。ただこの展開で上手く立ち回ったとはいえマイルで一定以上の競馬ができたのは純粋に評価したい。まあレースレベル的にダローネガやエールブリーズ辺りにやられてはいるので、そこを評価するというのは難しいが、前述のとおり展開的に良かったわけではないのでそう考えれば浮上の余地はあるということだ。
先週のマデイラではないが、この馬も好走条件自体は非常にニッチで、やはり極端すぎないペースとレース全体の仕掛けが遅いこと。これは絶対条件だろうと思う。その点で例年通りの中京の馬場だとペースが上がってL2最速のトップスピード戦、というのはあまり望みにくかったし苦戦は必至だっただろうと。ただ今年は少なくとも雨の影響がなければ顕著に高速馬場である。そうなると仮に46.5ぐらいで流れても平均ペースで落ち着く可能性が高くなるし、直線の坂の上りで加速、しかもトップスピード戦になるという可能性は普通にあり得ると。この馬の場合は後半の3要素でギアチェンジの性能の高さは一級品、質もこの面子なら互角に戦えるレベルだと思うがTS持続力は2段階ぐらい足りない。スローで仕掛けが早くなっても苦しいし、ペースが上がり切って単調な競馬になっても苦しい。総合力を上手く問われる展開で内でひそめれば直線上り坂での一瞬の脚を使って抜け出し粘り込む、というのは映像的には見えてくる。少なくとも恵まれれば馬券圏内に入り込むだけの武器は持っている、という認識だ。特に今回は有力馬がほとんどTS持続タイプに偏っているので、これらが脚を出し切れるような仕掛けの速い展開では苦しいだろうが、逆に言えばこれらが脚を出し切れない様な3~4角の下りでコントロールされる形になった時に適性的に噛み合う最右翼の馬となるとこの馬といっても良いかもしれない。器用で瞬時に動けるので、とにもかくにも昨年同様内枠が欲しい。3~4角で各馬がどう動くかが焦点だが、ここで我慢できれば一瞬のギアチェンジ、そして上り坂でそれができるというのはこの面子では決定的な武器になりうる。この馬以上にパフォーマンスを落としている感のあるスマートオリオンも手ごわい馬ではあるが機動力、瞬時の反応に関してはこちらの方が上だとみている。後は噛み合うかどうかだろう。内枠を引いて良馬場ならば警戒はしておきたい。適度な雨ならむしろ先週の函館記念の様に後ろの仕掛けの意識も落ち着くと思うので、とにかくレースに紛れが生じればこの馬に取って追い風になるとみていいだろう。
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