2016 7/10(日) 七夕賞(GIII) 福島芝2000m
予想用・出走予定馬一覧
昨年のアメリカジョッキークラブカップではゴールドシップらを抑えて鮮やかな先行逃げ切りを果たしたクリールカイザーが復活を賭けて夏の福島、七夕賞に出走予定だ。実績から57kgの斤量は仕方ないが、ここ2走の内容は全盛期のそれではないだけに、不安も小さくない。久々の2000mという距離に状態面の不安。復活請負人田辺を鞍上に再び迎え、AJCCのような鮮やかな抜け出しを再現し完全復活となるか?
まだもうちょっと様子を見たいというのが本音。そのうえで福島2000もちょっと恵まれないとなあという感じ。基礎スピードで押していくタイプではないので上手くコントロールしたいが2000だと優位には進めないだろうと思う。どういう競馬をするかに依るが、少なくとも速い流れを先行してとなると不安が多い馬だろう。
まずは良いころを思い出しておきたい。昨年のAJCCではゴールドシップを撃破した…というよりはどちらかというと総合力勝負でミトラを撃破した、という表現の方が個人的には合っているかなと。シップの場合はあの流れに合わせてしまえば並の馬だしね。中山芝外2200m戦で良馬場、ペースバランスが63.0-58.7と4秒以上のドスローである。13.2 - 12.1 - 11.9 - 12.1 - 12.0 - 11.4 - 11.2 - 12.0と最序盤が相当遅く、2角過ぎぐらいで前がペースを引き上げたように見えて上げ切っておらず、そこから3~4角で12.0-11.4-11.2と更にもう一段階加速するという、2段階加速戦になっている。12番枠から五分のスタート、そこから押して二の足でハナを取り切る。向こう正面でラインブラッドが絡んでハナを奪われ2列目のポケットに下げ、外のミトラと2列目を形成。3角で最内からスッと仕掛けてここでミトラに対して機先を制しペースを引き上げていく。4角でも更に加速して出口で一気に出し抜いて直線。序盤にこれに唯一くらいついてきたミトラを相手にしぶとく踏ん張り、L1でもミトラとの差はほとんど詰めさせず、完勝だった。3角で最内から仕掛ける形になったのはかなりのファインプレーで、ここでミトラは後手を踏んで前にいたラインブラッドの外からロスを作りながら仕掛ける羽目になったし、更にもう一段階の加速となった。ここでしっかりと出し抜けているようにこの馬は後半の総合力が高い。TS持続力もこの路線で前々からしぶとく踏ん張れるだけのモノは見せているし、アル共の2着時もTS持続では高いレベルのフェイムゲームには完敗だったが、それでも距離が長かったとはいえラブリーデイなんかは問題なく退けている。後半の総合力型としてはかなり高いレベルにあるが、ポテンシャル戦よりはトップスピードを明確に問われた方が良いタイプではある。
昨年の天皇賞春後に脚部不安を発症して1年を経て帰ってきたここ2走は物足りない。メトロポリタンSでは東京2400m戦、良馬場で61.0-58.9と2秒近いかなりのスロー、13.6 - 12.2 - 11.7 - 11.3 - 11.5 - 12.2とL3最速戦にはなったが大逃げから緩めつつ多段階加速の形で出し抜こうとしたんだがL2の坂の地点でもう脚がなかった。確かにレース全体の仕掛けがかなり速かったし大逃げして極端な中弛みで簡単に取り付かせる形を仕掛けをできるだけ待ちたいこの馬でやるというのは下手くそだったと思うが、アル共の内容的にももうちょっとやれる馬ではあるはずで、休み明けが影響した形だろう。目黒記念からAJCCを勝ったコンビ田辺に戻ったが、61.2-58.6とこれもかなりのスローから12.3 - 12.4 - 12.0 - 11.7 - 11.5 - 11.5 - 11.9と4F戦。好位外から勝ちに行く形になったのはタイプ的に厳しかった、57.5kgのハンデも重かったにせよ崩れ過ぎである。一瞬伸びかけていたが、早い段階で失速してしまった。ただ、本質的にポテンシャル戦向きではないので、その中で外からという形で脚を使い切ってしまった面はある。それでもだからと言って度外視にできるレベルではない。ステイヤーズSの実績から考えてポテンシャル戦でもそれなりにはやれる馬である。ロスが多いとはいえここまで一瞬だと流石に状態的にまだ戻ってきていなかったと考える方が妥当だろう。ここ2戦は可哀想な面もあったがそれでも負け過ぎであることは確かである。
後はどこまで上がってくるかと福島2000でどう立ち回るか。個人的には前半無理に先行しなくてもいいと思う。このコースはやっぱり最序盤スタートして1角が下りになるので早くなりやすいし、それを調整しようと向こう正面で少し落ち着く。2000の基礎スピード勝負で戦える馬ではないので、入りのポジションではなく3角まででどういう位置にいられるかを意識してくれたらなと。まあその辺りのバランスを取るのは上手い田辺なのでそこに関しては期待してもいいかなと。最序盤から無理をしないことがまずは絶対条件かなと。そのうえで中弛みからの加速度がきついパターンになれば後半の総合力が活きてくる。全盛期にマイネルラクリマやラキシス相手に新潟内2200での2F戦となったオールカマーでも中団内からスッと反応できているようにこの馬の良さは器用に加速ができるところにある。福島巧者が多いキングヘイロー産駒というのも歓迎材料で、高速馬場で中弛みで上手く取り付きながら加速ラップでしっかりと反応できる武器を活かせる形に持ち込めればチャンスはある。後は状態面だけかな。ひとまずここ2走の内容は間違いなく物足りないのだが、どちらもこの馬としては仕掛けが早すぎたのがレースの流れ的には敗因になる。ギアチェンジの性能を活かしたいタイプなので、そういった特性を上手く活かせれば巻き返す可能性はある。この馬への思い入れや、能力そのものの評価はもちろん高いレベルで持っている(後半総合力型でミトラを高く評価しているというのもある。)のだが、それを持っている自分としても、流石にこの条件で強く推すのは難しいなというところ。内枠を引いて無理なく進めて中弛みで取り付くイメージが持てればワンチャンスあると思うが…。まずはここで復活とまではいかなくとも、復調の目途は立ててもらいたいかな。田辺の手腕に期待したい。
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