2016年7月1日金曜日

帝王賞を振り返る

レースは最内枠のアスカノロマンがハナへ行くかと思いきや、スタンド前で大外枠のクリソライトが押してハナを主張して向う正面へ入る。
1馬身半ほど離れた2番手にアスカノロマンがつけ、その2頭を見る形で単独3番手にコパノリッキー、その直後のインにアムールブリエ、外にホッコータルマエと併走する形で4~5番手を進み、6番手のインにサウンドトゥルー、やや離れた外の7番手にノンコノユメと先頭から7番手までのポジションを全ての中央馬が占めて1000Mを通過する。
クリソライトはハナに立った3ハ過ぎから13秒4-12秒8とラップを緩めての逃げを打った事で1000M通過は62秒2と思いのほかレースは流れず、1000Mを過ぎた辺りから徐々に後続とのリードが無くなり3角過ぎにコパノリッキーがスパート、4角手前で先頭に立つと追い縋ろうと試みる面々を直線でアッサリと突き放して悠然とゴール板を駆け抜けた。

勝ったコパノリッキーはパドックを見た感じでは特に太いと云う印象は無いが、プラス15Kの547Kは自身の過去最高体重での出走だけに厳しいだろうと考えて軽視した私はレース前にほくそ笑んだのだが・・・
今回は前走と異なりスムーズにゲートを出たが、当初から逃げる気をまったく感じない騎乗でアスカノロマンにハナを譲って控える競馬をチョイス、しかしクリソライトがハナを主張した際にスイッチが入ったのか行きたがる仕草を見せ、向う正面でヤネがガッチリと手綱を引いて懸命にセーブするなど決して道中ピタリと折り合っていた訳ではない。
それでも徐々に先頭との差を詰めると3角過ぎに勝負ドコと判断したヤネがゴーサインを出すと後続を一気に突き放して直線へと入り、そのまま押し切ってノンコノユメに3馬身半差の圧勝は強いの一言。
戦前に指摘したように昨年秋の復帰からフェブラリーSにかけては逃げないとモロく、本来のコパノリッキーらしさが皆無のレース内容から能力的に下り坂なのかと思っていたが、前走のかしわ記念では久々に好調時のコパノリッキーらしいパフォーマンスで完勝した事から完全復活したと判断したのだが、ベストはマイルだの楽逃げが打てるか疑問などとつまらないケチをつけて軽視して大失敗、勝ち時計の2分03秒5は昨年の帝王賞の勝ち時計より時計一つ近く遅いが、先日も指摘したように砂の入れ替えが終了してからの大井の馬場は時計がかかっている事を考えれば不良馬場での2分03秒5ならば出色の時計と云う印象で、今回の完勝に対して素直に脱帽するのみ。

2着のノンコノユメは中団より前の外から追走、向う正面からポジションを上げて4角手前でスパートを開始、直線入り口ではホッコータルマエに並び掛ける3番手まで押し上げるなど普段よりも積極的な騎乗で勝ちに行く競馬をしたのだが、直線の残り200まで手前を替えずここで前との差を思うように詰められなかった事が痛く、残り200を過ぎたトコで手前を替えてギアを上げたが、3馬身半差に詰めよるのが精一杯。
ただ、直線でスムーズに手前を替えたとしてもコパノリッキーが完璧なレースをしただけに着差が多少詰まっても逆転までは不可能と思え、むしろ今回の力を必要とする馬場で2分04秒台で走破した事を評価するべきで、敗れはしたがこれで今後の目処はついた格好。

3着のサウンドトゥルーは中団より前のインから追走、徐々に進路を真ん中へと持ち出してポジションを上げると、4角では外へ持ち出して追い出しを開始、直線ではジワジワと伸びたが1着・2着馬との脚色の違いは歴然としており万事休す、残り100を過ぎた辺りで脚に余裕が無くなったホッコータルマエを捕らえて3着に食い込むのが精一杯、確かに他力本願タイプだけに思いのほかレースが流れなかったのは痛かったが、さりとて自分の持てる力は今回出し切っており、仮にレースが流れたとしても勝ち負けに持ち込むのは厳しかった印象。

4着のホッコータルマエは3番手から行くコパノリッキーをピタリとマークするも、昨年のJBCクラシック同様に3角過ぎにスパートしたコパノリッキーに対応出来ず、直線入り口で2番手に上がりはしたがコパノリッキーとの差は3馬身以上も開いており、抜群の決め手がある馬ではないだけにこの時点で勝利は絶望的、案の定直線でコパノリッキーに迫るどころかノンコノユメにアッサリと置き去りにされ、ジワジワと脚を伸ばしたサウンドトゥルーにも交わされての4着と完敗に等しい結果。
ドバイ帰りのハンデがあったにせよ、同じローテーションで臨んだ昨年の帝王賞で結果を出している事と昨年よりも乗り込み量が豊富だっただけに少々意外な結果、確かにコパノリッキーには昨年のJBCクラシックで似たような負け方をしているが、当時はホッコータルマエが珍しく行きたがり道中折り合いに専念した事での仕掛け遅れが要因で、ピタリとマークしながらアッサリ振り切られた今回と同一視は出来ないはず、7歳と云う年齢だけに衰えが出始めたと考えたくはないが、今回のレース振りからその不安が現実化して来た印象は否めず。

5着のユーロビートは中団よりやや後ろのポジションをキープ、決して無理せず馬のリズムに任せて競馬をしている印象で、3角過ぎに追い出しを開始すると直線でジワジワと伸びてアスカノロマン・クリソライトの中央勢に先着する5着と掲示板を確保する事に成功した。
まぁ、決め手に乏しい反面、バテずに渋太い脚を使える馬の特徴を活かしてヤネが勝ちに行く競馬ではなく着拾いの競馬に徹しただけの話だが、それでも2年連続して帝王賞の掲示板は立派。

中央から参戦のGⅠホースで7着と敗れ、唯一掲示板に載れなかったクリソライト、戦前に指摘したように1000M通過が共に59秒9とかなりのハイペースで先行した帝王賞と日テレ盃で2着したように自分の競馬をすれば昨年の多少厳しい流れでも頑張るのがこの馬の持ち味だけにハナを取り切ってから自らペースダウンした事で3角手前で後続に簡単に差を詰められて、4角でアッサリと捕まえられる事に繋がっただけに、ハナへ行くならばガンガン飛ばして逃げた方がクリソライトの持ち味を活かせたはず、何とも中途半端な騎乗で不完全燃焼に終わる。


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