うまあんてな: スプリンターズステークス 2016 出走予定馬：サクラゴスペルが昨年同様再び波乱の使者となるか？今回は取捨に悩む一頭になりそう…

2016　10/2(日)　スプリンターズステークス(GI)　中山芝外1200ｍ
予想用・出走予定馬一覧
スプリンターズステークス2016の予想用・出走予定馬一覧

【スプリンターズステークス2016予想：出走予定馬の中から注目馬は？】
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　昨年のスプリンターズステークスでは11番人気で２着と存在感を示したサクラゴスペルが、今年もスプリンターズステークスに出走予定。とはいえ今年もぶっつけ本番、前走京王杯スプリングカップで８着と敗れての臨戦過程で再度人気薄の立場として臨むこととなりそうだ。今年は相手も手ごわいが、その中で２年連続で穴党に高配当を届けることができるか。

　昨年がちょっと特殊な展開だったこともあるし、何よりレースレベル的にも今年は勢力図が変わってきているのでこれをどう考えるか。過去はハイペースでもオーシャンＳで勝ち切っているが、最近は後傾型になっているのでその辺の判断も難しいところ。いずれにせよ今回取捨に悩む一頭になる。

　ひとまずは昨年のスプリンターズＳから振り返る。中山芝外1200ｍ戦でペースバランスが34.1-34.0と誤差程度ではあるのだが、恐らくGIになってからは史上初と言って良い前半３Ｆより後半３Ｆの方が速いレースとなった。ラップ推移を見ても11.7 - 10.7 - 11.7 - 11.2 - 11.2 - 11.6とＬ４で緩んでＬ３再加速、そこからはＴＳ持続というような感じで緩み過ぎて後ろの仕掛けが早くなった形。中山1200ｍ戦でも近年流行りの後傾型差し馬が有利な展開となった。その中でこの馬は４番枠からまずまずのスタートを切って離れた好位列から入って行く。ただ前が飛ばすような感じになりながら途中でアクティブが抑えたりしてかなり淀みができてここで２列目勢とは差のない位置までナチュラルに上がって行く感じ。３～４角でも仕掛けを待ちながら一頭分外といったところで好位列で進めて直線。序盤でそこから追いだされてしぶとく食らいついてミッキーアイルに迫る。Ｌ１でジリッと伸びてきたがストレイトガールのＴＳ持続に呑まれての２着までも11番人気を考えると大健闘といえる。まあ展開的に紛れたのは間違いのないところで、そこの中で出脚はそこまで無理をしなかったのに前が抑えたことで自身で無理をしなくてもいい位置を獲れた、というのは一つ噛み合った材料。この馬自身のバランスで見れば34.8-33.4と強烈に後傾、それを好位で刻めたわけなので、フロックとまでは言えないがそういった不確定要素がプラスに働いた面は十分にあるといえる。ただ、もともと昨年の京王杯ＳＣでもスローのトップスピード特化戦で好位から最後までしぶとく伸びてヴァンセンヌを撃破しているように後半勝負にシフトしてきた感はあったので、その辺りが噛み合った２着だったのかなというところ。この段階では基礎スピード戦より後半余力を持ってトップスピードを引き出す競馬の方がパフォーマンスを上げてきた感じかな。

　実際２走前の高松宮記念は大きく崩れた。超高速の中京1200ｍ戦で良馬場、ペースバランスも32.7-34.0と明確にハイペースの流れで11.7 - 10.1 - 10.9 - 10.8 - 11.1 - 12.1と減速ラップを刻み続ける消耗戦。その中で３番枠からまずまずのスタートを切ってまずは好位ぐらいから入って行く。激流の流れの中でコントロールしながら３角では最内を通す。ただコーナーでも少し掛かっているような感じになったし、下り坂で馬場が悪かったこともあってか中団に取り付かれるような感じで下がって直線。終始スムーズさを欠くような走りで入りでも反応悪く最後まで伸びはなかった。まあ殿負けしているわけで崩れた要素が何なのかだが、この馬自身のラップで入りの33.4は速かったとは思うし、基礎スピード面での課題もあったと思う。ただ早い段階で少し口向きの悪さを見せているような感じではあったのでその辺り上手く噛み合わなかったのかなあというのもある。荒れ馬場を気にしていた感じもあるし、この馬は過去を見ても洋芝の北海道では結果が出ていないことと、悪化した馬場では結構崩れているところもあるのでもしかしたらその辺りもあるかもしれない。元々がハイペースでやれていた馬だけに、単純にハイペースだから崩れたとするのは危険かもしれない。

　前走の京王杯ＳＣは逃げの手になってしまったことも影響があるかもしれない。東京芝1400ｍ戦で良馬場、かなりの高速状態となっていたが、ペースバランスは34.6-33.5と１秒で明確なスロー。ラップ推移も11.1 - 11.1 - 11.5 - 10.9 - 11.2 - 11.4と決して前半も遅いと思わないのだが少し息が入ってのＬ３最速10.9でＬ１まで大きく落とさないという競馬。究極的な後半のトップスピードの質、持続力を要求される競馬になっている。７番枠から好発を切って積極的に先行争い、敢然とハナを取り切ってペースも遅すぎない程度には上げていく。３～４角でも楽な手ごたえで直線に入ってくるが序盤で追いだされて少し外に寄れるような感じ、反応もイマイチで２列目に吸収されてしまうがそれでもＬ２までは踏ん張る。Ｌ１で明確に甘くなって最後は下がった。まあサトノアラジンとかが32秒半ばの究極的な上がりを使ってきているように、ペースを引き上げたつもりであれでもスローだったというえげつない馬場ではあったと思う。目標がいなかったことでしんどくなった直線半ばでの鞍上のサインにもなかなか踏ん張れなかったし、逃げてしまったというのも結果的には良くなかったのかなと昨年と比べると感じるところ。

　ひとまず難儀なのは近走それなりに敗因があるというところで、パフォーマンスを落としてきた、劣化したから近走が不甲斐ないとは必ずしも言い切れないところが難しい要素ではある。香港スプリントも外枠が響いた感はあるし、ペースも平均とはいえ淀みなく入っていてなかなかポジションを取れなかった。それと昨年も安田記念で結果が出ずぶっつけで波乱を起こしたという実績があるように、結構浮沈が激しい馬で良くも悪くも近走が当てになりにくい馬である。また、最後にオーシャンＳを勝った時が33.1-35.4と２秒以上の超ハイの中で正攻法で先行してダッシャーゴーゴー、ツルマルレオンと言った強敵を撃破してのモノであると。近走は見せてきていないし宮記念で崩れた原因が超ハイに巻き込まれたオーバーペースという可能性もあるが、単に悪い馬場を通って終始集中できていなかっただけならまだハイペース適性そのものは保っている可能性があると。スローでもハイでもやれる、休み明けでもやれるが不安定でどこで来るか非常に読みにくい難儀な馬。昨年のフラットな競馬で自身後傾の中でウリウリを撃破できているし、ゲートも上手いので最序盤のポジショニングでも結構優位に立てる。また今回はシュウジやソルヴェイグ、ミッキーアイルと言ったところが前にいるわけでこれらを目標に当てにしながら進めるので内枠でも引ければロスなく立ち回れる。レースレベル的には強敵が揃ったが、ハイ～スローでもやれるというのは今の本当に読みにくくなった中山1200としては案外うってつけの存在ともいえる。何とも難しい馬で、狙うにしても確固たる自信を持って、というのは無い…レースレベル的に見ても昨年のスプリンターズＳと比べると今年は強敵が多いと思うし、だがそれでも総合力で昨年ミッキーアイルに先着できているように十分チャンスはある。また切るにしても何を嫌って？ということになる。休み明けぶっつけは昨年でクリアしている、ハイでもオーシャンＳで勝ち切った、スローでもトップスピード持続力とゲートがまずまず上手いのでそれを前目で使える。今回も全くと言っていいほど人気していないが、敢えて切る理由は正直なところ見当たらない。それでも敢えて言うなら高速馬場での1200時計勝負にはまだ対応してきた実績はなく、中山1200でも少し時計がかかったり昨年みたいに息が入ったり、そういうパターンで６秒台の競馬にとなると不安はもちろんある。馬場が悪すぎるとダメだがある程度高速となって６秒～７秒半ばの決着となった時に不安が出てくるのかなと。究極的には1200ｍよりは1400かなとは思うので。しかしまあ今回もかなり悩まされる一頭になりそう。まだ去年の方が素直に狙いやすかったかな。今年は去年があるだけに二匹目のドジョウ狙いを避けようとしてしまうし、でも逆にその心理を逆手に取ってというのもある。いずれにせよ枠順決まって予想を決断する直前まで右往左往しそうな一頭。北海道組を評価しないといけないと思っているのでそことの兼ね合いかなあ。案外盲点になるとは思うし理屈づけて推すとなるとハッキリとは難しいんだが、単純に馬券的には買わないといけないような、そういう直感はある。