2016 香港カップ(GI) シャティン芝2000m良
レース回顧・結果
2:00.95 26.79-23.31-23.24-23.46-24.15
61.72-59.23 S^2
ラップ推移的には最序盤の2Fが相当遅い、ただ競りかけられてからの武豊の単騎の逃げは多分昨年をそのまま意識した乗り方というか、向こう正面からある程度引き上げて行こうという意識が強かったかなと思う。昨年と比べるとちょっとだけ…気持ち速く、ハロンラップでも平均では11.6~7ぐらいを刻んでいったのでコーナーでは減速ラップに入っている。L1は恐らくかなり消耗していて、ここでのバテ差しが基本にはある。ちなみにだが離れた2番手で目視で62秒半ばぐらいかなという感じなので、実質的に見れば超スローに近いレベルだったとみていいだろう。3~4角でも大きく差が詰まっていないので、恐らく2列目以降はL2-1の区間で23秒前後の2Fラップを踏んでいる。恐らくL2最速で相当速いラップを踏んでいるんじゃないかなと。
1着モーリス
8番枠から飛び上がる様な感じで出て明確に出遅れて最後方近くから後方集団馬群の中に入っていく。2角までは超スローでそこで我慢せざるを得ない展開、掛かり気味の中で苦しい状況だったが向こう正面でエイシンヒカリが引き上げてくれたことで、全体もある程度は流れだす。内内で我慢しながら3角に入っていき、3~4角でも内内で我慢、後方列の内内で直線。序盤で追い出されてからの反応が素晴らしく一気にグンと伸びて先頭に立ってしまう。そのままL1でも後続を寄せ付けずの圧勝だった。まあたまげたわ、という競馬で出遅れて良いタイプではないと思ったし、正直途中からエイシンヒカリの競馬になってあかんかなと思って見ていたんだけど、結局後方勢は無理をしていない中で後半もう一段鋭さを引き出せる展開にはなっていたのかなと。その中で直線入りの爆発力。これはもうギアチェンジがないとまずできない芸当で、内から捌いてきてグングンと伸びるというのは、かなり非凡なレベル。後半特化の競馬になったし、大枠で見ればスローロンスパの競馬だからね。恐らく離れた2番手以降の場合はポテンシャル戦からの2段階加速になっていると思うし、その最速地点でのギアチェンジ面の素晴らしさ、L1までトップスピードを維持しきったという点で見ても恐ろしいパフォーマンスだったと思う。この内容なら2400~2500でもやれちゃったんじゃないかな、と思わせられるほどの圧倒ぶりだった。最後の最後にこういう競馬をやっちゃう辺りがまさにスターホース…なんだろうな。今日のムーアは持ってない状況だった中で、持ってないムーアを馬が助けた感じはあるね。まああそから捌ききってくるムーアも流石だけどね。
2着シークレットウェポン
3番枠から五分に出て下げて後方内々から道中スペースを詰めながら2角では中団内で入っていく。向こう正面でエイシンがペースを引き上げた時には無理をせずに前との間にスペースを置いて3角に入っていく。3~4角でもそのスペースを上手く活かしながらじわっと詰めてきて勢いに乗せつつ、ラブリーデイの直後から外を意識して直線。ただ直線でモーリスに上手く内を取られてしまって一瞬迷って外、ラブリーデイの直後から進路を取るのに少し遅れて、それでも外に出し切ってからはジリジリとした伸びできっちりと2着を確保した。勿体なかった面はあったかもしれない。3~4角でタイトに最内を取れなかったのをモーリスに取られてしまって、そこで諦めてすぐ外に意識できたらもうちょっと違ったと思うけど、加速の段階でちょっと置かれてしまった。出し切って良さが出るタイプだったと思うし、展開的には面白いところもあっただけに4角出口の戦い方次第ではもうちょっとモーリスも苦労したといえるので、ここは明暗分かれてしまったかな。ザカリー・パートンは今日は乗れていた感じだったけど、最後は細かいところでの差がちょっと影響したかな。まあそうなったとして勝てたかどうかは別問題だけど、ああなってしまうとギアチェンジの性能が違うモーリスが内からスルッと出し抜いちゃうよね。
3着ステファノス
7番枠からやや出負けしたかなというところでスミヨンも積極的にリカバーして好位に入っていく。最序盤の緩い段階で悪くないポジションを確保。道中ペースが流れた所では無理には追走せずに離れた5番手で好位集団の一角~中団ぐらいで3角。3~4角では仕掛けを待って馬なりだが楽な手ごたえで2列目外から2番手に上がって直線。序盤でそこから追いだされてというところだがキレ負けして一気に置かれてしまう。それでも最後までしぶとく踏ん張って最後はラブリーデイとの際どい3着争いを何とか制して3着を確保した。ひとまず健闘と言っていいと思うし、スローの内にポジションを取っていける辺りはスミヨンらしい良さが出たなと。3~4角で勝負に行く形になってコーナーでどうしても脚を使いながら、それでもL1では盛り返している辺りこの馬の持ち味であるTS持続は見せられたのかな。ただL2では恐らくキレ負けを喫していて、この辺りを考えてもキレを引き出すのであれば前半無理をせず後半に勢いをつけていくという過程が必要なのかなとも。ラブリーデイが復調してきた可能性もあるけど、要所ではラブリーにも見劣ったからね。
4着ラブリーデイ
2番枠からまずまずのスタート、エイシンヒカリの直後を労せずにとれる理想的な展開に持ち込む。道中でペースが上がっていく中で前に入られて3列目のポケットでという形だが無理なく3角に入っていく。3~4角で前のヘレンスーパースターが手応え的に微妙なので外のステファノスの直後を取って外に出して直線。序盤で外から追いだされてステファノスの外から並びかけるがモーリスの猛烈な脚に成す術なく突き放される。L1では2着争いを演じるもシークレットウェポンに交わされ、最後は一旦前に出ていたステファノスに食い下がられ際どいところで4着と馬券圏内を逃した。まあこの馬らしさが出てきたのは良かったけど、モーリスにトップスピードの質的に見劣っていてこの辺りからもやはり良い頃と比べるのは酷かなと。良い頃なら一気にグンとくるギアチェンジを活かせたと思うしね。ただまあそれでもこの馬らしくしっかりと最序盤で良い位置を取ってポケット確保、そこからスッと反応できたのは確かだし、ここ最近はその部分で物足りない面も多かったので、悪くない4着かな。3着かなとも思ったんだけどね。
9着クイーンズリング
11番枠からやや出負けしたかなという感じ、そこから外枠でもありポジションを取っていくのも少し難しくなって後方からの競馬になる。向こう正面でペースが上がってしまって楽なタイミングでリカバーできないまま3~4角でも外々から動かざるを得ない展開、正攻法で直線へ向かってくる。序盤で外から伸びあぐねていてそのまま最後までジリジリとなだれ込むだけに終わっての9着完敗だった。ミルコは香港が合わないのはやっぱシャティンが合ってないんだと思うんだよな。ゲートが拙いからまずいい位置を取れないし、日本ほどスペースを取らせてくれないからね。今回みたいに外枠でとなると内に入り込めない、しかも道中で速い段階でペースが上がってしまってそうなると押し上げるのに脚を使っちゃう。まあそれを覚悟のうえでも向こう正面で動いていくしかない展開だったと思うけど、結局その度胸はここでは出せなかった。3~4角で実質ドスローから加速して押し上げていくような末脚の絶対量なんかないんだから、当然だけど3角であの位置になった段階で勝負にならん。香港カップ日本馬に乗った騎手の中でもぶっちぎりで良くない騎乗だったな。モーリスムーアも良かったわけではないけど捌きには鬼気迫るもんがあったし、豊はエイシンヒカリの良さを引き出そうと懸命の向こう正面からの勝負を展開、状態が良ければってところまでは持っていった。ステファノスもスミヨンが早い段階でリカバーしてレースに参加、ラブリーはほぼ完璧だからね。流れに乗れない、緩い段階での動きもない、使える脚が短い馬で3角までジッとじゃあ流石にね。香港でも怖がらずミルコらしさを出してもらいたいんだけどね、今日の騎乗は非常に詰まらん騎乗だった。
10着エイシンヒカリ
2番枠からゲートはまずまず、しっかりとハナを取り切るかというところで外からホースオブフォーチュンに絡まれるが、コーナーワークでしっかりとペースをコントロールしてドスローに持ち込みそうに見せかける。ヘレンが競りかけていったところでここからが豊&ヒカリのターン。昨年同様向こう正面からがこの馬の競馬と言わんばかりにペースを引き上げる。ただ昨年よりは気持ちちょっと速いラップ推移を刻んでいって3~4角ではまだリードを保つものの減速ラップになる。直線では流石に足が上がって最後は失速も、この馬の競馬を貫いてのラストランとなった。パドックで大きな歓声が上がっていたのでなんなんだろうとは思っていたが、どうもエイシンヒカリがここで放馬していたようでそれが影響していたのは勿論否定できない。昨年は芸術的なラップ推移で終始11.7-8前後を連続させていた、今年はそこと比べると若干だけど23.31-23.24と中間が11.66-11.62というわけなので馬場を考えると若干速かったかもなあというのもある。ただ前半がかなり遅かったのでそこをフォローした走り方だったとも思うし、少なくとも自分としては想像通りでエイシンヒカリの良さを出すならスローロンスパだと思っていたしこの競馬でよかったと思う。ここで甘くなったのはシャティンの馬場が去年と比べると少しタフだったかなと感じる面があるのと、エイシンヒカリ自体アスコットのハードな競馬以降パフォーマンスを少し落としている面があったというのも否定できない、というところ。ただ乗り方としてみれば今回の香港カップの競馬がエイシンヒカリのパフォーマンスとしては一番良い乗り方だったと思うし、ラストランで個人的にはエイシンヒカリの競馬をしてくれたので満足している。攻める騎乗でアッといわせてくれたし、爪痕は残せたかな。
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馬券的には堅いとも荒れるとも言い難い。ただ、今年は牝馬のミスエルテが出走を決定するほどのメンバーレベル。牡馬にチャンピオン級が不在ということからも波乱の可能性は十分。前走別成績で最も優秀なのは東スポ杯2歳Sで出走20頭の内5連対。しかしこれはすべて中山時代のモノで、信頼を置くには物足りないデータ。阪神に変わってからはデイリー杯2歳S組が好調だ。
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