2017 2/5(日)
第57回 きさらぎ賞(GIII) 京都芝外1800ｍ
予想用・出走予定馬一覧
２戦２勝、新馬戦こそ辛勝も続く２戦目シクラメン賞では32秒台の鬼脚を繰り出しての圧巻の突き抜け、サトノアーサーが出世レースのきさらぎ賞に出走予定だ。昨年のサトノダイヤモンドに続けとばかりにサトノの期待馬が送り込まれたが、果たして前走見せたあの鬼脚をここ京都の舞台でも見せつけることができるのか。圧倒的人気に応える競馬に期待したい。
将来的にどこまでやれるかはともかく、きさらぎ賞の傾向から考えるとむやみに軽視はできないというのが率直な感想。少なくとも末脚の絶対量はここでは抜けている。このブログを見ている人なら言うまでもないと思うが、後は基礎スピード面が課題でクラシック戦線を意識するならそこを押し上げないと不安が付きまとう。ゲートが拙いのもなあ。
●新馬戦 １着 11頭７枠９番
阪神芝内2000ｍ良 2:04.8 65.3-59.5 S^6
13.5 - 12.5 - 13.9 - 13.1 - 12.3 - 11.8 - 11.8 - 12.0 - 11.8 - 12.1
言うまでもないが異常なドスローである。新馬なのである程度仕方ないといっても前半1000でハロン13を超えてきていないというのは流石に遅い。その分仕掛けが速くてロンスパの６Ｆ戦のような形にはなっている。やや出負けから無理をせずにじわっと進めて中団の中目で進めていく。向こう正面ぐらいからペースが一気に上がってそこからはロンスパの流れ。３～４角でも好位列から進めて中間地点で外に出して一気に２列目に取り付いて直線。序盤で抜け出しさあ突き抜けるかというところで最後はスズカフロンティアに差し込まれての同着で何とか勝利は確保した。馬場は少し渋った良馬場で、ひとまず初戦から６Ｆ戦の中でこれだけやれればとは思うが、決してハイレベル戦というわけではない中名で、外からよりポテンシャル特化の競馬をしていたスズカに食い込まれた以上ポテンシャル戦では今のところはさほどでもないという評価が妥当かなと思う。
●シクラメン賞(５下) １着 ９頭５枠５番
阪神芝外1800ｍ良 1:50.8 51.8-45.5 S^5
13.4 - 12.2 - 12.8 - 13.4 - 13.5 - 12.0 - 11.4 - 10.8 - 11.3
続くシクラメン賞は直線では圧倒したといっていい。ただ全体のペースを見るとこれも酷いレベルでドスロー。辛うじてハロン13は切ってきたが、平均で見ても前半４Ｆは12.95なので四捨五入で13.0となるぐらい非常に遅い。完全な後半特化でＬ２最速10.8をどこまで評価できるかというところになる。５番枠から出負けして後方からの競馬はいつも通り、じわっと取り付いていくが結局ドスローなのでむしろかかり気味になるぐらい。３～４角でも仕掛けを待ちつつ中団の外で進めながら４角の下りで徐々に促して直線。序盤の段階ですぐにエンジン点火というほどではなかったが２列目には並びかける。Ｌ１の坂の上りでグンと伸びて突き抜けての完勝だった。Ｌ１で加速したように見えるほど伸びたが、実際はＬ２の地点で10秒半ばぐらいの脚を使って差を詰めていた、Ｌ１では11秒前後というところなのでこの馬自身はラップから逆算すれば減速している計算になる。少し渋っていたことを考えれば最速推定で10秒半ばは立派ではあるが、新馬のマイル戦でも最速11.0は出ていて、ここまでドスローなら速いラップを刻むこと自体はさほど評価の対象にはならない、というところ。この馬の場合むしろ最速地点のキレよりも明らかにＬ１でのＴＳ持続に良さがあったと思うし、上がり32.7で鋭く伸びた印象というよりも３Ｆで速いラップを維持できてしまうＴＳ持続が魅力なのかなと。
●2017きさらぎ賞に向けての展望
正直ここで勝ち切れるかどうかもメンツ・展開次第では微妙かなと思っているが、少なくともきさらぎ賞はそんなに流れない、流れても単騎というケースが多いので、先週ぐらい馬場が回復してくればひとまず崩れることはないかなと思う。出し切れれば後半要素は素直に最上位だろうと。ただゲートも上手くないし、基礎スピード面でハロン13…歩いているレベルのペースしか経験していない。究極的なトップスピードの質というのも阪神外でドスローだと昨年のシクラメン賞を勝ったレプランシュ同様に眉唾物で当てにしづらい。正直先々で勝負するには完成度の低さがネックになると思うし、今の段階でクラシックの主役級とまでは思っていない。新馬の感じから少なくとも皐月賞は難しいだろうと。シクラメン賞も直線での迫力は確かにあったけど、あれはドスローの中でもドスローだったからそこまでの余力があったというのもあるし、阪神外回りは反応の鈍い馬でもすぐにエンジンがかかる下り坂コース。京都はクリアできるが府中のダービーまでとなるとギアチェンジ面や坂加速まで含めてまだまだ何とも言えない。 ここでまず噛み合ったときの末脚の破壊力が通用するかどうかを見極めたい。多少流れたとしても中弛みになると思うので、ゲートの拙さや基礎スピードの未知数な面といった適性的な不安を解消できる舞台。ここもスローにはなるだろうが流石にここ２走のハロン13レベルというわけにはいかないだろうし、それでも末脚を維持できればこの条件ならムーヴザワールドが出てきてポジション差があって直線を迎える形以外では勝つとは思うんだけどね。或いはタガノアシュラが淡々と刻んでプラチナヴォイスがそれを追っかける形での前残りのパターンと。例年のきさらぎ賞のスローのパターンなら最右翼なのは間違いないが、だからと言って総合的に高い評価をしているというわけではない。
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第57回 きさらぎ賞(G3)
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