こんばんは。早速先週の重賞回顧を始めよう。まずは土曜のアーリントンCからだね。
ペルシアンナイトは、もう強いの一言に尽きるね。最後まで平均ペースで流れたのが良かったし、道中は折り合いもバッチリついて余裕を持って脚を溜められていた。だからこそ最後のあの抜群のキレ味が出たんだろう。今回の勝ちっぷりを見ると、前走の敗因はやっぱり荒れた馬場が応えたのかな。3歳牡馬はなかなか強い勝ち方をする馬が出てないけど、やっと未来のスター候補が現れたかもしれない。レース中にムキになることはあまりないし、仮に掛かったとしても頭を上げたりするタイプじゃなさそう。他がだらしないからっていう面もあるけど、クラシックに挑戦してもいい勝負になるんじゃないかな。
レッドアンシェルは、これもペルシアンナイトと同じで、平均ペースを後ろでやり過ごして脚を溜められたのが好走の理由。もし短距離戦のような激流になっていたら、最後にあのキレ味は出なかったんじゃないかと思う。道中で遊びを作ることに成功したから、ゴールまでしっかり伸びたんだね。調教の動きもそうだったんだけど、今回みたいに一か所だけ脚を使うような競馬が合っているよ。そういう意味では、やはり距離はマイルまでが限界かもしれないな。
ディバインコードは、やはりというべきか、直線で追い出すと頭が高くなってしまうクセが出たね。好スタートから先団の内寄りに構えて、悪くない手応えで直線を向いているんだけど、あのフォームだと追ってから目の覚めるような脚は使えない。この馬の競馬は出来ているし、悪くないところまでは来ているんだけどね。やはり瞬発力の必要な舞台だと見劣るなあ。ただ、今後もっと筋肉量が増えてクビを上手く使えるようになれば、この馬は変わってくると思う。先々の成長に期待といったところだね。
ヴゼットジョリーは、追い切り診断で記したとおり、まだ力が付ききっていなかったね。道中は中団外めでレースの流れに乗れていたから、強い馬ならあそこから突き抜けておかしくない。追ってからの伸びがイマイチだったのは、馬体が成熟していない証拠。トビが大きくてきれいな分、トモの筋肉量が足りないと力強く伸びないんだな。個人的には距離もマイルじゃ短すぎる。でも、クラシックには間に合わないかもしれないけど、今後の伸びシロはやっぱり感じた。成長次第でもっと強くなると思うから、まだ見限らないほうがいいと思うよ。
ジョーストリクトリは、中団よりちょい後ろからの競馬だったんだけど、追ってからの伸びはジリジリといった程度。器用さにも欠けるし、重賞で勝ち負けするような器の大きさは感じなかった。上手く言えないけど、ちょっと乗り難しいタイプなんだと思う。まあ、能力がないわけじゃないから、オープン戦なら普通に勝ち負けなるんじゃないかな。
キョウヘイは、単純にちょっと後ろから行き過ぎ。最後方からの競馬がクセになっているようだけど、あの立ち回りでは安定した成績にはならないだろう。加えて、今回は追い出した後に自分からハミを取っていなくて、高倉が遊ばれている点が気になった。あれは馬が走る気になってないんだね。力負けという感じじゃないから、どちらかというと馬をその気にさせられなかったことが敗因だと思う。
馬を走る気にさせる、言い方を変えると「馬を怒らせる」ってことなんだけど、僕が現役の頃に乗っていたラケットボールがいい例になると思う。あいつは正直に言うと、それほど強い馬じゃなかった。それで馬を走る気にさせるためにあえて勝負どころで外に出さなかったり、3コーナーから他の馬に併せにいったりしたんだ。なんとか試行錯誤しながらオールカマーを勝つことができたんだけど、もしかしたらキョウヘイもそういうやり方をしないと走らないタイプかもしれないね。実際前走では馬群の中から伸びてきているわけだし。
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