2017 3/11(土)
第53回 金鯱賞(GII) 中京芝2000ｍ
予想用・出走予定馬一覧
GII、GIIIでは強い競馬をするがGIでは驚くほどに脆いサトノノブレスが得意の中京2000のGII、金鯱賞に出走予定だ。２走前の金鯱賞では内内から上手く立ち回るも３着とやや物足りない結果。ただそれでも中京2000ｍ戦では安定感は抜群で金鯱賞では３年連続馬券に絡んでいる。GI以外なら強いこの馬が古豪の意地を見せるか。
オッズが読みにくいけど流石にそこそこ人気しそうな感じはあるね。ただ２走前の金鯱賞なんかはドスローのトップスピード持続特化でそれなりにやれているからね。本来もうちょっとペースが上がった方が持ち味を活かしやすい、基礎スピードを持った馬だから最低限で２走前の金鯱賞ぐらいと考えればいいと思うし流れることでポジショニングの上手さ、要所のギアチェンジ面も含めて安定的に出し切りやすくなるかな。ただそれでも過去の金鯱賞を見ても一線級相手にはＬ１での甘さは露呈しているから、勝ち切るまでとなるとどうかというのはもちろんある。
●鳴尾記念(GIII) １着 14頭３枠３番
阪神芝内2000ｍ良 1:57.6R 59.0-58.6 M
12.6 - 11.3 - 12.0 - 11.7 - 11.4 - 11.8 - 11.7 - 11.6 - 11.3 - 12.2
まずはステファノスを撃破と強い競馬だった鳴尾記念から。かなりの高速馬場でペースも平均、その結果のレコード勝ち、というのはあったがそれでも強かった。ラップ推移的に見ても多少の変動はあるがそれでも中盤以降は11秒台を刻む形だし、Ｌ２最速11.3からＬ１で12.2と出し切る競馬。前後半のバランスを問われた競馬で、そこからＬ２でもう一段の脚。総合力勝負と言っていいだろう。３番枠からここでは五分のスタート、窮屈になって最序盤のポジショニングは少し苦労して何とか２列目に入りつつ進めていく。道中は前が少し離した逃げの形だが、好位の中目で進め３角手前で２列目に並びかけていく。３～４角でそこから逃げたメイショウナルトに対して２頭分外からじわっと仕掛けて先頭列に近い位置で直線。序盤でそこから一気に先頭に立ってＬ１で襲い掛かってくるステファノスの追撃も振り切っての勝利だった。着差はクビ差程度だがそれでもあまり詰めさせなかったし余裕はあった。この馬の良いところを完璧に引き出せたなというのはあって、まず全体のペースが上がったことで基礎スピード面を活かせた。そしてそのうえで上がり切っていなくてコーナーではちょっと余裕がある中でじわっと仕掛けて極端なトップスピード戦ではない、その中でしっかりと一足を引き出して抜け出す競馬ができた。2000ｍを厳しい流れで走り切る、そういう中でももう一段のギアを引き出せるのがこの馬の魅力で、恐らく基礎スピードの幅とポテンシャルの幅を持っていて２段階加速もできるタイプだが、本当にいい脚は一瞬しか使えない、そういう傾向だと思っている。
●天皇賞秋(GI) 10着 15頭４枠７番
東京芝2000ｍ良 2:00.4(+1.1) 60.8-58.5 S^2
13.3 - 12.0 - 11.6 - 11.9 - 12.0 - 12.3 - 12.0 - 11.5 - 11.0 - 11.7
有馬記念でも良いが有馬記念の場合はキタサンブラックに対してサトノダイヤモンドのアシスト的に仕掛ける形に厳しい競馬に持ち込むことになったので除外しておこう。秋天はペース的にも2.3でかなりのスロー、直線でのトップスピード特化戦と言って良い競馬で崩れた。五分には出てそこから無理せず中団馬群の中で進める。道中もかなりのスローの中で包まれているし動けないまま３角。３～４角でも前が仕掛けず団子状態でスペースが詰まっている中中団で直線。序盤で進路を外目に誘導しつつ、Ｌ２まで中団で喰らいついていたがＬ１の手前ぐらいから甘くなって最後は伸び悩んでの10着完敗だった。この馬は着順的に崩れるケースはトップスピードを高いレベルで要求されるケース、この秋の天皇賞でもそうだが各馬が上がり33秒台半ば～後半、つまり端的に言えばトップスピードの質、持続力のどちらかは一級品のものを持っている馬たちを相手に直線ヨーイドンでリード差が無い状況で勝負になるだけの末脚は持ち合わせていない、ということになる。この馬の好走歴を見ればわかるが、恐らく２走前の金鯱賞が馬券に絡んだ中では最速の上がりだと思うし、本来33秒台を出せるような馬ではないと思っておく方が良い。秋の天皇賞でここまで崩れたのはドスローで結局末脚の絶対量勝負になってしまった。イメージ的には質と持続力の平方で考えてもらえるといいと思うが、この馬は質は少し足りない程度だと思うがＴＳ持続が明確に甘い。クリールカイザーなんかも近いと思うが、ドスローで余力があっても絶対的に足があるわけではないので上がりを出せないタイプ。つまりペースを引き上げることで他馬に削がせることで相対的に末脚に優位性を持たせたいと。
●金鯱賞(GII) ３着 13頭５枠７番
中京芝2000ｍ良 1:59.9(+0.2) 61.5-58.2 S^3
12.6 - 11.0 - 12.7 - 12.7 - 12.5 - 12.6 - 11.6 - 11.3 - 11.2 - 11.5
そしてここに繋がってくるが、結局この金鯱賞３着をどう評価すべきかというところになる。結論から言うと、微妙に噛み合ってない。少なくともこのレースの流れの中では完璧に立ち回ったしそこはシュミノーを褒めるべきだが、この馬のベストの展開として考えるとやはりある程度ペースが流れた方が良いということになる。ペースがドスローでそこから３～４角の下りでペースアップ、それでも各馬が速い上りを使えているようにかなりの高速状態で上がり勝負の面は強い。ＴＳ持続特化とみて良いレベルである。その中で坂スタートで五分のスタート、少し行き脚がつかずに内に進路を取りつつ中団から好位の内内を狙う。最序盤の流れは決して良くなかったのだが、向こう正面で前が３頭引き離す形の中で、離れた４番手レコンダイトが動かなかったのもあって３角手前の段階でリカバーして２列目のポケットを意識できるところまで押し上げる。３～４角で前がペースを上げてコーナーで速いラップを踏む中で最内でスペースを取りながら一気に仕掛けずに済む。そのまま直線まで余力を持って最短距離を取って直線に入り、そこから進路を取ってジリジリ。それでも伸び切れず、パドルウィールとの差も詰らずの完敗だった。パドルに上がりで見劣っているというところから考えてもこの馬自身は完璧に立ち回ってこれでこれだけ速いラップを連続する形だと厳しいということは良くわかった。この流れとしては完璧に乗ってくれたが、それでも結局流れそのものが良くなかったというのが正直な感想。
●2017金鯱賞に向けての展望
この馬の適性的には少し時計が掛かる馬場が望ましいと思う。仮に高速馬場でとなってスローから速いラップを要求されると各馬も余力を持って入れるし、前走完璧に押し上げたいところで押し上げ、我慢したいところでロスなく運べたあれでシュンドルボンと３着だとここでは普通に苦しい。少なくともドスロー想定なら今回は素直に切る予定。ただ、流れるなら話は別で、特にタイプ的にパドルウィールと一緒で基礎スピードの幅を上手く活かして全体のペースをある程度引き上げ縦長、その中でも脚をしっかりと引き出せる、というところを活かしたい。そういうパターンの方がパフォーマンスは高く、過去の金鯱賞でもラストインパクト相手に善戦、ラブリーデイを撃破しての２着時は１秒前後のややスロー程度。前述の鳴尾記念からも全体で流れた方が良いし、坂スタートでペースが上がりにくい分ある程度時計が掛かって前後半のバランスが極端になりにくい舞台の方が良いだろうと。まあ高速馬場でも上がってくれれば問題ないとは思うが、平均～１秒程度のスローが理想。そのうえである程度ポジションを取って内内で我慢ができれば器用に動けるのは強みと言える。そういう総合力を活かせればというところかな。ただ、少なくともスローではパドルウィール以上の評価はできない。坂スタートが上手くてしっかりとポジションを取って前受出来るパドルが支配して、末脚で上回れなかった２走前の金鯱賞は軽くない。なので、まあ狙うとしても今回は連下までとすべきかなと思っている。流れたとしてもパドルは面白い、こちらも浮上はしてくるけどパドルほどいい位置は取れないだろうし。大きく崩れることはないだろうけど、馬券圏内までとなるとスローなら無条件で難しい、流れたとしてもパドル、ヤマカツは面白そう、ロードヴァンクールも前走で少し怖さが出てきた。こちらは坂スタートがそこまで上手いというわけでもない。その中で重い印を打ち切れるかは今回は微妙。まあ内枠引いてパドルの直後を狙えそうなら面白いがそれでも連下までかな。今の段階では何ともだけど強くは狙わないと思う。
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