2017年6月4日日曜日

安田記念 2017 レース回顧・結果:サトノアラジン、悲願のGI初制覇…出し切ることを第一に川田が馬を信じた結果の勝利!

2017 安田記念(GI) 東京芝1600m良
レース回顧・結果

1:31.5 12.2 - 10.6 - 11.1 - 11.6 - 11.6 - 11.0 - 11.3 - 12.1
45.5-46.0 M

 自分が展開予想するとあまりにも真逆になるからちょっと今回は予想記事には試験的に書かずにおいた(鳴尾記念にイラッとしたのもあったけど)。流れとしては今回スロー平均までは想定していて(レッド・ビューティー本命対抗はどちらも対応できるとみていた…がビューティーに関しては-18が…)仕掛けのタイミングが早くなる可能性が高いというところで展開の読み自体は結構悪くなかった。その中で1,2着馬は単純に適性判断ミス…サトノはともかくロゴタイプがこういうマイルの厳しい流れでやれてしまったのは意外だった。まあやっぱ流れるとなんというかレースとしてやっぱり良いね。ロゴは今回ある程度マークを受けるべき立場だったし、前半各馬の突き方も良かった。ヤングマンも厳しい流れで勝負に行ったしそのうえでロゴタイプは弾き返しての2着。全体としては良い競馬になったと思う。基礎スピードとそこからのTS持続戦で、前半ここまで流れてしまうと中距離馬にはちょっと厳しい競馬になったかな。サトノやレッドが適応できたのは1200~1400で基礎スピード面を見せてきていたというのもあると思うし。逆にこの展開で突っ込んできたグレーターなんかはなかなか大したもん。


1着サトノアラジン


 14番枠からやや出負け、そこからじわっと促す程度で最終的には後方で我慢。道中も無理せず後方外目で仕掛けのタイミングを待つ。3~4角でも外々から促しながら正攻法での大外一気。直線序盤でそこからスッと伸びてきて一気に好位集団に並びかける。そのままL1で出し抜いていたロゴタイプをきっちりと差し込んで捕えての嬉しいGI初制覇となった。


 川田はたまにこういう馬を信じた競馬をしてくれるなあと。まあ個人的にはマイルは長いと思っていて、昨年のマイルCSの評価をどうするかってのはあるにせよ、流れて外々から勢いをつけていくっていう意識を持ってくれたのは見てきたものとしては嬉しいというか。これまでもやっぱりサトノアラジンは内内でという競馬では良さが出ていなかったし、エンジンをかけきってからの質、TS持続の高さが最大の持ち味だったからね。馬の能力を信じて速い流れで外々から正攻法、L3最速、コーナーでもそこそこ速いラップ、ロスは小さくなかったがこれできっちりと捕えきれたのはやっぱり距離ロス以上にスムーズにエンジンをかけてやれば馬の体力を奪わないから距離ロスを補うそれ以上の脚を引き出してくると。高速馬場で流れたことも力勝負をしやすいこの馬にとっては良かったと思うんだけど、後半は同タイプのステファノスではなくこの馬やレッドファルクスが来たというのは前半の基礎スピード面の問題が大きいかなと。そして川田がそれを余すところなく引き出し切ったからこその勝利だったといえる。ただ、結果的にロゴタイプとのモーリス包囲網四天王のワンツーだったってのは結構意外ではあったかな。サトノは距離適性、ロゴタイプは目標にされて長く脚を使う形で苦しいとみていたので、ここを間違えたのが予想の敗因にはなってくるし、やっぱりなかなか難しいね。


2着ロゴタイプ


 16番枠からまずまずのスタート、そこから押してハナを主張、内からディサイファが顔を出してくる昨年と同じような流れの中でスッとハナを取り切ってペースをコントロールしようとする。ただやはり今年は簡単には息を入れさせてくれずに淡々と厳しい流れで3角。3~4角でも息を入れる意識はあったが外からヤングマンが絡んできてここでペースも上げざるを得ない、4角出口で楽な手ごたえでもペースは引き上げて直線。序盤最内で昨年同様一気に出し抜く。坂の上りで昨年の再現を狙ったが流石にワンテンポ仕掛けが早かったことが最後は災い、甘くなったところをサトノアラジンに強襲を受けて交わされるが何とか2着は死守した。


 ロゴタイプを間違えていたのはやっぱりここまで基礎スピード面が無い馬だと思っていたと。個人的な展開予想としてはややハイぐらいまでは想定のややスロー想定で、いずれにせよ早め仕掛けの展開だろうと思っていた。なので展開自体は読み違えていないんだけど、45.5-46.0で走破し切っていて、逃げてこの時計を叩きだしてくるという認識は正直持てなかったと。なので予想的にはどうにもならなかった形ではあって完敗です。ペースが速くても仕掛けのタイミングを待っての2着ならあれなんだけど、L3から仕掛けて11.0と明らかに早いラップ。今までならこれだと確実に早仕掛けなんだけど、これを持たせてしまうぐらい充実していたと考える方が良いかもしれない。早熟では断じてなくて、昨年の安田以降の状態面が実は一番いいのかもしれない。それぐらいと考えないと、この2着ってのはちょっとこれまでのロゴタイプからは考えにくい2着だったかなと。府中はやっぱり内が残っている感覚ではあったし、ここまで流れ切ったので外差しも来ていたけど、その辺り馬場もこの馬をアシストしている可能性はあるんだが、それでもちょっと意外だった。


3着レッドファルクス


 6番枠からゲートは五分に出て悪くない流れ。ただ後方に下げながらの競馬になって内のスペースが結構空いている中でそこには突っ込まず後方の中目で前にスペースを保つことを優先。道中少しおっつけつつ3角に入るが外から余裕をもって進路を取っていくサトノに対してこちらは進路確保ができない。3~4角でも後方の内目で我慢直線で進路を探りたいが見事に横一線の壁になって進路が無いので仕掛けが遅れてサトノが抜け出してからの外への導き。それでもL2の終わりぐらいで出し切ってからの伸びはメンバーの中でも目立つ脚、最後はサトノに半馬身差に詰めて以降はなかなか詰められずの3着完敗だった。


 まあ…今年のミルコはどこかが噛み合ってこない。今回は悪いというよりちょっと運が無かった。ただ思ったよりも日曜になって内をタイトに回る馬が多くなったこともあるし、実際この展開で内に絞ってスペースを詰めていたら恐らく直線で進路が無く勢いを全くつけられなかったから、これは案外悪くない選択だったと思う。ただもちろん悪くない選択というだけで合って、結局はこの馬にとっては良い展開にはならなかった。3~4角でのロスを少なくすることができたのは大きいが、それでも流石に持ち味がトップスピードの持続力、というところで最大限に脚を引き出す競馬ができなかった。最速地点では外に出して勢いをつけきってほしかったなというところはあるが外にサトノアラジンがいて出すタイミングが無かった。あの位置から直線半ばでようやく外に出していい脚を使ってきたけど、惰性をつけきれなかったのはあるかな。ただ、個人的には馬には満足で、マイルの厳しい流れでもトップスピード面を高いレベルで引き上げてきているし、今日もL2では減速地点とは言え出してから瞬間的に伸びてきていた感じ。京王杯でも結構良い動きができていたけど、この感じならば距離はもっと融通が利くと思うんだけどな。同時に一度前目を取る競馬も試してもいいと思う。折り合いも案外問題ないし、京王杯で動けている、この辺からもこの馬にとってベストの戦法や距離というのを探っていけば更に化ける可能性もあるね。馬場も不問だし今後もずっと追いかけ続けたい一頭。


4着グレーターロンドン


 7番枠から出負けして後方からというのはある程度仕方ない。そこからリカバーして中団馬群に取り付いていく。ただ3~4角で中団馬群に巻き込まれて少しブレーキ、徐々に下げながら進路を探りつつ直線で外に持ち出そうとするが横一線で難しい。進路を作れないままL2で開けるとスッと伸びてくる。しかし最後は甘くなってレッドやサトノに差し込まれての4着完敗だった。


 う~ん…。なんかこう喉に小骨が刺さってしまったような…という競馬になったかなあと。福永的な競馬っぽい感じで、やっぱりスペースを潰したことで3~4角で我慢を強いられて直線進路が空いてからという競馬になったのをどう評価するか…やね。まあ馬に関してはこの展開でリカバーして待たされてこの競馬ができたって言うのは素直に評価しないといけないし、素材は素晴らしい。ただこの展開で後方に特化してスペースをしっかりと取って加速しながら直線にしっかりと入ってフルスロットルができた時に、サトノアラジンに対してどこまでやれたかは見てみたかったかな。まあレースの流れ的にはそれでも良かったとは思うんだがこれが噛み合っての4着なのか、小器用に脚を要求されてこの馬の持ち味を削がれての4着なのかは…個人的にも意見が分かれるところ。田辺がこっちに乗っていたらどういう競馬をしていただろうかな。ただ今日は4着で結果を出してきたともいえるから何とも言えないけど、個人的には大化けする可能性は十分あるし、今後は田辺で良いと思う。その点でも福永が福永的な競馬をしてこの馬がどういう結果を出してくるかが分かったという点では収穫ではあると思う。どこかでこういう競馬をしておく必要はあったと思うしね。距離に関してはマイルもこなせると思うんだけど本質的にはもうちょっと長い方が良いと思う。モーリスに近いところはあるんだけど、もうちょっとゲートを出てほしいね。トップスピードの質が素晴らしい馬だからこのハイペースで流れに合わせてよく頑張った、という評価かな。蹄と相談しながらにはなるんだろうけど、楽しみやね。


5着エアスピネル


 まずまずのスタートだったがそこから前がやりあうのを見越してかすっと控えて中団から後方まで。道中ではレッドファルクスの後ろで様子を見ながら3角。3~4角でも内内でレッドの後ろをついて直線で内。序盤で出すところがなく待たされながら内目を突っ込もうとする。L2の坂の上りで一度ブレーキ、そこからは捌いてグンと伸びてくると最後の伸びはレッドやサトノに次ぐ脚も5着を拾うまでだった。


 ん~…まあ流れるだろうっていう豊の読み自体は合ってたと思うんだけど、ちょっと下げ過ぎやなって感じ。もちろんここまで雁行状態で2~3列目が内外ここまで広がるとは思わんから捌けってのはミルコ同様難しいし、ミルコの内を選んだ段階で外には出せないからこうなるのはやむを得ない。だからどちらかというとやっぱり基礎スピード面を活かして前目っていう選択肢を消してしまったことでちょっと苦しい競馬になってしまった。4角でレッドファルクスより後ろの位置では個人的には厳しくなるわなって感じだったし、とはいえ前が結構内外から来ていたから難しい立ち位置ではあったし難しい競馬にはなってしまったと思う。あと、想像以上に日曜になって内の馬場を誰も回避しなくなったからスペースを上げて行くこともできなかった。京都金杯からハイペースでも鋭く脚を使えたのはあるのでその辺りをどう判断するかってところもあったけど、まあ今回はちょっと噛み合い切らなかったかな。ただL1の伸びは確かだったし外を選択できる立場だったら或いは…というところだったかな。馬自体は十分通用するけど、これという強烈な武器はなく総合力勝負だし、個人的には京都金杯のL2のキレが印象的だったから流れた中で前目から一瞬の鋭さを引き出す方が良い気がする。その点でもロゴタイプみたいな競馬が合っているような気はするんだけどね。いろいろと試していってほしいかな。


6着ビューティーオンリー(9番人気番外)


 12番枠から五分に出てそこからじわっと下げながら中団馬群の中。道中もおっつけながらの感じだが3角でスペースが無いところになって少し下げてスペースを確保。4角で外目を誘導しながら鞭が入ってという競馬。序盤で上手く進路を取って流石パートンというところだったがそこからの伸びがジリジリ。L2の地点でも苦しんでいて外からサトノアラジンに前に出られる。L1も手応え以上に踏ん張っていたが及ばずの6着完敗だった。


 やっぱ-18kgがなあ…流れ的には正直ドンピシャだったと思うし、パートンも理想的に直線まで上手く持っていってくれた。まあそれ以上にサトノ川田が天晴ではあったんだけど。3角の段階でスペースがなくなりそうだったので敢えて下げて外への進路確保でステファノスを意識しながら4角出口で前が空いてなくても動かす意識をもって仕掛けて直線外に出してきたしあの位置での動きの意識としては完璧だったと思う。出し切って良さが出る馬だけど直線に入ってからの感じも正直あまり良くなかったので伸び切れないかというところを最後まで踏ん張っていたからね。-18kgは前走時との比較で、正直この馬の好走時の馬体重と比較すると明らかに軽いし、ベストバウトと言って良い香港Cを勝った523kg時と比べると実に27kgも軽いわけだからね。それが圧倒的に響いたと個人的には思っている。展開的には平均ペースの香港マイルで圧倒したサトノやロゴタイプが上位に来ている以上、勝ち負けしてないとなかなか説明がつかない。まあ超高速馬場ではあったからちょっと違う面もあるし右左の周りの差はあるにせよ。香港馬は能力うんぬんより、輸送や調整といったノウハウが足りないんじゃないかなというのと、日本はそろそろ白井学校での調整ではなくもうちょっと海外馬に対しての検疫期間での施設を強化してほしいなと思う。現実的に出来るかどうかは分からないんだけど、海外馬が日本を嫌がるのは絶対その辺が大きい。香港なんかは馬場は時計的にもそんなに差はないと思うし、もうちょっとその辺で何とかならんかなあという思いはある。まあそれでもエアロみたいに勝つ馬がいるわけだからね。個々の陣営がもうちょっとノウハウを蓄積してほしいところ。良い展開だったと思うし、万全の状態でサトノアラジンと戦ってどうだったかは見てみたかったかな。


7着ステファノス

 18番枠からやや出負けして後方からだが思った以上に押して押してリカバー、最終的には好位の外ぐらいまで入っていく。3~4角でも好位の外からヤングマンパワーを目標にして3列目で直線。序盤でそこから追いだしを待つような感じでいたが徐々に甘くなってきてL2で追い出されるが減速ラップに抵抗できず伸び切れない。L1では明確に甘くなって最後は掲示板争いからも脱落の7着完敗だった。


 ん~…まあ前を取ること自体を悪いっていうんじゃなくて、やっぱり馬と展開をある程度考えて行かんと、というのはもちろん大きい。今回の場合好スタートを切って先行争いに巻き込まれたとかでなく、出負けして出していっての好位外。ステファノスの場合持ち味は明らかに後半のTS持続に特化しているわけで、これを前半の流れている中で使ってしまって持ち味を削いではなあ…というのが率直な感想だ。もちろんスローであの位置ならば問題ないんだけど、今回は出負けして45.5の流れ。こんな流れでは結構前に行ったりするくせにドスローで動かなかったりするからよくわからん。まあ全体でここまで流れてしまうと後方で脚を溜めていたとしても伸びていた保証はないんだけどね。ただ個人的には流石にこの流れならサトノアラジンと同じように無理せずに後方で自分の脚を引き出すことに徹してほしかったという気持ちは強い。最序盤で巻き込まれたわけではなく出負けして後からついていってのものだからね。しかも馬は後半型の馬なわけで…。


8着イスラボニータこちら


15着アンビシャス


 4番枠から出負けして後方から、促していくが行き脚はやはり悪く最後方近くで進めていく。道中も前のスペースをある程度詰めつつ、一つ外に誘導して3角。3~4角でも後方中目でしっかりと立ち回って直線で外に持ち出そうとする。ただ序盤で壁に突っ込む形でワンテンポ置かれてからの仕掛け。そこからL2で追い出されるが反応鈍く、それでもL1はそれなりには伸びそうで結局鞍上が諦めての15着完敗だった。


 まあ、勝負になったかどうかはともかく…ノリにしては非常に進路どりが下手くそだったな、という感じ。3角までに中目に出したのは良かったんだけど、そこからサトノアラジンの外を回すのを嫌っているうちにスペースを詰め切ってしまって4角で外に出し切れない状況になった。手ごたえがあった状況でコントロールしてサトノが行ってから大外に持ち出す競馬になったし、ノリがいつもうまくやっている4角出口での遠心力を利用してロスはあっても勢いをつけて入っていく、という競馬が全くできずにモヤモヤするような騎乗になった。もちろんあの位置からの競馬は想定通りだし、それは全く問題ない。上手く進路を取れていたらやれたかどうかは分からんが、ノリにしては進路確保からエンジンをかけていく過程がかなり下手くそだった、という認識。勢いを殺さず大外に持っていってどうだったかみたかったね。まあ自分の適性分析からはL3最速で外回しちゃうと多分苦しかったとは思うけどね。日曜になって急に内が開かないってのは想定できなかったから仕方ねえ。今日の予想はそこもちょっと噛み合わなかった要因だな。土曜と日曜でこんなガラッと変わった競馬されると前日予想では手の打ちようがない…アンビシャスにとっては内を取れない時点で難しい競馬だったけど、それとはまったく関係なくエンジンをかけていく過程が拙かった。



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