2017 6/3(土)
第70回 鳴尾記念(GIII) 阪神芝内2000ｍ
出走予定馬一覧
３走前の白富士ステークスでは内からスパッと切れてサクラアンプルールを撃破、スローで不気味なスズカデヴィアスが鳴尾記念に出走予定。京都記念ではキズナを退けラブリーデイを相手に接戦を演じての２着馬だけに、スローでの決め手勝負ならもちろん怖さはある。横山典弘がどういう乗り方をしてくるかにも注目だ。
基本的にはスロー専用機とみてしまって良いだろうと。厳しい流れではこれまでを見てもあまり良さが出ていない。金鯱賞３着の内容は悪くなくて、スローからのトップスピード戦でＬ２最速が理想だが、２段階加速的競馬でも圏内で警戒したい一頭。ただ前走大阪杯は少しパフォーマンスを落としている面もあるので、使い詰めからのリフレッシュで初戦からどこまで仕上がっているか、というところを冷静に見たい。
●白富士Ｓ(OP) １着 14頭１枠１番
東京芝2000ｍ良 2:00.6 62.9-57.7 S^5
13.2 - 12.5 - 12.3 - 12.4 - 12.5 - 12.2 - 11.9 - 11.2 - 11.0 - 11.4
まずは３走前の白富士Ｓを振り返る…のだがまあ見てもわかる通りでほぼ直線ヨーイドン。Ｌ５－４で徐々に加速はしているんだが超高速馬場で上がり切っていないしＬ２最速11.0からＬ１もまとめてきてしまっているし、トップスピードの質を高いレベルで要求された、ギアチェンジ面も結構問われている。
１番枠からまずまずのスタートを切って上手く２列目のポケットを確保。そこからドスローの流れで先頭列雁行状態の中で上手く２列目のポケットで我慢しながら３～４角でロスなく立ち回って、その代わり前を向けずに直線。序盤で進路が無くて苦労していたが置かれず食らいつく。Ｌ２の坂の上りで狭いところを突いて反応、Ｌ１で抜け出したサクラアンプルールをきっちりと交わしての勝利だった。
このサクラアンプルールが中山記念で２着なのだが、展開が違って同じスローでも後半の２段階加速だった形。ここまで極端なトップスピード戦となると瞬間的な切れ味を高いレベルで持っているこちらに分があったかなと。要所で包まれていたがそれでも置かれずに動きたいところが最速地点でもスッと反応して狭いところを割ってくるあたりは流石。ただ言うまでもないが超スローで基礎スピードなど一切問われなかったと。
●金鯱賞(GII) ３着 16頭４枠８番
中京芝2000ｍ良 1:59.4(+0.2) 60.4-58.8 S^2
12.6 - 11.3 - 12.6 - 12.2 - 11.7 - 11.7 - 12.0 - 11.9 - 11.4 - 11.8
この金鯱賞２着は割と現実的な流れにはなった。1.6でかなりのスローではあるのだがそれでも極端ではない。Ｌ６からペースが上がってポテンシャル面を問われつつ、Ｌ２でもう一段という２段階加速的競馬でこの競馬ができたのは結構侮れないなというところはある。
８番枠から坂スタートでもまずまずのスタートを切ってじわっと先行しようとするが、徐々に下げつつ最終的にんは中団外目。道中上手くヤマカツエースの後ろで様子を見ながら入っていける位置を確保。３角まで仕掛けを待つが前が先にペースを引き上げる。３～４角でもヤマカツが外から勝負に行くタイミングを待ちながら我慢、４角でヤマカツの後ろで促しつつ直線。序盤で外からスッと伸びてここではヤマカツに脅威を与えるレベル。しかしＬ１では甘くなって最後はロードヴァンドールを僅差で捕えきれずの３着までだった。
このヤマカツエースが大阪杯でも３着だったわけでこの後ろから勝負に行って最後までジリッとでも伸びてきたのは一定の評価は必要。ただやはり一番はＬ２の最速地点で動けていたことで、２段階加速の形になってもこれができたのは今回も怖い要素になるかなと。ただし、極端ではないにせよ全体のペースが遅かったことは間違いないので、そこが平均まで引き上げられると不安はもちろんある。
●大阪杯(GI) 11着 14頭３枠３番
阪神芝内2000ｍ良 2:00.3(+1.4) 59.6-59.3 M
12.3 - 11.1 - 12.1 - 12.1 - 12.0 - 12.2 - 11.8 - 11.7 - 11.6 - 12.0
ただし、大阪杯は完敗だった。このレースは平均ペースなので前半に脚を使わされたのが敗因…ではなく、恐らく全体はかなりのスローでそれよりもキタサンが動いた段階が４角、ここからのＴＳ持続戦になっているので甘くなったとみている。実質キタサンの位置なら60秒後半ぐらいなので２秒までは行かないと思うがかなりのスローバランスではあると思うし、その中で早めの仕掛けになったことで脚があがってしまった。それだけでなく、使い詰めていてのパフォーマンスの劣化の両面かなと。
３番枠からまずまずのスタート、そこから無理せずに中団の内目で進めていく。道中もステファノスを前に置いて理想的な位置取りでの競馬ができている。３～４角でステファノスら各馬が動いていったことで前にスペースが空いて３列目で直線。後は追うだけとなったところで全然伸びず、Ｌ１まで良さが出ずの完敗だった。
コーナーで分散する形にはなっているが最短距離を通せているし、もうちょっとやれても良かったとは思う。ただやはりキタサンが早めに動いて恐らく実質的にはＬ３最速ぐらいの流れ、そこからのＴＳ持続特化戦と考えるとこれまでも最速地点では良い脚を使えてもＬ１が甘くなる、という傾向だったこの馬のスローでの負けパターンではあるかなと。段階的に加速して本仕掛けがＬ２、というパターンだった２走前の金鯱賞ではそこそこやれているし、逆にここはスローから本仕掛けがＬ３、となってしまった印象。まあそれでも負け過ぎで使い詰めてきた影響が出たかなと。
●2017鳴尾記念に向けての展望
単純なドスローのトップスピードタイプ、というだけでなく金鯱賞で６Ｆで分散しつつもう一段階の加速に対応、ここで良い脚を使ってきたのであれば基本的に簡単に消すのは危険だと思っている。ただし、前走の大阪杯は実質的にはスローでも仕掛けが早く流れとしては苦しいにせよ、甘くなるのも非常に早かった。あれを考えると使い詰めで状態面を落としてから短期放牧明けの初戦となる。この短期間で一気に上昇基調に持っていけるかは疑問があるのでその辺りをどう判断するかだろう。展開的にはやはりスローが理想で、その辺りは揺るがない。過去の実績を見ても京都記念２着、白富士、金鯱賞と程度の差はあれ全てかなりのスロー以上の緩い流れになっている。スロー想定で押さえておく、というところが無難な選択肢かなと。一週前にはハードに、直前では終い重点で良いラップを踏んできているけどチップは走る馬。個人的には状態面で少し評価を下げるべきとみている、スロー想定だと面白い馬が多いので手を出さない可能性もあるかな。ヒモでの当落線上。
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