日程：2017年11月５日(土)
第55回 アルゼンチン共和国杯(GII) 東京2500ｍ
予想用・出走予定馬一覧
夏の終わり、札幌最終週の丹頂ステークスで善戦マンにピリオドを打ったプレストウィックがアルゼンチン共和国杯に出走予定だ。昨年のアルゼンチン共和国杯では10着と結果を出せずも、長距離重賞戦線では掲示板に入ってきた。力をつけてきた今年も参戦するが、相手は古豪アルバートに活きの良い３歳勢も参戦。重賞でも善戦から一歩踏み込みたいところだ。
う～ん、府中で速いラップを問われてとなるとちょっと難しいんじゃないかなとも。前走の丹頂Ｓは相当に時計が掛かっていた中でのポテンシャル戦だった。ある程度ポジションを取れればという気もするが…。ただ相手関係はアルバートはともかく３歳勢はまだ未知数だしその他の古馬勢は結構楽な方だと思う。何とか粘り込んでの圏内を目指したいところ。
●丹頂Ｓ(OP) １着 14頭７枠11番
札幌芝2600ｍ良 2:44.2 63.7-62.2 S^1
13.6 - 12.5 - 12.9 - 12.5 - 12.2 - 13.3 - 12.7 - 12.3 - 12.1 - 12.4 - 12.7 - 12.4 - 12.6
まずは前走接戦を制してきた丹頂Ｓから振り返る。札幌はもちろん洋芝、開催序盤は軽かったが最終週まで来るととてもタフな馬場に変貌していた。ペースは1.5でかなりのスローに肉薄も、Ｌ５最速で12.1と11秒台を一切踏まないタフな馬場でのポテンシャル戦となっている。一応Ｌ３－２で再加速とはなっていてコーナー地点では減速しているのでそこまでコーナーでのロスは気にしなくていいとみている。
11番枠から五分には出てそこからじわっと進めて好位の外目でまずは入っていく。スタンド前ではプロレタリアトの直後を取りながら壁を作って折り合いつつ向こう正面。向こう正面でも仕掛けを我慢しながらで、３～４っ角でも仕掛けを待ちつつ好位の外、４角でゴーサインでスッと動いて２列目で直線。序盤ですぐに先頭に立ち、Ｌ１で粘るアングライフェンとの競り合いを制しての勝利だった。
３～４角での減速で待っていた割に意外と反応良く伸びてきたなあ、というのが率直な感想。逆にその手ごたえでスッと伸びてきた割にＬ１は甘かったかな、という感じは受けた。トップスピードは問われていないポテンシャル戦ではあるし、５Ｆである程度分散されているとは思うが、この馬としてはその流れの中で一段上の脚を一瞬使ってきて勝利を収めた印象。単純なポテンシャルだけならアングライフェンや３着に食い込んできたバロンドゥフォールの方が上だったかもしれない。この馬場で器用なところを見せてきた。
●メトロポリタンＳ(OP) ３着 13頭７枠11番
東京2400ｍ良 2:24.4(+0.3) 60.0-59.5 M
12.6 - 11.3 - 12.0 - 12.0 - 12.1 - 12.2 - 12.4 - 12.2 - 11.9 - 11.7 - 11.7 - 12.0
府中ではメトロポリタンＳで３着。この時が平均ペースで淀みも小さい中でのポテンシャル戦というところ。トップスピードを問われない中で３着と善戦してきた。この時の内容は良かったと思う。
11番枠からまずまずのスタートを切ってじわっと促しつつも後方での競馬となる。道中も最後方から２頭目という位置で平均ペースの流れに無理せず脚を残して３角へ。３～４角でも後方外で進めながら戸崎が珍しく激しく早めに仕掛けてきた。序盤からその分しっかりと伸びてきてＬ２ではいい脚を使っていたがＬ１で内から伸びてきたシルクドリーマーに前に出られて見劣っての３着だった。
基礎スピードが問われた中で結構良い脚を使えたなという印象で、実際ここでは上がり最速となっている。ヴォルシェーブには内容的に完敗だったが、厳しい流れの中でも脚を使えたというのは一つ良い材料になりそうかなと。ゲート自体はここでは良かったし、平均ペースの外枠でもあって後ろからになってしまったが、ここが噛み合えば…という面は一つ考えておきたいかな。
●ダイヤモンドＳ(GIII) ５着 15頭６枠11番
東京芝3400ｍ良 3:35.9(+0.7) 64.3-91.7(FA13.1)-59.2 S^5
12.9 - 12.4 - 13.0 - 13.0 - 13.0 - 12.9 - 13.0 - 13.8 - 13.6 - 13.0 - 12.7 - 12.7 - 12.5 - 12.3 - 11.6 - 11.3 - 11.5
もう一つ、今年のダイヤモンドＳを。このレースでは極端な超超スローで中盤も終始緩い流れからの直線だけの競馬となっている。Ｌ２最速11.3で緩い流れからトップスピードの質、持続力を問われた一戦でアルバートに完敗を喫した。
11番枠からやや出負け、そこから無理せずに後方で進めていてスタンド前では後方馬群の内内で包まれて少しブレーキをしていたり窮屈な走りを強いられる。向こう正面でも後方内内で包まれた状況で３角。３～４角でも後方で最内、ムスカテールの直後と微妙な位置で直線。序盤でそこから追いだされて内目のスペースを突こうとするが詰まる。Ｌ２で進路を確保してスッと反応して内から伸びようとするが、Ｌ１ではジリジリと５着完敗だった。
まあ戸崎らしい進路確保できずに内内で進めて加速で置かれるという競馬だったが、馬自体はＬ２で反応できていて最速地点でしっかりと捌けていたように機動力は高いんだと思う。ただし、スッと伸びてきたけどＬ１で前が落ちてきたところでグンと来る感じではなかった。本当にいい脚は一瞬タイプの感じで、それを引き出せる条件の幅は結構広いけどドスローだと各馬に見劣るって感じかな。ただ昨年のアル共では更に極端なトップスピード戦の中でヴォルシェーブに一気に置かれていたし、窮屈になったのはあるにせよ質的に高いレベルには無いんだと思う。この辺りが難しいところ。
●2017アルゼンチン共和国杯に向けての展望
ひとまず内から動けるだけのギアチェンジは持っている。また平均ペースのメトロポリタンＳでは最後まで伸びてきていたのでポテンシャル面・基礎スピードは結構持っている方。前走の丹頂Ｓでも厳しい馬場状況、ロンスパの中でももう一段の脚を要所で使ってスッと反応できているので、タイプとしては厳しい流れの中で一瞬の脚、反応の良さを活かしたいタイプかなと。ただ昨年のアル共みたいに超高速馬場で極端にスローでとなるとトップスピードの質的にはちょっと足りないと思うし、器用だけどスローで脚を残して速い脚を持っているというわけではないと思う。札幌日経オープンでもＬ４最速である程度速い脚を要求される中で外を回すと甘くなっているし、ハイトップギアにいれてしまうと難しいタイプなのかなと。なので全体のペースが上がることでそこまでの脚を要求されないパターン、或いはスローでもロンスパからの２段階加速。それで内枠辺りを引いて五分に出ればチャンスが出てくるかも、という感じかな。今回は相手関係的には昨年のアルゼンチン共和国杯よりは楽かなとは思っているし、アルバートも不器用な馬なので出負けしてシュタルケが内内に包まれてスローでとなればチャンスも出てくる。３歳勢もわからない、という点ではチャンスはある。難しいところだなあ、正直この馬では本来足りないと思っていたんだが、冷静に相手関係を見渡してもチャンスは確かにあるかもしれない。レコンダイトやハッピーモーメント辺りでもやれちゃいそうな感じはあるしね。条件・メンバー構成から浮上してくる可能性は十分にあるかな。ただゲートがもうちょっと上手ければ…というのはあるね。ポンと出て好位の内でスッとという競馬ができればかなり狙いやすいんだけど、現状それを安定して望むのが難しいのにそこそこ人気となると悩むところかなあ。
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