日程:2017年12月16日(土)
第3回 ターコイズステークス(GIII) 中山芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
3歳勢が重賞戦線で猛威を振るう中、ローズステークスで鋭い末脚を引き出し台頭してきたラビットランがターコイズステークスに出走予定だ。前走の秋華賞では重馬場の中で身上の切れ味を削がれた中でも4着と健闘を果たした。今回はマイルへの短縮となるが、3歳世代の勢いを追い風に中山の直線で脱兎の如き鋭さを見せつけたい。
ローズSでも鋭さを見せたし、今の高速馬場寄りの中山ならこなせるかなという感じはあるんだが、やはり基礎スピード面がポイント。ローズSでも無理はせずに中弛みで取り付く形の競馬ではあったからね。
●ローズS(GII) 1着 18頭7枠14番
阪神芝外1800m良 1:45.5 46.4-46.9 M
12.4 - 10.9 - 11.3 - 11.8 - 12.2 - 12.0 - 11.6 - 11.3 - 12.0
まずは2走前のローズSからだろう。この時は台風がどうか?となったが結局ほとんど影響なくて高速馬場状態で行われた。ペースは平均、中盤少し中弛みがあったが流れた分だけ本仕掛けが遅くL2最速戦。
14番枠から五分には出たが無理はせずに後方に下げていく。道中は無理はせずに後方でジッとしながら3角手前で外からじわっと進出していく。3~4角では前が少し息を入れている中で外から追走、4角で大外に持ち出しながら後方で直線。序盤でスッと伸びてきて中団列を外から切り裂き好位へ、そのままL1まで一頭鋭く伸び続けての完勝。
ここでは後半のトップスピードの質、持続力の両面で圧倒してきたといえる。またペースが平均で流れた中でこれを引き出せたということにはなる。ただし、平均でといってもこの馬の場合は前半ではほぼ最後方に近い位置だったわけだし、中弛みで外からじわっと取り付けてはいた。その辺りも噛み合ってはいたと思うので、マイルで完全に淀みなくとなると基礎スピード的にどうなのか?というのは一つ課題としてはあると。
●秋華賞(GI) 4着 18頭1枠2番
京都芝内2000m重 2:00.9(+0.7) 59.1-61.1 H^2
12.2 - 11.0 - 12.4 - 11.9 - 11.6 - 12.0 - 12.1 - 12.5 - 12.1 - 12.4
前走の秋華賞では重馬場の中での消耗戦、淀みない厳しい流れで末脚を削がれながらも頑張っての4着、という印象だ。ペースバランスは2秒とかなりのハイ、ラップ推移も道中での淀みはほとんど無い。2000mでパワー型基礎スピードを要求された形で、ローズSとは全く別の競馬といっていいだろう。
2番枠からまずまずのスタートだが一歩目以降が少し遅く、それでも中団の内内を確保してローズSより前目の位置を取る。道中も前が重馬場の割に厳しいペースを刻む中で中団の内内で追走、モズカッチャンの後ろを突いていく形で3角に入っていく。3~4角では好位列の内内まで押し上げながら2列目で直線。序盤での伸びはやはりイマイチながらも食らいつく。ラストは上位3頭に比べて伸び切れないもののカワキタエンカは競り落として4着を確保した。
ハイペースの流れでもやれたというのは良い材料になる。このレースではタフな流れで淀みなく、トップスピードも問われない前半の基礎スピード重視の中で一定レベルでは戦えた。ただもちろんだが2000の重馬場でのものだし、だから序盤あの位置を取れたともいえる。仮に高速気味の中山マイルで流れた時についていけるのか?というのは別問題かな。軽い馬場、短い距離だとよりポジショニング面を要求されるので。ゲート自体は向上してきたけど、二の足という点では中山マイルを戦ううえでどうか。
●500万下 1着 16頭8枠16番
中京芝1600m良 1:34.3 48.1-46.2 S^2
12.8 - 11.5 - 11.9 - 11.9 - 11.9 - 11.6 - 11.1 - 11.6
一応3走前の500万下もみておきたい。中京のマイルでペースは2秒近いかなりのスロー。ラップ推移的にはL2最速でトップスピード戦となっていて、L3の地点ではまだ11.6と上がり切ってはいない。
16番枠から出負けして後方からの競馬、追走で苦労しつつ後方外目で進めていく。ただ道中は全体のペースが緩い中で最後方烈の中目でそれでも促しながら3角。3~4角でも最後方列から中目、徐々に外に誘導して勢いに乗って直線。序盤でそこから外々鋭く伸びて中団列、L1で一気に前を捕えきっての勝利だった。
このレースは500万下戦としてはハイレベルでその中でトップスピードに乗ってからの質、持続力の高さはこの時点で高いレベルのものを見せていた。ただ、やはり軽い馬場でこのペースでとなるとゲートの甘さ、そして何より二の足での不安を露呈させている。この辺りをしっかりと重賞レベルでクリアしてこれるかが重要だろう。
●2017ターコイズステークスに向けての展望
昨年のような展開になると少し不安だなと思っている。ただ、今年は昨年よりは若干軽いかなという感じでここ数年で見れば結構高速馬場に近い方だと思うし、何より今年のメンツでガンガン飛ばしていくような逃げ馬、番手馬がいないというのは前半ゆったり入りたい…というより二の足の追走力で見劣るこの馬としてはありがたい材料だと思う。少なくとも自身でスローバランスでという競馬にはなりそう。トップスピード戦になってしまえば質、持続力で高いレベルにあるとは思うので。後は相手関係なんだが、微妙にトップスピード戦で厄介な馬が揃った感はある。デンコウアンジュなんかもタイプは近いと思っていてヴィクトリアマイルでもそうだが緩い流れ、中弛みで外から前を向いて鋭くという競馬で良さ。エテルナミノルなんかも前々でスローにコントロールすると一足は鋭い。もちろん言うまでもないがチューリップ賞で平均ペースの中で外から脚を使って鋭く伸びたミスパンテールも高速馬場気味なら厄介になる。秋華賞は単調な流れなので気にならなかったが内内で包まれて加速できるだけの器用さがあるかどうかもこの馬としてはポイントになる。ただ、それでもスローの方が良いだろうし、ローズSで見せたインパクトは大きい。今年のメンバー構成でこの馬場だとスローの可能性が高く軽視しづらいかな。秋華賞がタフな流れだったので消耗が気になるが、状態面を除けば最低でも連下では拾いたい馬になる。
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