2019年7月29日月曜日

【アイビスSDの回顧】直線競馬の適性が高いライオンボス。距離延長は?

《スタートが決まった時点で勝負アリ》
■ライオンボス(1人気/1着)……追い切り評価【A】
もともとスタートは上手な馬出し、直線の適性も高い。スピードがある馬だから、急きょの乗り替わりになった田辺もゲートだけ気を使えばよかった。中途半端なスタートだったら外の馬を挟んでしまうし、ポンと出られた時点で勝負アリだったね。これが1200mになると、どこかで息を入れられるかどうか。レース後のインタビューでは田辺も「途中で息を入れられるところもあった」と言っていたから、同じことができれば多少距離はもつと思う。

《内目の枠を考えればよく頑張っている》
■カッパツハッチ(3人気/2着)……追い切り評価【B】
3番枠から、最後は真ん中あたりまで持って来られた。あの位置から大外までとなると、ロスも相当大きくなるからね。ただ3週目、4週目なら絶対的に外のほうが有利だけど、夏開催の開幕週だし、芝もいい状態。そこまで馬場も差はなかったようにも見えたんで、一か八かで内枠から真っ直ぐ運ぶという選択肢があってもよかったんじゃないかなと。

《初ブリンカーと気の抜けない千直の相乗効果》
■オールポッシブル(9人気/3着)……追い切り評価【C】
これは驚いた。初めて着けたブリンカーがバッチリ利いたんだね。前走、2走前あたりだと全然競馬をしないで負けていて、レースが終わっても馬が疲れたところがなかったんじゃないかな。それで「集中させよう」という意図で着けたんでしょう。それに、1000mだったら競馬を嫌がるヒマもないから、余計に効果があったんだろうね。

勝ちタイムが55秒1と、やや物足りないように見えるけれども、台風の後というのもあって結構向かい風が強かったみたいだね。だから、逃げて風の抵抗を受けながら上位に粘った馬たちは、力があると見ていい。5着のレジーナフォルテなんかはまた落鉄していたようで、運がないというか、もったいない一戦だった。極限のスプリント勝負で踏ん張りがきかないで走っているようなものだからね。ただ、最後までしっかり走りきってしまうと、その疲労は結構残ってしまうんだよ。単純に「次走は買い」というのではなく、注意したいね。ダイメイプリンセスは2番枠もあって、ごちゃつく形を避けて後半勝負に徹したんだろう。結果、さばききれなかったけど、外枠だったら前に行っていたかもしれない。

追い切り評価はレース前日 UMAJIN.net『競馬サロン』内で公開中!
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