2020年4月28日火曜日

【天皇賞春2020有力馬診断(前篇)】~“阪神大賞典の先行好走馬[近10年春天18頭出走7好走]>差し好走馬[同9頭出走0好走]”に表れる阪神大賞典(スタミナ戦)と天皇賞春(立ち回り戦)のギャップ~

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【天皇賞春の有力馬診断(前篇)~“阪神大賞典の先行好走馬[近10年春天18頭出走7好走]>差し好走馬[同9頭出走0好走]”に表れる阪神大賞典(スタミナ戦)と天皇賞春(立ち回り戦)のギャップ~】
※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します
80p98
―エタリオウ牡5川田58友道(栗東)
4走前京都大賞典は前有利展開を後方競馬の展開不利で善戦、3走前ジャパンカップは内有利馬場を外枠競馬のバイアス不利で善戦、2走前有馬記念は後方有利展開を先行競馬の展開不利で善戦、前走日経賞は後方有利展開を先行競馬の展開不利で善戦…昨秋以降の4戦は全て情状酌量できる敗戦ではありましたが、それでも昨年天皇賞春4着を境にして明らかなパフォーマンスダウンは読み取れます。それも上下変動なく一定のパフォーマンスを続けていますので、世間で言われる様なムラなタイプとしての不振近況ではなく、能力的な劣化の可能性が高いと見ます。
近走は恵まれぬ走りで重賞善戦級で、並の重賞レースならば展開一つで出番有り得ると見ますが…G1レースでの激変・激走が見込める近況ではありません。


―タイセイトレイル牡5〇〇58矢作(栗東)
2走前ダイヤモンドS時の推奨文を参照↓
『まず以下の画像はハーツクライ産駒の19年20年の芝コース別成績です。
d650faf0
ハーツクライ産駒が東京を得意としているコトは周知でしょうが、京都を不得意としているコト(より正確に言えば京都を不得意としている馬が多いコト)はあまり知られていないかも知れません。
 両コースではダブルスコアの連対率の差が生まれており、単純に京都コースから東京コース替わりの同産駒を買う戦略も有効と言えます。

タイセイトレイルは正にそのハーツクライ産駒で、京都コースでは13着・7着・3着・3着・4着という戦績で、それらの次走コース替わりでは全て着順を上げています。
前走の京都重賞敗戦も京都下り坂で動けずという、京都不適性も一因だったと見られる負け方でした(略)』

・・・
その後は京都コース以外でも頑張れていないのは意外な不振ですが、何れにしてもその京都コースではG1でどうこう言えるレベルの戦闘力は持ち合わせていない馬と見ます。


―ハッピーグリン牡5和田竜58森(栗東)
どうしても右回りだとモタれる面を出す馬。
他の要素も絡んで近走の好走歴は右回りが目立っていますが、そのレース内容も映像から読み取れる限りではどれもモタれる面を出してのパフォーマンス低下はありました。例えば2走前チャレンジC4着は仕掛け遅れて上がり最速も届かず4着でオーナーも騎乗に苦言風のツイートをしていましたが、それも武豊Jは好きで後手競馬になっているのではなく、馬の方の右回り下手が根源にあったはずです。
右回りの長い直線コースで、高松宮記念での降着トラウマもあるだろう和田騎手騎乗で…大きな期待はできないか。


▽キセキ牡6武豊58角居(栗東)
ルーラーシップ産駒の出世馬と言えば他にダンビュライト・ムイトオブリガード・リオンリオン・アディラートなどですが、どれも父の血を引いてか気難しさあってレース振りに注文が付く馬が目立ちます。
キセキも凱旋門賞の後遺症なのか、そのルーラーシップ産駒らしいと言うべきか、2走連続でのゲート失敗での凡走中。
4歳春にも海外遠征で帰国後連続大敗しましたが、それに準える近況で(当時は1年後に復調)…父ルーラーシップは出遅れ癖がひどくなっても能力で3着は続けていましたが、こうなるととても信頼して買うコトはできず…ただし逆にいきなり走ってくる可能性もありますので、相手馬には入れて茶を濁す評価をするしか…。


―メイショウテンゲン牡4松山58池添兼(栗東)
回避オセアグレイト牡4〇〇58菊川(美浦)

ダイヤモンドS好走馬。
まず現代競馬では芝長距離路線は軽視されており、この天皇賞春でも王道距離路線馬が距離延長を克服して好走するのが常で、レベルが低い前者路線を歩んできた生粋ステイヤーの能力では太刀打ちできないというのが常です。
それは芝長距離G2G3では圧倒的な成績を収めるも、結局G1では最後まで及ばずだったアルバートの戦績が物語っています。
このダイヤモンドS好走組も単純にG1への壁は大きいと見るべきで、特に今年の同レースは道中ペースが全く緩まない厳しい流れとなってのスタミナ勝負の様相でしたので…尚更に天皇賞春とは直結しないレースだったと言うべきです。

メイショウテンゲンはそのダイヤモンドSも含めて重賞好走歴は全て上がり36秒台以上の重い決着で…スピードも多分に問われる天皇賞春で足りるタイプでもありません。


△ユーキャンスマイル牡5浜中58友道(栗東)
―トーセンカンビーナ牡4藤岡康58角居(栗東)

天皇賞春で好走する阪神大賞典組は先行できていた馬で、阪神大賞典を差して好走していた馬は天皇賞春では好走できない傾向(過去10年で9頭中0好走)。
それは阪神大賞典はスタミナ要求レースであるが、天皇賞春は長丁場でもスピードと内有利傾向下での立ち回りも問われるレース質の違いからであります。
本年阪神大賞典はキセキの道中暴走もあって後方位置取り馬のワンツースリーとなったが、これは必ずしも天皇賞春に繋がる好走レース振りではない点は注意が必要です。
特に出遅れ外追い込み競馬が板についているトーセンカンビーナ、ズブさあって後方大外追い込み競馬オンリーとなっているメイショウテンゲンは、その阪神大賞典ではレース展開の方から向いてくれて好走に至りましたが、天皇賞春では同様の戦法で通用する可能性はそうそう望めないと言えます。

ユーキャンスマイルは昨年天皇賞春では右回りで機動力を発揮できずに、上位勢とは大差を付けられた5着止まりでしたが、当時よりは右回り克服できている近況は好材料。
昨秋はレベル高い天皇賞秋と内有利バイアス強かったジャパンカップでも4着5着と健闘している通り能力は上で、右回りでもこの程度の相手関係であれば嫌えません。
癖馬だけに主戦騎手が乗れないのはマイナスで、あとはできるだけ内目の枠順が欲しい所です。


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昨年には『長期休養前にはHレベル重賞で連続好走していた馬。地力上位であるのはそうとして、今となっても走れる態勢にあるか否かが重要でしょうが…復帰後から今回までは相変わらず坂路&プールなど負荷掛からぬ場でばかりの調教過程で、まずはそこが変わってこない限りは一変要素は見出せません』と記してきましたが、ウッドコース追いを取り入れた2走前白富士S(不利有り8着)で復調を示し、前走ダイヤモンドSで一変を示したという経緯。
ウッドコースでバリバリやれている今回も、引き続き調教過程としては魅力有りと言えます。
上記の通り前走ダイヤモンドS激走自体の評価はあまりできませんが、更なる復調可能性も見込めるだけに…17年日経賞2着などの元値を踏まえれば一枚押さえる手もアリか。

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