産経大阪杯2015出走予定馬
東京競馬場で強烈な末脚を引き出し快進撃を続け、遂に天皇賞秋でもその末脚を炸裂させたのがスピルバーグ。ゴールドシップ世代としてクラシックに挑むも壁を感じさせるダービーでの大敗。しかし、大器晩成を地で行くかのごとく、その末脚を研ぎ澄まし、GIまでたどり着いた。今年は天皇賞馬として迎える一年、もちろん狙うは多くのタイトルということになる。ライバルも多く引退していく中で、この馬の時代の到来を告げられるか。
その末脚の鋭さは目に見えてわかりやすいが、特筆すべきはその持続力も備えているというところにある。やはり印象的だったのは天皇賞秋だ。
東京芝2000m戦、稍重で少しソフトな馬場になっていて、ペースでは60.7-59.0とハッキリとスローペースになっている。 ただ、12.1 - 12.3 - 11.4 - 11.3 - 11.9とラップで見るとL3で11.4とそこそこ速く、L1出は落としているようにTS持続力が問われたという印象だ。この流れの中で内枠から五分には出たが二の足がそんなに速いわけでもなくいつも通りの後方からの競馬になる。向こう正面では内枠からのスタートでも外に持ち出す形。その後は比較的淡々とスローの流れで3~4角は外目からじわっと仕掛けつつ前を向いて後方で直線。序盤でそこから仕掛けられると大外からジリジリと伸びてくる。L2では2列目を捕える勢いを見せ、L1でそこから更に前の2頭を脚色鈍らせずに捕えきっての完勝だった。この末脚の魅力は大きく、トップクラスのレベルでトップスピードの質、何よりそれを最後の最後まで維持してきたというTS持続力の高さを乗算してこの破壊力を導き出したという内容だ。
個人的にはダービーでの負け方からもジャパンカップでは微妙だろうと思っていたのだが何の、成長のあかしとなる3着を競馬ファンに見せつけた。しかも負けた相手がエピファネイアとジャスタウェイである。ペース的にはサトノシュレンがレースを引っ張る形で、エピファネイアが千切った中で59.6-59.4と平均ペースとなっていて、実質的に見ると離された2着のジャスタウェイ以下で考えればややハイぐらいの流れだったと見たい。11.9 - 11.8 - 12.4 - 11.9 - 11.5 - 11.8とラップで見るとL2加速しているがエピファネイアが千切った地点でもあるし、実質的に見ても後続はもうちょっと遅いラップだったか。
この厳しい流れの中で、外枠から後方で進めつつ厳しい流れで序盤は脚を溜める形。淀みなく縦長の流れで当然押し上げるタイミングもないまま3~4角で内目を通しつつ後方で直線。序盤ちょっと待たされたがそこから追い出すとしっかり反応。L2でジリッと中団に取り付くと、再び馬群を捌きながら伸びてきて最後じゃジェンティルドンナをねじ伏せて3着に浮上した。このレースではこの馬の上がり3F34.8というところやラップと映像の比較で見ても極端なトップスピードを引き出せるような競馬ではないポテンシャル勝負になったとみているし、その流れの中で最後まで脚を維持して伸びてきたというのはかなり驚かされる競馬だった。この内容からも距離に対する目途は立ててきたと言ってよい。何より厳しい流れでのポテンシャル勝負で強かったエピファネイア、ジャスタウェイに次ぐ3着である。評価しないわけにはいかないだろう。
今回のポイントは阪神芝内2000m戦というところにあるが、ジャパンカップの内容的にも高いレベルでこなしてくる可能性は十分あるだろうと思う。これまで天皇賞秋までは概ね速いラップを刻みトップスピードに乗ってからそれを維持してL1までポジションを上げ続けるというのがこの馬の持ち味だった。それが速いラップを要求されない、平均的なペースを刻む流れを追走してそこからポテンシャルを引き出してきたというのは新たな一面だし、府中の中距離のような11秒前後のトップスピードが要求されるような競馬だけではない適性面を発見できたのは大きい。特に阪神内2000は序盤スローからの4F勝負にはなりやすい舞台でもあるし、長く脚を使うという面でもよりトップスピード面よりポテンシャル面が問われるケースも出てくる。そういったことを考えるとジャパンカップ3着の内容は不気味さに拍車をかけるといったところ。Bコースに替わるので馬場がどうなるかが焦点になるが、馬場を抜きにしてポジションが被るキズナとの最序盤のポジション争い、関係性がどうなるのか。そして動き出すタイミングでキズナとスピルバーグがお互いどういう意識の上で動いていくのかというのも面白い材料だろう。長く脚を使えるということに関してはどちらもかなり高いレベルにあると思っているし、ガチの戦いが見られるというのは非常に楽しみな材料だが、一番厄介なのは意識しすぎてイスラボニータが楽なペースで出し抜く競馬にならないかどうか。スピルバーグとしては恐らく天皇賞春に出ることはないだろうし、安田を狙う可能性の方が高い。いずれにせよ前哨戦としての意味合いは小さくなるし、キズナを見ながらどの程度やれるのかというのを量る意味合いも強いかもしれない。個人的にもそこは非常に興味はあるが、勝ち負けを考えるのであればキズナの前でキズナの仕掛けを意識しながら内から動く、昨年のエピファネイアのような競馬をしてくれれば面白いかなと思う。どこまでやれるか楽しみの方が多いが、適性面ではハッキリと見せてきたキズナに比べると初の阪神内回りは若干不安材料にはなるかなというところ。
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第59回 大阪杯(G2)
キズナ?イスラボニータ?
スピルバーグ?カレンブラックヒル?
GI並みの豪華メンバーが一同に集結
しかし本番度外視!メイチ勝負
のアノ馬が…
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キズナ・イスラボニータ・スピルバーグ・エアソミュール・カレンブラックヒル・ロゴタイプ・ラキシスとGI並みの豪華メンバーが一同に集結したこのレース。このレースの最大の焦点は今後、天皇賞(春)→宝塚記念の2戦を予定しているキズナ、今春は安田記念が大目標のイスラボニータ、適条件を求めて英国に遠征する事が発表されているスピルバーグの取捨に他ならない。
実績面だけを見れば3頭が抜けているがキズナはまだ骨折明け2戦目、イスラボニータは2月1日、3月14日に神経性の腹痛をおこしており、スピルバーグは休み明けに加え、抜群の安定感を誇る左回りと比較すると実績乏しい右回りと付け入る隙は十分。仮に負けたとしても「まだ本調子になかった」と言ってしまえば良いだけの話。
しかし、他の陣営からすれば金星を上げる大チャンス。現に「ココで賞金を加算しないと使いたいレースに使えない。ウチは前哨戦のここが勝負」と本番度外視で目先の賞金加算に全力投球の陣営がいるのも事実。
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第59回 大阪杯(G2)
キズナ?イスラボニータ?
スピルバーグ?カレンブラックヒル?
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しかし本番度外視!メイチ勝負
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