月曜恒例の重賞回顧。今週は土曜のレースからいこうか。まずは、アーリントンCから。
レインボーラインは、テンにモタついて後ろからになったんだけど、(ミルコ)デムーロは3コーナーあたりから早めに動いていた。ペースが落ち着いただけに、まずはこの判断が良かったよね。それに、スムーズに上がって行けたぶん、ロスがあっても外へ持ち出したのも正解。最後は横一線の入線で1着から5着までがタイム差なし。乗り方ひとつで着順は変わっていただろうし、デムーロの好騎乗が大きく物を言ったんじゃないかな。際どい接戦を凌いだあたり勝負根性はありそうだけど、パドックで見てもやっぱり線の細い体つきをしているからなぁ。馬体が成長してこないと、GI級のメンバーに入ったらちょっとキツいと思うけどな。
中団からになったダンツプリウスは、3~4コーナーでは後ろから上がって来たレインボーラインと一緒に動けている。ただ、直線で追われて微妙にモタついたのが痛かったよ。調教で気の悪そうなところを出していたんだけど、やっぱりそういう面がありそうだね。馬が遊ばないで素早く反応できていれば…、ほんの1完歩ぶんぐらいの差なんだけどなぁ。着差が着差だけに、もったいない競馬になってしまったね。まぁ、トボけるところがあるこの馬にとって、決め手勝負になりやすい千六は短い気がしなくもない。ユッタリ走れる長い距離を使えば、もっと良さが出てくるかもしれないよ。
ロワアブソリューは、スタートで出遅れて後ろからになったんだけど、道中は折り合ってジッとできていたね。まともに引っ掛かって競馬にならなかった前回(きさらぎ賞7着)とは見違えるほどの走りで、溜める競馬をすれば脚を使えるのが分かったのも収穫でしょう。大外枠で内へ潜り込めるところがなかったし、終始外々を回ってこれだけやれたのも立派。次につながる競馬ができたんじゃないかな。
レオナルドは、課題だったゲートを五分に出てくれたし、早め早めに動いても最後までしぶとく粘っていたね。いい競馬ができていたんだけど、結果的には直線で抜け出すタイミングが気持ち早かったかな。もうワンテンポ追い出しを我慢できていれば、ギリギリ押し切れていたかもしれないよね。まぁ、勝ちに行く競馬をしただけに仕方がないし、1勝馬、500万条件の身でこれだけやれれば上等でしょう。この馬も脚質に幅が出たという意味では、収穫があったと思うよ。
アーバンキッドもゲートを五分に出てくれたし、ある程度前に付けて競馬をしていたね。この馬も早めに動いたぶん、最後は甘くなった感じだけど、これまでと違った競馬ができたのは大きいと思うよ。まだ3歳で若いんだし、先々のことを思えば色々経験させたほうがこの馬のためだから。悲観することはないと思うけどな。
ヒルノマゼランは、先行してスムーズに流れに乗れていたのに、追ってからがサッパリだったね。4コーナーの手応えは良かったから、もっと伸びると思ったんだけど…。調教でもトモが開くような走りをしていたし、馬がまだパンとしていないんでしょう。
ボールライトニングは、調教では体を使って素晴らしい動きだったのに、競馬に行ったらサッパリいいところがなかったね。バッサラバッサラした走りというのか、調教の良さがひとつも出せていなかったよ。体調は悪くないと思ったんだけどなぁ。正直、よく分からないね。
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