2015年3月24日火曜日

毎日杯 2015 出走予定馬:アンビシャス、皐月賞へ向けてここは負けられない一戦だ

2015 毎日杯(GIII) 阪神芝外1800m

出走予定・登録馬一覧

毎日杯2015出走予定馬





 ハイレベルとなった共同通信杯の上位の一角を占めたのがアンビシャス。連勝の内容もさることながら、やはり前走リアルスティール、ドゥラメンテといったクラシック候補の筆頭たちを相手に見せ場を作ったというところは評価せざるを得ないだろう。皐月賞を考えれば勝利こそが至上命題。相手関係を考えてもここで弱音を吐いてはいられない。皐月賞へ向けての強い勝利を期待したい。





 皐月賞路線で最も注目しているこの馬だが、ドゥラメンテも含めて今年の2歳戦線は重賞乱発のせいで出走のボーダーがかなり高くなっている。2勝+重賞2着では足りないだけに、ここは勝つ必要がある。好走というレベルならかなりの確率を期待しているが、勝ち切れるかどうかという点では阪神の外回りがカギになる。





 基礎スピードの高さを持ちながらも総合力を持っているという典型的な前半型の総合力タイプ。新馬戦が凄く印象に残っているのでここから入る。京都芝内1600m戦だが、ペースそのものは47.2-47.7と少し早いぐらいの平均ペースで、12.2 - 12.4 - 12.0 - 11.8 - 11.5と前後半が速く若干の中弛みという競馬。これを五分に出て好位のポケットからじわっとスペースを詰めつつ2列目を確保という形。速かった前半でポジションをとって中弛みに合わせる競馬になったが折り合ってしっかりと前にスペースを置く折り合い面での器用さを見せる。3角の下りで徐々に加速する流れも持ったまま進路を探りながら2列目で進めると序盤でもまだ進路なく、2列目のまま。しかし進路ができてグンと反応すると外から勢いをつけてきていた馬を尻目に加速ラップで一気に突き抜けての完勝。L2で動けていないことから考えても、L1でかなり加速したラップを刻んでいるといえる。このL1での最速でトップスピードの質がどうこうというつもりはない。重要なのは序盤3F35.2とそれなりに速い流れでポジションをとって、中弛みで緩めて、前を向けないまま直線で進路ができてからすぐに反応して突き抜けたという極めて高い総合力にある。特に前半の基礎スピード面を見せたうえでのもので価値が高い。この時点でかなり注目していた一頭。





 千両賞ではスローで持ち味を削がれる競馬を試す形になったがしっかりと伸び切った。12.9 - 12.5 - 11.8 - 10.9 - 11.9のラップ推移で中団から、最速地点にしっかりと抜け出し、L1まで踏ん張った。もちろん地味ではあったが、新馬と違って持ち味の基礎スピードを抑えてのものだし、ギアチェンジに関しても下り坂での仕掛けになっている。器用さではなく後半のトップスピード勝負に特化した形で勝ち切ったというのは純粋に評価したい。





 そして前走の共同通信杯である。ペース的に見ると47.4-47.1と平均ペースに見えるが、12.2 - 12.6 - 12.6 - 11.8 - 11.0 - 11.7とかなりコーナーで緩んでいてそこからのギアチェンジ戦でL2最速は11.0と馬場を考えるとかなり速いラップを刻んでいる。この流れで五分のスタートから積極的に速い序盤でポジションをとって2列目。ぢ宇宙少し掛かり気味にはなったがドゥラメンテほどではなくしっかりとコントロール。3角で緩んだところでもしっかりと折り合って進め、3~4角では外目からじわっと仕掛けを待ちながら2列目外で直線を向く。序盤で仕掛けを待ちながらでも楽に先頭に立ち、L2で仕掛けられると反応はしているがドゥラメンテに差し切られる。L1ではリアルスティールにも交わされての3着に終わった。力負けのように見えるかもしれないが、このレースもかなり中盤緩んでいて、前半もそこそこ速い。その中でまず反応が素晴らしかった。前を向けていたとはいっても12.6から0.8もの加速を2F続けるところで大きく手が動くことなくしっかりと伸びてきた。ただ、ここで言えるのはギアチェンジの性能は高いがトップスピードの質に関しては恐らくドゥラメンテやリアルスティールには及ばないといった感じで半ばでキレ負けしてしまった。新馬戦と違うのはラップ補正すればやはり実質的にはハッキリとスローだったといえるし、その流れで前半脚を使ったものの、結局基礎スピードで取ったリードを中盤で無意味にされてしまったのが痛かったと思う。同時に緩めすぎた結果L2最速11.0とかなり速いラップを刻まされた。これは厳しい競馬になった原因といえる。





 個人的にはドゥラメンテが出られない以上、本番の皐月賞ではこれが一番面白いと思っている。と言っても勝つ必要があるのでそれが叶うかどうか。まず阪神外回りの適性は器用さを活かしたいこの馬としてはプラスとは言えない。4角の出口から下り坂があるわけで、各馬がトップスピードに乗せやすい条件が揃ってしまっている。これはこの馬の優位性を一つ削ぐことになる。もう一つは阪神1800mというコースである。3角までの距離が長く、前半が速くなって中盤で息を入れたくなるコースである。そうなると前中盤をフラットに進める差し馬が有利になりやすいし、実際そのケースでの差し込みが非常に多いレースである。その点で、ペースをコントロールしようとしすぎて後続がトップスピードを引き出せる余力を持たせてしまうと、力は認めても勝ち切れるかどうかは微妙になってくる。個人的なイメージとしては多少厳しくても平均的に刻んでしまった方が良いだろうと。トップスピード勝負でもやれるとは思うし、今の内有利馬場ならとも思うが、千両賞を見る限りL1で足元をすくわれる可能性は1800なら中弛みしやすい分、更に表に出てくると思う。適度にペースを引き上げないと不安は多いかなと。この辺りのバランスをしっかりと取れる騎手ならというところ。個人的には皐月賞で本命を打ちたいレベルにあるので、ここは絶対に通過してもらいたいが、ここの方が勝ち負けという点に関しては不安はある。浜中だったり松山だったりと噂はある…それでも正直誰が乗るのかはわからないが、しっかりと勝つ競馬をしてもらいたい。馬の素質は一級品だと思っている。









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