2015 3/29(日) 高松宮記念(GI) 中京芝1200m
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香港スプリントに果敢に挑んだ日本の名牝ストレイトガールの挑戦を退けたのが香港スプリントのダークホース、エアロヴェロシティ。鮮やかに逃げ切りストレイトガールの追撃を寄せ付けないところにまさに香港のスプリンターという力強さを感じた人も多かっただろう。今回は日本に遠征、ストレイトガールとの再戦含め、日本が誇る次世代のスプリンターを沈黙させることができるか。
まず血統がネタレベルである。…父系はトムフール系でしかもバックパサーを介さないという日本では傍系というかほぼ存在しないといっても良いレベル。ちなみにバックパサー系ですら日本でシルヴァーチャーム産駒がいるかなという程度でほとんど実績はない。母父に至ってはこれまたサーゲイロード系で日本でもほとんど見なくなった。ただ、こちらに関してはニホンピロウイナーの系譜で、特に最近では母父でもフラワーパークの仔ヴァンセンヌが東京新聞杯を勝ったりなど、幾らか馴染みはある。それでも母の父の父Sir Tristramぐらいは分かっても母の父がわからない。系統的には非常にアメリカンな配合ではあると思うし、その中でも完全な零細血統で占められているといっていい。とどのつまり、正直ちょっと読みにくい。それに中京の馬場が近代の日本の馬場としてはかなり時計がかかるというのもあり、シルヴァーチャームが結果を出せなかった時代とはまたちょっと違った馬場状態でもあるので、こと中京という観点では単純には決めつけない方が良いだろうと思う。
というわけでレース分析をしっかりしたい。まずストレイトガールとの比較ができる香港スプリントから当然見たい。シャティン競馬場の1200m戦、向こう正面からのスタートで3角が比較的すぐにあるというコース。23.36-22.31-22.90というラップが示す通り、割と平均的な流れにはなっているとみるべき。一頭だけ好スタートを切って楽にハナを取り切る。その後ペースをしっかりと押さえてすぐに3角に入りコントロール。目視でだが、大体3F通過が34.5ぐらいで進めながらロスなく立ち回って仕掛けを待って直線を向く。序盤でそこから追い出されるとスッと抜け出して出し抜く印象。そのままL1で抜け出したところに2着馬の強襲を受けたがそれを凌いだ。結局追いすがったストレイトガールは問題としなかった。正確なレースラップは分からないが、個人的な感覚ではL2最速戦のような競馬に映った。2Fずつだと前後半に分けられなかったが、目視で考えればおおよそ34.5-34.0ぐらいのイメージでいる。その中でテンが速く、絶妙にペースをコントロールしてそこからスッと出し抜くというような競馬を見せた。敢えてタイプで言うのであればアンバルブライベンに近い逃げかなという印象だった。
その前の前哨戦ジョッキークラブSも振り返る。youtubeで探し回って詳しく振り返ろう。結論から言うと詰まって参考外でいいが。ペースは23.42-22.17-22.49とここだけ見れば恐らくスローである。勝ち時計が日本で見れば1:08.1、平均ペースでこれだとそこそこ軽い馬場の計算だ。ここでは2列目のポケットでの競馬を選択したがゲートそのものは良かったし、最内枠から様子を見ながら2列目に意図的につけたという形。序盤はスロー気味に見えて3列目に下がってしまう。目視で見難かったが少なくとも34秒半ばぐらいの感じでコーナーでも進路がないまま直線で最内を突こうとする。直線で2列目まで押し上げて勝つかなというところで前にいた馬に乗りかかってしまう。そこから建て直し、再度最内を突くがまた同じ馬に突っ込んで完全にブレーキ、終了という形だ。ここまで見ても総合力の高さを見せている。直線での手応えだけ見れば内からスッと抜け出してきそうな雰囲気はあった。
最後に前走のチェアマンズスプリントプライズだ。このレースには日本でもおなじみラッキーナインが出走して僅差3着、これに先着している。同じシャティン1200m戦で、まずまずのスタートからハナを奪っていく。ただ序盤競りこまれて3角に突入し、ペース的には23.34-22.14-23.31とほぼ平均ペースではあるが、このレースだけ23秒台に後半2F突入している。直線序盤でスッと出し抜いて先頭に立ったのだが、L1で勝ち馬にジリジリと伸びて差し込まれる。それでも最後は首の上げ下げまで持ち込んでいるように、現時点で香港シャティンの1200m戦に限って言えば名実ともに最上位の馬とみて良いんじゃないかなと思う。ラッキーナインも衰えはあるにせよ、これを完封してきた。かなり強い逃げ馬ではある。
が、個人的な感覚で言わせてもらうと、やはり平均ペース向きだなと思う。というのもこの馬の特徴はいずれも直線序盤でスッと出し抜く競馬をしている。これは日本でも近年流行りの総合力型の出し抜き逃げ切りで、そういう点でも軽い馬場での中京1200なら平均的に刻んでコーナーで緩めて下りの途中で加速しながら直線の坂で後続を出し抜くというような競馬がイメージできたと思うんだが、今の中京は時計がかなりかかっている。平均ペース、34-34でというような競馬はちょっとイメージできない馬場である。また日本もテンの速さという観点で見ればアンバルブライベンという強敵がいる。この辺りをどう交わしてくるか。個人的には3走前のジョッキークラブスプリントは2度も詰まったのが痛かっただけで、3列目のポケットと最悪なポジショニングからでも動けていたし(まあザカリー・パートンの腕もあると思うが)あの内容からも個人的には本質的にスプリンターというよりは1400~1600でも走らせたいなと思う馬である。1200でも京都1200とか高速の中京1200とかなら面白かったが、今の条件となるとどうかなというのは大いに不安材料としてある。前掛かりの競馬で対応できるか。L1はいつも甘くなっているし、明確なラップはないが恐らくL2で加速する競馬を身上としている感じなので、個人的には今の中京で3~4角下りからペースをコントロールできない競馬は合わないとみている。今の香港馬は思った以上に総合力タイプが多く、日本の1200のイメージに近いと思うが、それだけに逆に中京1200出もタフな馬場をスピードでねじ伏せるようなタイプではないと思う。そういう意味で馬券的妙味は薄いかなとみている。しかし不気味な存在には違いないだろう。
牝馬の凱旋門賞馬アーバンシーを母に持ち、半兄は現欧州最強種牡馬ガリレオ。超名血シーザスターズの血を受け継ぎ、底知れぬ可能性に溢れている。
デビューからここまで6戦では複勝率100%の堅実派。『派手さはないが崩れない』。その姿は、善戦を繰り返しながら最終的には凱旋門賞を制し、世界のトップを勝ち取ったアーバンシーを彷彿とさせる。
「能力は相当なもの。亡くなった平井豊光会長が、シーザスターズの子だからと買ってくれた馬。しっかりと育てたい」デビュー勝ち後、西園師が残した言葉は、実に印象的だった。
世界有数の血筋と、栄進堂ファミリーの大いなる野望。意欲の東上戦となる今回は、その"背負うものの違い"を魅せつける。
式別:三連複
方式:フォーメーション
1頭目:12
2頭目:2.6
3頭目:2.5.6.7.8.9.10
組み合わせ数11点
投資金額各100円
的中配当:3,590円 回収金額:3,590円
競馬情報サイトはいろいろ試してきましたが、、
see more info at 敗因分析のバイブル~競馬をやって何が悪い。