2015年6月17日水曜日

函館スプリントS 2015 出走予定馬:ティーハーフ、連勝で地力強化は確かで不気味な存在にはなった

2015 6/21(日) 函館スプリントS(GIII) 函館芝1200m
出走予定・登録馬一覧
函館スプリントS2015出走予定馬


 降級後1000万下で長らくくすぶっていたティーハーフが1000万下脱出、そして前走の彦根Sで連勝を飾り鮮やかに準OPも脱出、再オープン入りを果たした。3歳秋、古馬との闘いの中ではやや底を見せてしまうような伸びあぐねが目立ったが、5歳シーズンは安定してくると本来の持ち味である末脚の鋭さだけでなくある程度厳しい流れにも対応できるようになってきた。ここは勢いをもって挑めるとはいえ一度は跳ね返された古馬混合重賞路線。5歳になって力をつけてきた今、戦えるという結果を導き出せるか。


 千種川特別がこれまで持っていたこの馬のイメージとはちょっと違ったので、ちょっと怖い要素はみせてきたかなと感じる一頭。


 千種川特別は阪神芝内1200m戦、開催後半で例年通りAコース時に比べてある程度時計が出やすくなってはいた。ただペースバランスは33.2-35.4と2秒以上で阪神1200としては珍しく超ハイペースの部類。10.8 - 11.6 - 11.3 - 12.5と多少の淀みはあったがL1はかなり落としている。ポテンシャル面を問われたと言って良い中で五分に出て好位では追走して進めていく。3~4角で2列目の外に並びかける形で強気の競馬、そのまま持ったままで直線堂々と先頭に立つと、L1でも最後までしっかりとリードを維持してねじ伏せた。正直1000万下クラスではあるにせよ、このハイペースを追走して脚を残すだけの基礎スピードを持っていたとはこれまでからは考えにくかったので、相手関係はあるにせよこの一戦はこれまでにない要素を詰めてきたのかなという感想を強く持った。正直ペースとレース内容から4角では厳しくなるだろうと思ってみていた記憶があるので、この勝ちっぷりには驚かされた。


 前走の彦根Sはどちらかというとこれまでのこの馬の好走条件に当たるスロー気味からのトップスピード勝負になっていた。京都芝内1200m戦で34.9-34.1とスローペース、11.1 - 11.4 - 11.3 - 11.4と京都1200だがコーナーではそこまで速いラップではなくL1落としていない形で、外を回すロスはコーナー最速がハッキリしていない分だけ幾らか楽ではあったかなと。外枠から中団の外につける競馬。3~4角で前が少しコントロールした中で楽な手ごたえで外目から仕掛けを待ちつつ4角で外に出して中団で直線。序盤で外からスッと伸びてきて2列目画を交わす。L1で楽に抜け出しての完勝だった。京都1200で切れる脚を使えるプレイズエターナルを撃破してきたし、適性が合っていたのももちろんだが、現状5歳にして完成期に達したという見方が良いかなと感じる一頭である。


 今年は特に安定していて、岡崎特別でも厳しい流れで馬群の中から脚を使って直線入りで抜け出したところあをビッグアーサーに突き抜けられた。それでも最後まで伸びての3着以下は離しての2着、この時のビッグアーサーはかなり強敵だったわけで、最後は差されたにせよ33.5-35.1のハイペースで中団で脚を溜めたと言ってもこの時点でペース適性の幅を広げてきた千種川特別完勝の伏線的なレースだったといえる。


 個人的にはこれだけの材料をもってしてもやはりこのメンバー相手に互角以上にやれるかどうかはまだ未知数ではあると思う。ビッグアーサーは強敵だったしが千種川特別はレースレベル的には微妙。前走を見てもやはり本質的にはTS持続力面を活かしたい馬ではあると思うので、その点で函館の1200が適性的に合うのかどうかといわれると、このクラスでは懐疑的にならざるを得ない。ただ、一つだけ言えるのは昨年までなら間違いなく瞬時に消していただろうが、今年のこの馬だとやはり不気味ではある。特に基礎スピード面で幅を見せてきたという収穫は大きいし、函館1200だと3角で緩むケースが大きく取り付きやすい分だけ純然としたスプリント戦のイメージではなく少しスピードが足りない馬でも対応できるという点でこの馬への追い風的な部分もある。セイコーライコウとこのティーハーフは適性的に少し近いところがあるが、どちらもなかなか今回取捨を決めるのに難しい馬となりそう。特にこの馬の場合はセイコーライコウと違って近走の内容を良化させてここにきているというのも大きい。悩ましい1頭になるが、今の段階ではセイコーよりは上位に取りたい材料は多いかな。



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