レースは内枠から好発のセイントメモリーを制して外から紅一点のノットオーソリティがハナに立つと入りの3ハ35秒4と飛ばして逃げる。
逃げるノットオーソリティから1馬身半ほど離れた2番手に1番人気のソルテが上がり、2番手のソルテからやや離れた3~4番手はセイントメモリー・サトノタイガーの2頭が併走して進み、トーセンアドミラル・ジェネラルグラントの2頭が併走し5~6番手のポジションをキープ、グランディオーソは丁度中団の外目から追走、逃げるノットオーソリティが作る半マイル通過47秒7、1000M通過60秒フラットと云う流れに戸惑ったのか向う正面中程で逃げる事が叶わなかったセイントメモリーの手応えが悪くなり徐々に後退する中、ノットオーソリティの半馬身差まで迫ったソルテが3~4角で先頭を奪うと直線で後続とのリードを広げて独走状態となり、混戦の2着争いを尻目に8馬身差の圧勝でゴールした。
勝ったソルテは2番手待機から飛ばして逃げるノットオーソリティに早目に並び掛けてプレッシャーを与えて3~4角で競り落とす正攻法の競馬、直線では完全に他馬を突き放して8馬身差の圧勝は強いの一言。
惜敗続きだった昨年の京成盃GMの頃に比べてパワーアップしているのは当時より馬体重が20K近くも増加している事から明白で、前走の川崎マイラーズは2着に5馬身差で今回が2着に8馬身差とマイル戦に限れば現在の南関ではトップクラスの能力がある事を証明した。
ただ、時計のかかる馬場と云えども重馬場で勝ち時計の1分39秒5は少々平凡で、昨年の良馬場で行われた京成盃GMのソルテの走破時計が1分39秒4だった事を考えると不満が残り、今回は2着に8馬身をつけたが、これは他の実力馬が自分の能力を出せなかった、若しくは能力が衰えていたから成し得た話で、この着差を鵜呑みにして中央勢相手に勝ち負けが可能と断言は出来ない。
2着のトーセンアドミラルは5~6番手のポジションをキープ、ソルテが動いた向う正面で中々前との差を詰める事が叶わなかったが、逆にそれが幸いして自分のペースでレースを進める事が出来たイメージがあり、直線でジリジリと伸びてバテたノットオーソリティ・サトノタイガーらを交わすと追い縋るグランディオーソをクビ差凌いで2着を確保した。
決め手は無いが決してバテない脚を使える自身の特徴を活かしての好走だが、レースが動いた際に無理を避けて自分のペースでの競馬に徹したと云うのは悪し様に言えば勝ちに行く競馬をしなかったと云う事で、今年で8歳になったトーセンアドミラルの今回の走破時計の1分41秒1からやや凋落の気配を感じたが正直な感想。
3着のグランディオーソを中団の7~8番手から追走、ソルテが動いた向う正面中程では2着になったトーセンアドミラルの直後のポジションまで上がっていたのだが、3角手前で何故かポジションを下げてしまった事が結果的に致命傷、直線でジワジワと伸びてトーセンアドミラルに迫るもクビ及ばずの3着に敗れる、向う正面でポジションを下げたのはレース映像に映っていないので想像するしかないが、バテて下がったセイントメモリーを捌けなかった可能性が高く、あそこでスムーズに動けていれば勝つのは無理でも2着は充分有り得ただけに残念な結果。
また当日降った雨の影響でやや前残りの馬場傾向になった事も差す競馬をしたグランディオーソには痛かったが、とは云えどもこの馬も1分41秒台の走破時計には不満が残り、確かに今回は3着したが本来のこの馬のポテンシャルからすれば未だ完調手前の印象がある。
4着のポイントプラスは出脚がつかず後方からの競馬で道中は脚をタメる事に専念、向う正面中程からインを通って進出を開始、直線で馬込みを捌いてジワジワと伸びて4着に食い込み、自分の形の競馬が出来なくとも大崩れしなかった事にこの馬の成長を感じるが、正直今回は後方待機から着狙いに徹してハマっただけの話で、仮に自分本来の先行策を試みたとしても勝ち負けどころか掲示板すら危なかったはず。
5着のキスミープリンスは中団の7~8番手のインのポジションから追走も、レースが動いた向う正面中程でヤネがステッキを入れても反応が鈍くて前との差を中々詰める事が出来なかったが、インに張り付いて極力コースロスの無い競馬を試みて反応の鈍さを何とかカバーして追撃態勢に入るが、直線に入ると徐々に外へと進路を取り、その空いた進路を通ったポイントプラスにゴール前で差されてしまい5着に沈む。
前走のような相手が弱いマイルのOP特別では通用したが、相手が揃ったマイルの重賞ではスピード不足で勝ち負けするのは厳しい。
2番人気のセイントメモリーはハナへ行けずインの3~4番手からの競馬も、向う正面で手応えが怪しくなり3角手前で後退して12着と惨敗。
確かに普段は攻め馬駆けするセイントメモリーからすると今回の調教時計は平凡で状態が万全でなかったのかも知れないが、最近は走ってみないと結果がどうなるか判らないタイプになってしまったイメージが強く、特に以前は良績を残していた左回りで凡走が続いている事から大井以外では評価を割り引くのが正解かも知れない。
see more info at 南関診断士の南関競馬徒然草