続いて目黒記念の回顧だね。
ヒットザターゲットはジックリ構えて中団から。1番枠を利してインでロスなく運べていたし、ペースが遅かった分、他の馬は早めに動いていたのに対して、この馬は3~4コーナーでも仕掛けを我慢。直線でも前が開くまで追い出しを待っていたくらいで、ロスらしいロスが全くなかったからね。逆に少しでもロスがあったら狭いスペースに割って入れなかったかも。そういう意味では小牧の好騎乗によるところが大きかったんじゃないかな。元々これぐらい走って不思議のない馬ではあるけど、今回はGⅡといっても相手関係が随分楽だったから…。骨っぽい馬が揃うようだと心許ないし、ましてやGⅠのメンバーに入るとさすがにキツイだろう。
レコンダイトは、ヒットザターゲットよりも1列前の位置取りで、4コーナー手前から早めに動いている。直線で抜け出すタイミングが早かった感じはあるけど、着差が着差(1馬身4分の1)だからね。もっとジックリ乗っていたとしても、結果は変わらなかったかもしれないなぁ。スローペースにもピッタリと折り合っていたし、普通なら勝っている競馬。それでいていい脚があまり長く使えなかったあたり、この距離も微妙に長いのかも。調教でも走りにいくらか硬さがあったから、過去の成績が示す通りで、ベストは千八~二千くらいだろう。
ファタモルガーナは好位で流れに乗れていたし、早め早めに動く自分の競馬ができている。インコースでロスなく運んだ上位2頭に対して外を回るロスがあったとはいえ、器用さに欠けるタイプだからノビノビ走れた分、却って良かったと思うよ。それでいて勝ち切れないあたりに物足りなさは感じるけど、今回は3ヵ月半の休み明けだったからね。速い時計で駆けた反動が出なければ、次はもっと頑張れるんじゃないかな。
メイショウカドマツは1~2コーナーで早々と単騎逃げに持ち込めたし、道中もうまくペースを落とせたんだけど、3~4コーナーで後続に早めに来られたのが痛かったね。来られる前に自分から早めに動いていたら、後続も仕掛けを我慢してくれていたかも。でも、東京は最後の直線が長いだけに、無理をすれば自分が苦しくなってしまうから…。まぁ、並ばれながらも一旦は突き放しそうな格好はしていたし、交わされてからも最後までしぶとく粘っている。展開次第では重賞でも十分チャンスはあると思うよ。
ダービーフィズはテンからモタモタしていたし、後方でレースの流れに乗り切れなかったね。ペースがペースだけに、あの位置取りだとさすがに苦しいよ。前向きさに欠ける感じで、次も走りがガラッと変わるとは思えない。ペースが速くなる短いところを使って馬に刺激を与えるなり、何かしら工夫しないことにはキツいんじゃないかな。
トウシンモンステラは、道中はヒットザターゲットと同じような位置取りで、4コーナーでは持ったままで上がって行けていたほど。直線でも前がガラッと開いてくれたし、少しでもピリッとした脚を使えれば勝負になっていたはずなんだけど、追い出してからモタついてジワジワ脚を使って程度で終わってしまったから…。オープンに上がってからの前2走がワンパンチ足りない走りだったし、現状ではこんなものなのかもしれないね。
アドマイヤスピカもヒットザターゲットと同じような位置取りで、直線でもヒットの横で前が開くのを待っていたほど。それなのに、この馬も追ってからがイマイチだったし、最後は突き放されてしまったからなぁ。休み明けにしても物足りない走りで、溜めるだけ溜めても切れる脚は使えないのかも。決め手不足をカバーするためにも、多少無理をしてでも早め早めに動いた方がいいんじゃないかな。
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