アイビスサマーダッシュ過去10年の血統データ
まず、見渡してもらってもわかるように、この重賞は異質と言ってよくサンデー系がかなり弱い。少なくとも府警に置いて過去10年で馬券に絡んだのがフジキセキ産駒のアルティマトゥーレだけ、それも2番人気3着である。
最近は母系でサンデー系という馬も増えてはきたがそれでも少数派であるといえる。
じゃあどの系統がシェアをとっているかというと、ナスルーラ系、ミスプロ系、フレンチ系、インリアリティ系といったところになる。特に成すルーラ系の相性が良く、サクラバクシンオーをはじめとしてサクラユタカオー、パラダイスクリーク、Peaks and Valleysといった幅広いところからも結果が出ているのは大きい。一方トニービン系は微妙なので底は注意。
次にミスプロ系だが、基本的に何でも関係なく来ているがアフリートが強い。11番人気3着のアポロフェニックスの父、7番人気1着サチノスイーティーの母父でもある。ミスプロ系は父母父に関わらず勝ち切る馬に結構絡んでいることが多く、10頭中7頭のいずれかがミスプロ系である。アイビスサマーダッシュだけでなく新潟1000はミスプロ系が強いコースではあるのでこれは覚えておきたい。
ノーザン系に関して、これも比較的万遍なくと言いたいところだが、それでも近年はやっぱり平均~スローのスプリント戦に強い馬を多く出すデピュティ系、ストームバード系が目立つ。特に昨年は上位が全て父系ノーザン系であり、クロフネ、ヨハネス、クロフネとわかりやすい上位3頭になった。一昔前ではメジロダーリングの最初期ではダンジグ系が強かったし、ニジンスキー系も相性が良かった。覚醒前のサンアディユが大穴をあけているがこれもフレンチ。ノーザン系がこのレース穴をあけることが多いので要注意。特に2桁人気で見ると過去2度出しているのが母父カーリアンだし、昨年のフクノドリームをはじめノーザン系同士の配合で穴をあけることもしばしばある。中でもシンボリグラン、サンアディユと2桁人気で連対しているわけで、血統的には最大限の注意が必要。イメージ的にはデピュティ、ストームバード・キャット、ダンジグ、ニジンスキー系が面白い、近年は特にデピュティ、ストームに注目したいというところ。
このレース特有なのがインリアリティ系がこれらに伍するほどに強いこと。 過去では日本で一番認知されているだろうマンノウォー系のウォーニング産駒カルストンライトオとかがいたが、近年ではリトルゲルダ(父Closing Argument)、マルブツイースター(母父ウォーニング)、アポロドルチェ(父officer)といった穴馬を好走させている。この系統にも注意したい。
今回人気のないところで血統的に注目したい馬、まずはエーシントップ。父テイルオブザキャットはストームキャット系、母父にはアンブライドルズソングとミスプロ系。スピード色がある中でもフラットで後半勝負で強いタイプ。実際京王杯2歳Sを勝っている馬なのでトップスピードを維持する競馬は合っているはず。逃げに拘っているがペースをコントロールできれば不気味さはある。
次にレンイングランド。父はクロフネでデピュティ系、母父は言うまでもないサクラバクシンオー。新潟1000の相性がいい父母父でシンザン記念でもスローバランスでやれているというのは不気味さはあり。絶対的なスピード面で不安はあるが、クロフネの仔だしペースバランスが楽な時に後半勝負で脚を引き出す可能性はあるので注意は必要か。
最後にベルカント。父サクラバクシンオーは言うまでもないとして、母父もボストンハーバーでナスルーラ系同士の配合となる。ただ過去10年ナスルーラ系は強いと言ってもナスルーラ系同士の配合はノーザン同士と違って例がない。この辺りがどう転ぶかだろう。ベルカント自身は単調なスピードタイプというわけではないが、軽い馬場の1000となると位置取りで苦労する感もあるのでこの辺りがどうなるかだろう。血統的には興味深い一頭。
最終週で阪神競馬関係者たちの動きが活発化。
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