2015年7月30日木曜日

サンタアニタトロフィーを振り返る

レースは内枠を利してトーセンアドミラルがハナを主張、それをマークするようにダントツ人気のソルテが2番手、セイントメモリーが3番手につけて南関転入初戦のケイアイレオーネがインの4番手をキープする。
逃げるトーセンアドミラルがいったんペースを落とそうとした2ハ過ぎにソルテが馬体を併せてプレッシャーをかけに行った事で半マイル通過48秒7、1000M通過60秒5と云う流れになる、終始ソルテからプレッシャーをかけられていたトーセンアドミラルは4角で早々と脚色に余裕が無くなり、手応え充分のソルテが先頭に立ち直線へ、ソルテをマークする形で競馬をしていたケイアイレオーネが2番手に上がり追撃を開始したが、差が縮まるどころか徐々に開き出す始末、最終的にソルテは1番人気に応えて2着のケイアイレオーネに2馬身半差をつけゴール。

勝ったソルテは2番手から逃るトーセンアドミラルをピタリとマーク、3~4角でアッサリと競り落として先頭に立つと直線では後続の追撃を封じて1分38秒8の好時計での完勝、川崎マイラーズ・京成盃GMの2重賞を含む4連勝を達成、2番手追走と云えども終始レースを支配した上、38秒3の脚を使い上っているのだから後ろの馬が届く訳がなく、まさしく現状南関のマイル路線では敵無しの絶対王者と思える完璧なレース内容、昨年のサンタアニタTの惨敗から夏に弱いタイプではないかと評価を割り引いたが、これは全くの杞憂に終わった。

2着のケイアイレオーネはスタート直後にヤネが気合をつけるとガツンとカカリながら4番手まで上がるなどレース序盤は折り合いに苦しみながらの追走も、今回騎乗した的場文男はこう云うタイプの馬に乗らせれば天下一品の乗り役だけに徐々に折り合わせる事に成功、3~4角で前を行くソルテを目標にしてポジションを上げると直線ではソルテの外へと持ち出して追撃を開始したが、前半折り合いを欠いた影響もあってか最後はジリジリとしか伸びず、ソルテに並び掛けるどころか外から迫るカキツバタロイヤルを何とか封じて2着を確保しただけに終わる。
6月26日の調試当時の馬体重が575Kで、その後小林の坂路とコースを併用しながら7本も時計を出していながら今回576Kでの出走と調試の時より馬体が絞れるどころかこの暑い時期にも関わらず1Kと云えども増えており、直線で伸びあぐねたのは折り合いを欠いただけでなく久々となる実戦のハンデと太目残りでの出走が影響した印象で、確かに勝利する事は叶わなかったにせよ、様々なハンデがありながら他馬に2着を譲らなかったのはこの馬の地力の賜物と思える。

3着のカキツバタロイヤルは中団の7~8番手のインに張り付きジッとガマンを決め込み、3~4角でスルスルとインを通ってポジションを上げた時はオッと目を見張ったのだが、直線に入ると前が開いているにも関わらず何故かケイアイレオーネの外へと持ち出してしまい、そのロスが影響してケイアイレオーネに半馬身及ばずの3着に敗れた印象。
如何に3~4角の手応えが抜群でもハンデ56.5Kを背負わされた9歳馬だけに極力ロスの無い競馬を最後まで心掛けるべきだったのだが、余裕を持ち直線で外へ持ち出したヤネのボーンヘッドで2着を逸しただけに何とも残念だが、カキツバタロイヤル自身は戦前に指摘した様に9歳馬ながら再び旬を迎えて元気一杯。

4着のフォーティファイドは道中シンガリ待機から直線勝負に賭け、37秒6のレース最速の上がりをマークして4位入線に成功した。
まぁ、マイル戦のスピードに対応出来ずシンガリ待機から着拾いの競馬がハマっただけの話だが、それでも昨年のサンタアニタTよりコンマ5K貰いのハンデと云えども昨年の走破時計をコンマ1秒詰めている事は10歳と云う年齢と昨年より順調さを欠くステップで臨んだ事を考えれば立派だし、自身の適距離となる2000M前後のレースならばそれなりの見せ場を作るだけの能力はまだありそう。

5着のグランディオーソは道中3着のカキツバタロイヤルと同じような中団のポジションで競馬をしながら、3~4角でスルスルとポジションを上げたカキツバタロイヤルに対してグランディオーソはステッキと入れても反応が鈍く置かれてしまい、直線に入ってヤネが必死に追ってもジリジリとしか伸びず、後ろから来たフォーティファイドにゴール前で交わされてしまうなど昨年のサンタアニタTやマイルGPで見せた豪脚の欠片も見れないレース振りから4月の復帰戦から状態の良化が遅々として進まず、得意のマイル戦でこの体たらくでは完全に自分のリズムを崩している印象が強く、このままレースを使い続けても先が見えない。

軸にしたセイントメモリーは道中の行きっぷりで勝ち負けがハッキリ判るタイプ、控えても抑え切れない手応えで先行すれば間違いなく勝利するが、今回のサンタアニタTのように妙に折り合って先行している時は馬券にならないタイプで、向う正面で早くもこりゃダメだと諦めたほど、案の定14着とブービー負けに終わる。

今回のサンタアニタTは評価を割り引いたソルテとノーマークにしたケイアイレオーネのワンツー決着じゃあ逆立ちしても的中する訳もない。
まぁ、ここまでキレイに馬券がハズレると悔しいと云うより却って清々しくて諦めがついて引きずらずに済む、来週も南関の重賞は無いので一息入れて立て直せるように頑張りたい。


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