2015年7月1日水曜日

第19回スパーキングレディーカップ②

では出走馬の評価をしていこう。

1枠1番ナスタイザン
中央では芝のレースだけを使い11戦未勝利で昨秋に南関へと移籍、転入初戦のロジータ記念TR・サルビアCでは中団のポジションからジワジワと伸びて4着と云うまぁまぁの結果を残したが、その後は出ると惨敗の繰り返しで未だに勝利を挙げる事は叶わない馬がダートGに挑戦とは笑止千万、当然ながら今回の馬場掃除の有力候補。


2枠2番トロワボヌール
昨年の2月からダートの左回りに限れば【5・4・0・0】とJBCレディスクラシック2着や前走のオトコ馬が相手だった前走のさきたま杯2着がありながら連対率は10割を誇るサウスポーで、場所は異なると云えども前々走で距離1600で斤量56と云う同じ条件のマリーンCでサンビスタに完敗している事から逆転は厳しい印象、とは云えどもサンビスタ以外の馬が相手ならば近走実績からも互角以上の評価が相応しい。

3枠3番サウンドガガ
昨年のスパーキングレディーではそれまで挙げた6勝が全て1200で距離実績も無く、新潟で出走しているが直線のみの1000Mで実質左回りが初めてと云うハンデがあったにも関わらず、大外枠から果敢にハナを主張、レースの主導権を握り他馬を翻弄し逃げ切った。
その後は中々勝てない競馬が続いたが、守備範囲外の距離1800のレディスプレリュードを除けば勝ち馬との着差は何れも1秒以内で、前走の京都のOP特別で逃げ切ったように自分のペースで競馬をした際の渋太さは健在、ベストは1200~1400の短距離なのは確かとしても、現実に昨年のこのレースを勝利しているだけに自分のペースで競馬をすれば1600Mならばギリギリこなすだけの力はあるはず、またハナに拘るタイプではないが昨年のこのレースを逃げ切っているだけに当初登録していた同型のノットオーソリティがこのレースを回避して単騎逃げを打てる面子になったのは大きいだろう。

4枠4番タッチデュール
今年のしらさぎ賞で5着した実績からも今の南関所属の牝馬が相手ならソコソコ頑張れるだけの能力はあるが、今回は牝馬限定と云えども中央所属馬が相手となるし、先週の帝王賞11着から無茶と思える連闘策では通用するとは思えない。


5枠5番クロスオーバー
昨年の佐賀のロータスクラウン勝ちを最後にその後は出れば惨敗の繰り返しと完全にアタマ打ちの近況、3歳当時は逃げ・先行で良績があった馬だが、近走はまったく前に行けなくなってしまい、今回もおそらく追走で手一杯になるはずで軽視が妥当。

5枠6番メイショウマンボ
GⅠ3勝の実績はこの中でもひときわ群を抜いて優秀だが、3勝全てが芝のGⅠレースではダート戦では全く参考にならず、今回人気のサンビスタと同じスズカマンボ産駒だけに血統的にダートがOKと云う話もあるだろうが、血統云々でダートが大丈夫と断言出来ないのは先日の関東オークスのアルビアーノが凡走した事例からも明白、初ダートに加えて斤量58を背負わされる条件は決して楽ではないだけに、芝のGⅠ3勝の実績は百も承知だが敢えて無視するのが正解だろう。


6枠7番サンビスタ
前走のかしわ記念はオトコ馬との斤量差があってもワンダーアキュート・ベストウォーリアなどのGⅠホースが相手だっただけに5着と云う結果は仕方ない、場所は違えど牝馬限定で距離1600に斤量58の条件は圧勝した前々走のマリーンCと同じモノ、川崎コースは本格化前だが14年のエンプレス杯でワイルドフラッパーの3着の実績があり問題は感じないだけに女帝としては負けられない1戦だろう。

6枠8番ピッチシフター
元々、道営在厩の2歳時にエーデルワイス賞で2着した素質馬だったが、東海に転入後も昨年のかきつばた記念で勝ち馬からコンマ7秒差4着、佐賀・サマーチャンピオンでは軽量51と云えどもガンジスなどの中央勢を抑えてエーシンビートロンの2着、今年のかきつばた記念でもコーリンベリーの4着と地方所属馬で最先着するなど強敵相手の短距離レースで抜群の存在感を示している東海のナンバーワン牝馬。
距離1400のかきつばた記念やサマーチャンピオンの成績から短距離ベストのイメージがあり、今回の1600Mはベストよりもやや長い距離の印象があるのは確かだが、過去の1600Mの距離実績は【2・1・0・0】と相手が弱いと云えどもこれまで連対を外しておらず、レースの流れ次第ではこなす可能があるだけに一概に軽視は出来ない。


9番トーセンベニザクラ
中央所属時は3歳1月のフェアリーSを勝利したが中央時代にダートを使ったのはわずか1回だけで、しかもその時はシンガリ負けを喫しており、転入初戦の4回大井・隅田川OPでもシンガリ負けとダート適性に疑問と思っていただけにしらさぎ賞3着には正直驚いた。
しらさぎ賞時に着用したブリンカーが奏功してガラリ一変の好走で、ダート適性が無いと判断したのは早計だった模様で、このままダート競馬に慣れれば南関の牝馬相手の重賞ならばソコソコ頑張っても不思議ではないが、あくまでレベルの低い南関牝馬路線での話で、現実に中央・南関の一線級のオトコ馬が相手だった前走のさきたま杯では中身の乏しいレース内容で6着と敗れており、ここも牝馬限定と云えどもダート巧者の中央牝馬が相手だけに厳しいと考えるのが自然。

7枠10番シャークファング
昨年の桜花賞は強敵のノットオーソリティが外傷で競走除外と云う部分に恵まれたにせよ逃げ切ってタイトルを手中にしたがこれがシャークファングのピーク、その後は気性の難しい馬だけに出れば惨敗の繰り返しで完全に迷走中、桜花賞以降の浮上する可能性を全く感じないレース振りから今回も苦戦は必至で見送りが正解。

8枠11番ショウナンガラシャ
中央で7戦して未勝利のまま3歳の7月に南関へ移籍、下の条件を使いながら徐々にダートにも慣れて結果を残すようになりB1まで出世、3回浦和・ティアラCでクラカルメンのクビ差2着と云う成績から南関牝馬限定の重賞ならば相手関係や斤量次第では通用する可能性があるかも知れないが、やはり中央勢が相手の今回は厳しい印象は否めず、今後に向けての試金石の一戦と捉えるべき。


8枠12番カイカヨソウ
2~3歳時にかけて好位追走から早目に先頭に立つ競馬で重賞で6勝を挙げるなど牝馬路線のトップとして活躍していたが、元々決め手があるタイプではないだけに古馬になってからのゲート難が影響して自身の必勝パターンの競馬が出来ず完全に伸び悩んでおり、南関限定の牝馬重賞でも勝てない今のカイカヨソウが中央勢が相手の競馬で勝ち負け出来るとは思えない。



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