2015年7月6日月曜日

ジャパンダートダービーの枠順を見て

今年で17回目を迎えるJDD、第1回JDDはオリオンザサンクスとオペラハットの南関所属馬のワンツー、第2回は羽田盃馬イエローパワーが2着、第3回もトーシンブリザートとメイショウアームの南関所属馬のワンツー決着と当初は中央所属馬と南関所属馬は互角に渡り合っていたが、その後は第9回でフリオーソとアンパサンドの南関ワンツーや第12回で6番人気の伏兵マグニフィカが逃げ切るなど単発で南関所属馬が活躍する年はあるが、昨年は地方期待のハッピースプリントが敗れるなど近年は地方所属馬が完全に中央所属馬に押されている現状。

まぁ、JDDの初期に南関所属馬勢が優勢だったのは、昭和の時代からあった中央と地方の古馬に於ける交流レースの歴史は古くとも、中央所属の3歳馬が出走可能な交流重賞となると96年に新設されたスーパーダートダービー、この年から施行場所を従来の水沢から盛岡に変更して中央所属の3歳馬が出走可能となったダービーGP、同じく96年から従来の東海ダービーから名称を変更して中央所属の3歳馬に門戸を広げた名古屋優駿の3つしかなく、JDDは創設された99年前後はまだ黎明期で、中央所属の3歳馬のダート路線が整備されておらず、芝路線を捨ててダート路線へ挑戦する馬が現在に比べて少ない事から南関勢が中央勢を抑えていたが、その後は3歳ダート路線が整備された事もあり、中央からダート適性の高い馬が次々と挑戦するようになり地方所属馬の劣勢が続いているのだろう。

以下は第1回から昨年までのJDD出走馬を所属別にしたもの。

第1回 南関所属
   羽田盃・東京ダービー馬オリオンザサンクス
   東京王冠賞馬オペラハット
   羽田盃3着・雲取賞馬サマーシャドウなど9頭
   東海所属
   駿蹄賞馬ボナンザーローマンなど2頭
   新潟所属
   新潟ダービー馬ハイテンションパル
第2回 南関所属
   羽田盃馬イエローパワー
   東京王冠賞馬アローウィナーなど8頭
   東海所属
   兵庫CS馬ミツアキサイレンス
   名古屋優駿3着ブラウンシャトレー
   道営所属
   兵庫CS2着・北海道2歳優駿馬タキノスペシャル
第3回 南関所属
   南関東三冠馬トーシンブリザードなど5頭
   佐賀所属
   荒尾ダービー馬・栄城賞3着マキノヒット
   東海所属
   名古屋優駿5着ヒルノホンコン
第4回 南関所属
   羽田盃馬プリンシパルリバー
   東京ダービー2着ジェネスアリダー
   桜花賞馬ラヴァリーフリッグ
   東京プリンセス賞馬サルサクイーンなど9頭
第5回 南関所属
   羽田・東京ダービー馬ナイキアディライト
   羽田・東海ダービー2着ナイキゲルマンなど6頭
   東海所属
   中京盃馬・名古屋優駿10着ボナンザーメモリー
   岩手所属
   東北優駿馬ベルノネ
第6回 南関所属
   東京ダービー馬アジュディミツオー
   羽田盃馬トキノコジローなど7頭
   東海所属
   名古屋優駿馬タカラアジュディ
   北関東所属
   北関東ダービー馬 フジエスミリオーネ
第7回 南関所属
   南関二冠馬シーチャリオットは故障で出走不可能も
   羽田・東京ダービー2着メイプルエイト
   羽田・東京ダービー3着マズルブラスト
   クラウンC馬ブラウンコマンダーなど6頭
   東海所属
   東海ダービー馬セントレアリキ
   東海ダービー2着スコッツデール
第8回 南関所属
   羽田盃馬・東京ダービー3着サンキューウィンなど5頭
   岩手所属
   ダイヤモンド賞馬オウシュウクラウン
   東海所属
   東海ダービー馬ホウライミサイル
   道営所属
   北斗盃馬フジノダイヒット
   兵庫所属
   園田ユースC馬・兵庫ダービー3着ウインドファンタジ
   佐賀所属
   荒尾ダービー馬・栄城賞3着スターオブジャパン
第9回 南関所属
   東京ダービー馬アンパサンド
   全日本2歳優駿馬・東京ダービー2着フリオーソ
   羽田盃馬トップサバトンなど5頭
   東海所属
   東海ダービー馬マルヨフェニックス
   駿蹄賞馬ワイティタッチなど3頭
   兵庫所属
   兵庫ダービー馬ユキノアラシ
   道営所属
   北海優駿馬ブルータブー
第10回 南関所属
   東京ダービー馬ドリームスカイ
   クラウンC馬・東京ダービー2着モエレラッキー
   東京湾C馬ギャンブルオンミーなど4頭
   盛岡所属
   ダイヤモンドC2着モエレハナオー
   兵庫所属
   兵庫ダービー馬バンバンバンク
   東海所属
   東海ダービー馬ヒシウォーシイ
   東海ダービー2着ノゾミカイザー
   佐賀所属
   栄城賞2着フサイチサガントス
   荒尾ダービー馬ミトノコウモンダ
第11回 南関所属
   東京ダービー馬サイレントスタメン
   鎌倉記念2着ロマ
   佐賀所属
   栄城賞4着キタサンアースなど2頭
   東海所属
   東海ダービー馬ダイナマイトボディ
   東海ダービー2着トウホクビジン
   道営所属
   北海優駿馬・北斗盃2着アラベスクシーズ
第12回 南関所属
   東京湾C馬・東京ダービー3着マグニフィカ
   東京ダービー2着ガナール
   雲取賞2着ドラゴンキラリ
   東京湾C14着ネオアサティス
   東海所属
   東海ダービー馬エレーヌ
   岩手所属
   ダイヤモンドC馬ロックハンドスター
第13回 南関所属
   羽田盃・東京ダービー馬クラーベセクレタ
   鎌倉記念馬・東京ダービー3着キスミープリンス
   東京プリンセス賞馬マニエリスムなど6頭
   岩手所属
   ダイヤモンドC馬ベストマイヒーロー
   ダイヤモンドC2着スパルタン
   東海所属
   東海ダービー馬アムロ
   駿蹄賞馬ミサキティンバー
第14回 南関所属
   東京ダービー馬プレティオラス
   羽田盃馬アートサハラ
   ローレル賞13着ロニーフロラシオン
   東海所属
   東海ダービー馬マイネルセグメント
   金沢所属
   北日本新聞杯馬・東海ダービー5着アルドラ
第15回 南関所属
   東京ダービー馬インサイドザパーク
   羽田盃馬アウトジェネラル
   京浜盃馬ジェネラルグラント
   ニューイヤーC馬・羽田盃2着ソルテなど6頭
   高知所属
   高知優駿馬アラマサシャープ
   兵庫所属
   兵庫ダービー馬ユメノアトサキ
   佐賀所属
   栄城賞馬ダイリングローバル
   道営所属
   北海優駿馬ミータロー
第16回 南関所属
   羽田・東京ダービー馬ハッピースプリント
   雲取賞馬・羽田盃2着ドバイエキスプレス
   クラウンC馬ワタリキングオー
   東京ダービー15着エスティドゥーラ
   高知所属
   栄城賞馬オールラウンド
   兵庫所属
   兵庫ダービー馬トーコーガイア
   金沢所属
   東海ダービー馬ケージーキンカメ

上記を見れば判るように近年はレベルが向上した中央所属馬に対して南関所属馬がJDDを避ける事でダートGに出走するのが相応しいか甚だ疑問なロニーフロラシオンやエスティドゥーラと云った重賞実績が無い馬がアタマ数を埋めるために借り出されるケースが目立つ。
今年のJDDは南関から羽田盃馬ステゥディウムと東京ダービー馬ラッキープリンス、東京ダービー2着のパーティメーカーの3頭しか出走していないが、重賞実績が皆無な員数合わせの馬を出走させるくらいならアタマ数は少なくとも不満は感じず充分と云うのが私の本音。

06年に始まったダービーWeekは今年で早くも10年目を迎えた。
本来のダービーWeekの主旨とは各地区で施行されるダービーをJDDに繋がる競走とする事で、価値を高めて夢のある競走に育てると云うモノで各地区のダービーの勝者はJDDへの優先出走権を手にするはずだが、ダービーWeekが始まった06年から今年までの地区別のJDDの出走は以下の通り。

道営06年のみ北斗盃、07年以降は北海優駿
06年フジノダイヒット 枠順確定後に疾病のため出走取消
07年ブルータブー7着
08年ボク JDD不出走
09年アラベスクシーズ10着
10年クラキンコ・11年ピエールタイガー・12年ニシノファイター
は何れもJDD不出走
13年ミータロー12着
14年ヤマノミラクルJDD不出走
15年フジノサムライJDD出走

岩手
06年オウシュウクラウン3着
07年セイントセーリング・08年ゴールデンクリーク・09年マヨノエンゼル
は何れもJDD不出走
10年ロックハンドスター9着
11年ベストマイヒーロー12着
12年アスペクト・13年ウイゼロワン・14年ライズライン
15年ロールボヌールは何れもJDD不出走

南関
06年ビービートルネードJDD不出走
07年アンパサンド2着
08年ドリームスカイ4着
09年サイレントスタメン7着
10年マカニビスティー中央へ再転入したため規定で出走出来ず
11年クラーベセクレタ3着ものちに薬物反応が出て失格
12年プレティオラス6着
13年インサイドザパーク4着
14年ハッピースプリント2着
15年ラッキープリンスJDD出走

東海
06年ホウライミサイル8着
07年マルヨフェニックス12着
08年ヒシウォーシイ10着
09年ダイナマイトボディ12着
10年エレーヌ6着
11年アムロ11着
12年マイネルセグメント10着
13年ウォータープライドJDD不出走
14年ケージーキンカメ11着
15年バズーカJDD不出走

兵庫
06年チャンストウライJDD不出走
07年ユキノアラシ11着
08年バンバンバンク9着
09年カラテチョップ・10年ハイパーフォルテ
11年オオエライジン・12年メイレディ
は何れもJDD不出走
13年ユメノアトサキ16着
14年トーコーガイア10着
15年インディウムJDD出走

九州
栄城賞馬でJDDに出走したのは
13年ダイリングローバル14着
14年オールラウンド8着の2頭のみ
今年の栄城賞馬キングプライドもJDD不出走

南関の東京ダービー馬のJDD出走率が高いのは地元だけに当然としても、JDDに繋がるとの謳い文句を並べたダービーWeekだが、10年経過しても6地区で行われたダービー馬が全てが揃った事はこれまで一度も無いのが実情で、ダービーWeek中の売上も各地区でバラついており、このイベントが売上増に寄与した印象は乏しいと云うのが10年経過したダービーWeekへの嘘偽りの無い感想だ。


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