2015年8月17日月曜日

ジェベルムーサの強さばかりが目立った

ジェベルムーサは、序盤は後方でジッとしていたんだけど、向正面から動いた時が抜群の行きっぷりだったね。4コーナーで先頭に並び掛けてから抜け出すまでも早かったように、並の馬なら最後は交わされているケース。道中であれだけ脚を使っても押し切るんだから、着差以上の完勝と言っていいんじゃないかな。この馬の強さばかりが目立ったけど、一気にマクる極端な戦法が毎回毎回決まるほど競馬は甘くないから…。もっと前で競馬をする自在性が欲しいところで、まだまだ楽観はできない。今後に課題が残ったのも確かだよ。

グレープブランデーは、周りが動き出した3~4コーナーで一緒に上がって行けなかったのが痛かった。ルメールのゴーサインに2~3テンポ遅れてから反応している感じで、もう1テンポでも早く動ければ良かったんだけどなぁ。ワンペースの走りで器用さに欠けるぶん、小回りの札幌コース、ペースの緩急にうまく対応できないんだろうね。まぁ、小回りを意識してか3~4番手で位置取り良く運べていたし、ルメールがうまく工夫して乗っている。直線でエンジンが掛かってからの伸びも良かったように、この馬とすれば最高の競馬ができていたんじゃないかな。だいぶ安定してきたことからも、一時期のスランプからは脱した感じだけに、順調ならどこかでチャンスがあるでしょう。

エーシンモアオバーは、積極的にハナを切ってからも、マイペースの単騎逃げに持ち込めている。ジェベルムーサには早めに来られた反面、道中で2~3番手の馬に絡まれずに、自分の形に持ち込めたのが良かったんだろうね。展開に助けられた感はあるにせよ、9歳馬でこれだけ走れれば上等だと思うよ。時計勝負だと分が悪そうだけど、先行力、簡単にバテないしぶとさがあれば、地方交流重賞なら出番があるはず。条件次第ではまだまだ頑張れるんじゃないかな。

クリノスターオーは、3走前(アンタレスS1着)にブリンカーを着けてからは乗り役に対して従順になったのに、今回はテンからモタモタしていたね。3~4コーナーの勝負所でズブさを出していたように、イマイチだった頃のこの馬に戻ってしまったなぁ。最後もバッタリ止まっていなかったあたり、馬がトボけて加減しながら走っているのかも。ブリンカーに慣れてしまったのかもしれないね。体調の良さを生かし切れないまま終わってしまったよ。

ソロルは、中団からジックリ行って、終いもこの馬なりに伸びていたんだけどね。3~4コーナーで(吉田)隼人の手がいきなり激しく動いていたように、他馬と一緒に上がって行けなかったのが痛かった。去年のマーチSを勝っているとはいえ、そこから1年以上も勝てなかったほど。そこまで力がある馬ではなさそうで、重賞に入るとワンパンチ足りないんじゃないかな。

マイネルバイカは、ゲートの出がイマイチで、後手を踏んだことに尽きる。前々から粘り込む自分の形に持ち込めなかったからね。切れる脚を使えるクチじゃないだけに、後ろからの競馬になったら苦しい。調教の動きからしてデキは良さそうだっただけに、ちょっと残念な競馬になってしまったよ。

カチューシャは、中団でゆったりと走れていたんだけど、4コーナー手前では早くもアラアラ。返し馬の時点で硬い走りでフットワークに伸びがなかったし、調教の動きの良さが見られなかったからなぁ。調教の段階でピークを迎えて、当日はデキが落ちていたのかも。おそらく体調面の問題だろう。


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