2015 9/27(日) オールカマー(GII) 中山芝外2200m
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ハープスター旋風の中で春は沈黙も秋華賞で一矢を報い台頭してきたのがショウナンパンドラだ。春のクラシック路線ではなかなか賞金も積めず、権利も取れずで出走まで漕ぎつくことができず。しかし秋ではまず紫苑Sで権利を確保し、ようやく秋華賞で秘めたポテンシャルを引き出し切った。古馬になってからはイマイチ結果が出なかったが前走宝塚記念で強敵相手に3着と健闘。同期のライバルであるヌーヴォレコルトらを相手に真価が問われる一戦だ。
この馬はちょっと掴みづらいところはあるんだけど、トップスピード戦でもトップスピードの質、持続力ともに高いレベル、そしてポテンシャル戦でも高いレベルにある。が、ヌーヴォレコルトを比較してみた時にトップスピード戦だとヌーヴォは総合力で序盤に優位に立てる分不利に、ポテンシャル戦だと純粋にヌーヴォの方がパフォーマンスは高いかなという感じ。
まずは秋華賞勝ちから振り返る。この時の京都は異常な超高速馬場で菊花賞で超絶レコードが出ているようにこのレースの1:57.0という時計そのものも馬場の影響が非常に大きい。ペースバランスは58.0-59.0とややハイ程度、11.7 - 12.2 - 11.5 - 11.7 - 11.8 - 11.8と向う正面でちょっと緩んだかなというぐらいでL4で11.5と最速、そこからは緩やかに減速しつつも下がり切らないポテンシャル勝負だ。スタートはまずまず、底からの二の足が憑かずに中団のうちに入り込むという形で上手くポジションを取れた。道中は58秒のペースで字面で見るとかなり速いが、馬場で補正するとややハイ程度。その中で中団の位置も単独で進めていく形で3角。3~4角で前のブランネージュが外に行ったことで前の加速スペースが出来上がり、それをもろに享受して2列目に押し上げて直線。序盤でそこからスペースを突いて一瞬鋭く伸びて前に出切った。L1でそれでも追い詰めるヌーヴォレコルトを振りきっての勝利。まあこのラップ推移で4角で外から動く形になったヌーヴォレコルトと最内でぴったり回ったこちら、勝利は収めたもののヌーヴォレコルトの強さを印象付ける競馬にはなっている。流れる競馬で同じような位置となるとまだヌーヴォレコルトの方が強かったかなという感じはある。もちろん立ち回り一つで逆転できる差まで詰めてきたのは間違いないが。
エリザベス女王杯では逆にスローにコントロールされたこと、そしてヌーヴォレコルトが総合力を活かしてきたことで決定的な差を突き付けられた。ペースバランスは60.3-59.2とややスロー、12.9 - 12.2 - 11.5 - 11.3 - 11.3のラップ推移で仕掛けがかなり遅く額面通りに受け取れない、結構なスローだったんだろうと。この流れを五分には出たが二の足で見劣って中団で進める形。道中はスローで団子状態になる中で中団馬群の真ん中で進めて3角。3角下りでもじわっとした加速、ポジションを上げられない位置で後方馬群に吸収され気味。そこから加速していく流れで後方列に下がって直線。序盤でそこから追い出されるがジリジリ、そうこうしている間にあっさりヌーヴォに抜け出される。L1までジリジリとしか伸びずに完敗を喫した。秋華賞では流れてくれたので良かったが最序盤でポジションを取るまでの二の足が鈍い馬ではあり、どうしてもそこでのポジショニングが遅い仕掛けのレースとなると致命傷になるという感じ。もともとこういったところに弱さがあった馬なので、前がコントロールする形になると難しい。また内内でという意識が強すぎてこういう展開になった時の対応が全くできていない騎乗だったのもあるかなと。まあ秋華賞の内容からもロスなくという意識になるのは分かるが、動き出しが直線になってしまうと前が11.3-11.3と落とさないラップで差し込めるだけのトップスピードは持っていない。
大阪杯は不良馬場での平均ペース、追走で脚を使わされた感じはある。紫苑Sの場合は平均ペースだが中弛みでのもので中盤は13秒台だったし最速は11秒前半。不良馬場で12秒前後を連続させる余力はなかった感じ。ヴィクトリアマイルは距離不足だろう。もともと序盤が甘い馬なのでミナレットを除いてケイアイが実質的にスローにコントロール、その中で11.2 - 11.4 - 11.2 - 11.6 - 12.2とコーナーでも淀みなくトップスピードを持続させる競馬になった。外枠から中団の外目で丁度ヌーヴォレコルトの直後から直線で外に出したがそこからの伸びがなかったのは正直不満で、L1までヌーヴォレコルトにも見劣ってしまった。もちろんマイルは短かったとは思うのだがペース自体はこの馬の地点では前半は緩いぐらいだっただろうし後半のTS持続力という観点ではそこまで高いレベルにはなかったように感じた。
それだけに宝塚記念3着は驚かされたが、やはりこの馬はインで我慢してという条件が付くのかなという内容でもあった。ペースバランスは62.5-59.2とこの条件としては非常に遅い、ドスローである。シップが出遅れて各馬の仕掛けの意識が遅くなり、12.7 - 12.5 - 11.7 - 11.0 - 11.6 - 12.4とL3最速も明確で11.0とかなりのトップスピードを要求されている。そしてそこからの持続戦というよりも消耗戦。ゲートはまずまず、ある程度出していって好位列といつもより一列ぐらい前で進める競馬。そこから道中かなり落ち着いてドスローで基礎スピードを問われない団子状態。3~4角でも3列目の最内で前にスペースを置きジッとして最速地点でロスなく立ち回って4角で手が動いて3列目のまま直線。序盤で外から押し上げてロスの多かった馬たちが伸びあぐねる中内から2列目に並びかけ、L1でのバテ差しでジリッと伸びて着ての3着確保だった。ライバルのヌーヴォが位置的にかなり厳しかったこともあるし、11.0の地点でコーナーでロスすることなく最内で溜められたことはかなり大きい材料だった。ただTS持続力という観点ではトップクラスのデニムアンドルビーやこのラップを前々からねじ伏せたラブリーデイにはL1の地点での脚色で判断しても完敗だったわけで、嵌った3着という認識ではある。少なくともこのレースではトーホウジャッカルやヌーヴォレコルトはかなり厳しいレース展開になってしまったので枠の差もあったかなと。
個人的には距離はある程度あった方がいいと思っているので、宝塚で好走した条件である2200mは良いだろうと。ただこの馬の場合はゲートはまずまずなんだが二の足がそんなに速い方ではなく、宝塚で前に付けられたのは内枠だったこととペース自体が最初から緩かったことは非常に大きい。テンの2F目が11.6は宝塚記念ではなかなか見ない遅さで、ここで内枠から出して行って上手く入っていけたのは大きな材料だったかなと。秋華賞でハイペースでもやれているがあれは超高速馬場でのものなので何とも言えないが、適正ペースの幅自体はそこそこ広い方なんじゃないかなと。ただペースというより序盤のポジショニングが問われると基本的にはそこまで上手い方ではないのでできれば内枠が理想。これまでの好走実績を見ても仕掛けそのものが速い中でコーナーで上手く立ち回ってロスなく進めることで直線でのバテ差しを見せている形になるし、現時点では正攻法で戦ってヌーヴォレコルトを打ち破れるかとなるとヴィクトリアマイルや秋華賞、エリ女を総合的に見ると分が悪いと思う。特にエアレーション作業の影響がかなり大きくなってきた近年の傾向からみると開催後半の方が回復傾向で騎手の意識が追いつかずにL1最速とか2F戦とかになるケースが目に見えて増えてきている。そういう競馬になると要所でのギアチェンジやトップスピード面は物足りない馬になる、脚を出し切ってしまいたいタイプだしそれでも出し切ってねじ伏せきるほどのレベルではない。内で立ち回って外から早めの仕掛けがあれば面白いがというところ。今回はマイネルミラノやロゴタイプといった基本早めに動く馬たちがいるので、その辺の出方次第でヌーヴォレコルトを破ることも可能だろうが、その時に内に入っていることができるかというところだろう。ヌーヴォレコルトと比べると一枚見劣る存在だとは思っているが、これまでの実績が示す通り上手く立ち回れれば十分勝利のチャンスはある。後は人気や枠順の並び、馬場との兼ね合いといったところだろう。とりあえず連下扱いというところで後は決まった条件で前後させたい。
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