2015 セントライト記念(GII) 中山芝外2200ｍ良
サトノラーゼンの敗因分析
2:13.8 12.6 - 11.6 - 12.2 - 12.3 - 12.4 - 12.6 - 12.5 - 12.6 - 11.9 - 11.5 - 11.6
61.1-60.1S
ペースは上手いことスローに落とされたなという感じだが全体のペースだけだと読めない部分もある。このレースのポイントは外回りで緩やかに３角に入っていくところで12.6-12.5-12.6ともう一段階ペースが落ち込んでコントロールされてしまったということと、ここで上がっていく馬もいなかったので結果的にほぼ2.5F戦みたいな感じでラストまで落ちないという緩い緩い流れ、総合力が問われる競馬になったと。前のノリと北村がダービーを利用して上手く談合してのスローコントロールという感じになったのかなあという気はするｗそしてそれを打ち砕けずに流れに合わせて直線で後方だった馬は基本的に成す術がなかった感じ。
１着キタサンブラックは五分のスタートからどうするかなとみていたが様子を見つつじわっと先行策、雁行状態の先頭列に入り込む。そのまま外回りコースまででしっかりと１頭分外まで入り込んで番手を確保。そのままペースもミュゼエイリアンが刻む緩い流れを一緒に作っていく形。３～４角でも後続の突き上げがなく２頭で仕掛けを待って待って４角で２頭で仕掛けて出し抜きながら直線。序盤でしっかりと先頭に立ってＬ１で突き放したかったが喰らいつくミュゼエイリアン、それでも２列目以降を寄せ付けない完勝だった。まあ予想としては悔いはないというよりも、ブライトの読みが外れて逆の展開になったんだから予想下手だったとしか言いようがないし、この展開ならこの決着だろうという感想。そりゃ総合力勝負でサトノより前目から２Ｆ勝負ならこっちが来るよ。スローロンスパになった時に対応できるかどうかはやっぱり今日の一戦を見ても微妙で直線入りでの手応えの割にはやっぱり突き抜けきれなかったしこのラップを早い段階で連続させていくと後続もチャンスはあったと思う。ただこの馬はとにかく緩い流れから一瞬で速いラップを踏めるギアチェンジと基礎スピードの幅が広くスローからでも折り合って要所の反応に繋げられる、ある程度のペースまでならついていって一脚を使える。その点が強さにはなってくるかな。距離というよりロンスパ戦になると不安があるのでその点は課題になる。折り合いは困らないから菊花賞でも内枠引いて３～４角で前々内内仕掛けを我慢すれば戦えると思うんだけど、距離どうこうよりもやっぱりポテンシャル戦がどうかなんだよね。今回みたいに仕掛けが遅い競馬に支配できてしまえばいいけど今の淀の長丁場だとそれはなかなか難しいからなあ。３角の下りでギアチェンジも活かしにくいしね。まあ意外とやれそうな気もしてるんだけど、ひとまず今回はこの馬のレースになっていたし、この結果は妥当だと思う。Ｌ１も一応詰められてはいないしね。
２着ミュゼエイリアンは五分のスタートからゆったりとハナをとって主導権を握る。道中キタサンブラックがじわっと競りかけてくるがここで２頭でペースをコントロールしてスローに落とし込む。３角でも更にペースをゆったり目に落として後続の押上げを待つ。団子状態になってきた４角でスッと加速してキタサンと一緒に動いて直線。序盤で２列目をじわっと引き離しにかかるがここでキタサンに出し抜かれる。Ｌ１でもしぶとく食らいついていたが及ばずの２着完敗だった。ん～ノリは流石というか…。まあでもこの流れなら田辺はしっかりと動いて突き破ってもらいたかった。スローにコントロールして更に３角でもう一段階緩い流れに持ち込んでという形、そのうえで仕掛けもかなり遅れさせることができたのも大きかったね。トップスピードがそんなに要求されない競馬ではあったが、それでも実質２．５Ｆ戦となってしまうと総合力で世代最強クラスのキタサンブラックが相手ではちょっと厳しかったしラストも甘かったからこれが現時点での力差ではあるかな。キタサンはやっぱりこの馬が完璧に乗ってきた中で潰しているんだから春の勢力図の中でも素質自体は最上位のはずなんだよなあ。逆にこの馬は少々人気を落としすぎていたかなという感はあるね。序盤無理をしなければ結構しぶとい馬だし前に行ける馬でもあるしね。まあ春の勢力図は基本的にそんなに変わっていないかなとは思う。ポテンシャル戦ならまた別な結果だったかもしれんけどね。
３着ジュンツバサは五分のスタートから中団に下げて競馬を進めていく。道中はスローで折り合いがどうかなと思っていたが意外と問題なく進めていく。３角でスペースなく中団馬群の最内で進め、４角で仕掛けながら最内のスペースに賭けて直線。序盤で追い出されるがここでの反応が鈍く苦しむ。しかしそこからＬ１で進路を確保すると狭いところで苦労しながらもジリジリと伸びだして最後は何とか３着、権利を確保しきった。やっぱ要所は鈍いね。対抗を打った馬だけど、正直良くこの展開で３着まで突っ込んだなというのが正直な感想。もうちょっと後半流れてという競馬を想定していたので、この馬が３着まで食い込んできたのは驚いた。ただステイゴールド産駒なので気性的な面をクリアしてきたうえでこの緩い流れ、動き出しを問われた２．５Ｆ戦の競馬で突っ込んできたというのはこれは高く評価すべきだし、エンジンの掛かりが遅いなというのを改めて感じさせた。これはもう少し距離があっても面白いなと。序盤ポジションを取るのも61秒ペースで折り合えていたならそんなに心配ないと思うし、京都で内枠ポジションとって２～３列目ぐらいで我慢しながらやれれば結構面白いかもしれん。この馬は底を見せなかったし、本番でも舐めてはいけない一頭。
４着ウイングチップは伸びあがるような感じのスタートにはなったが結局先行する脚を見せ２列目に下げる形。 序盤ちょっとかかっていた感じだったがそこからコーナーでしっかりと落ち着いて進めていく。３～４角でも２列目のポケットでミュゼエイリアン、キタサンブラックを両にらみしながらキタサンの直後をとって直線。序盤でそこから追い出されるが幾らか反応が鈍くジリジリ。そこからＬ１の上り坂でジリッと伸びてくるが最後はジュンツバサに交わされて悔しい４着となった。ひとまず流れにしっかりと乗れたことと何より１，２着馬の直後に付けられたのは明らかに良い展開だったとは思う。そのうえで一列後ろのジュンツバサとの比較だとエンジンの掛かりの拙さは同程度、そこからの伸びで２．５Ｆ戦でジュンツバサに交わされていることを考えると現時点では一歩足りんなと。ゲートは微妙も二の足自体は速かったけど、まあ今回はちょっと枠や展開面で幾らか恵まれたうえでラストでジュンツバサに見劣ったのでそれ以上の評価はできない。まあ底を見せているわけではないから今後も楽しみではあるかな。
５着ベルーフは好発から少しふらつきながらブレーキして好位に下げていくというような感じ。道中は好位列で少し掛かり気味な感じで進めながら３角。３角でもまだ我慢、４角で好位列の外目からじわっと前を向きながら仕掛けて２列目で直線ただ序盤で窮屈な中でイマイチ伸び切れないが何とか捌いてくる。Ｌ１まで伸びはイマイチ、だらだらと脚を使うも内の２頭に交わされて５着と掲示板確保がやっとだった。まあ流れ的にこれでは厳しいが、中団以降では比較的上手く脚を引き出しやすい競馬はできていたと思う。直線序盤でかなり狭かったが何とかここで怯まなかったのは流石川田だなあとは思うんだけど、結局ラストも前が落とさないという競馬では厳しい。基本的にはポテンシャル戦向きだしね。トップスピードを要求されなかったにせよラスト２Ｆがこれではなあ。まあ枠を考えると３角までの持って行き方は良かったと思うんだけどもうちょっと積極的に仕掛けた方が良かったかな。このラップ推移では総合力勝負で苦しくなる。まあ本番どの位置をとってくるかだね。流れ的にＬ１でジュンツバサやウイングチップに見劣ったのは些か不満ではあるが。
６着タンタアレグリアはまずまずのスタートを切ってそこから流れのままに先行策をとりつつじわっと下げて好位列にという感じ。そこでちょっと掛かり気味ではある。道中は好位列で２角では落ち着いていたという感じ。３角手前でもまだ緩く４角でブライトエンブレムの内からじわっと仕掛けながら好位の外で前を向いて直線。序盤で一瞬伸びかけるんだが一瞬。Ｌ１は甘くなってなだれ込むまでの６着完敗だった。ん～やっぱりこの馬はある程度明確に速いラップを踏んだ方がいいような気がするなあ。青葉賞の様に緩い流れから前を向いてしっかり反応できていたし直線２列目勢から抜け出すならこの馬かなと思ってみていたんだが伸び切れなかったのはその辺りじゃないかな。トップスピード勝負で強い馬だし、この辺りが今の馬場の中山ではなあというところ。もう少し馬場が軽ければ良かったかもしれんけどねえ。う～ん、何とも言い難いがあまりいい内容とは思わなかった。
７着サトノラーゼンはこちら
10着ブライトエンブレムはこちら
15着ロッカフェスタは出負けして後方からの競馬になる。１～２角で後方の最内で我慢するポジションに。ただ向こう正面の緩い段階で既に結構手が動いているのだがスペース関係なく全然ついていけない。そのまま４角ではもう反応できる感じもなく最後方まで下がって鞭も入るがどうにもならず直線。そのまま下がってできた前のスペースを使って追われ、Ｌ１でちょこっと盛り返そうとはしていたがあくまで殿負けレベルの話、大敗だった。ん～まあまずこのクラスではお話にならんのはならんのだが、最後離されているわけではないので何かしらに大きな問題があるんだろうなという感じ。地力が足りないとかなら加速していく流れでついていけずにそのまま最後まで離されているはずなんだが、一応最後は最後方列とはいえ集団の中にいた。３角手前で12秒半ばぐらいでも全然動けていなかった中で最後11秒台で極端に離されてはいないんだから距離とかではないはず。何とも言いようがないけど、かなり不器用なのは間違いないので傾向が替わってくるまでしばらくコーナー２つの中距離戦で様子を見るか…トップスピードをハッキリと割れた方がいいのは今の段階では確かだろうなあ。この負け方は色々適性的なものが大きいと思うので、府中の2000とかで変わってくる可能性はあるし、次走そういう条件で人気を落としているなら狙っても面白いかもしれない。ひとまず競走馬としての総合的な完成度で明らかに見劣った感じなので。
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