2015年9月13日日曜日

京成杯オータムハンデ 2015 回顧・結果:フラアンジェリコ、後方から直線猛烈な追込みを見せて3億円劇の主役となった!

2015 京成杯オータムハンデ(GIII) 中山芝外1600m良
レース回顧・結果

1:33.3 12.7 - 11.3 - 11.4 - 11.6 - 11.7 - 11.5 - 11.3 - 11.8
47.0-46.3M


 ひとまず展開的には想定通りに近い競馬になったと思う。まあ強いて言えば逃げ馬が間違ったかなというぐらいで、ペース的にもスロー気味にシフトする可能性を考えつつ平均ギリギリのスロー気味で収まったのだから、個人的にはここできっちりと行きたかったが、その中で馬の実力を見誤った感はあるかな。それと展開的にはほぼ想定通りだったが馬場が思ったよりも時計が掛かっていたかもしれない。この時期にしてはやはり時計的にも掛かっているし、土曜の中山1200でもうちょっと深刻に考えるべきだったかなあ。32秒前後ぐらいは出るかなと思ったが全然届かず33秒台。まあ厳しい流れなら32秒台には入っているだろうが、それでも馬場は想定よりも重かったと思う。





 1着フラアンジェリコは五分のスタートから無理せずに増すは最後方列まで下げる競馬で様子を見る。道中もスローで団子という形の中で最後方列の外でまだ動かずに3角。4角でおっまだ中目で様子を見ながら最後方列のまま直線。序盤でそこから外目に進路をとっていたが詰まりそうだったので中目に切り替えて追い出すと最後までジリジリと伸びてきて勝ち切り大波乱の主役に躍り出た。まあ幾らか恵まれた面はある。ひとまずはスロー気味の団子で基礎スピード的にマイルは疑問があった中で最後方で無理をしないながらも先頭から離れすぎない位置で進められたというのは大きい。加速していく流れの中でコーナーでまだ最後方から明確には動いていなかったが直線で中目に切り替えてトップスピードに乗せてからのL1の持続力が目立ったという形。ただラスト1Fはレースラップで11.8、アルビアーノが11.9を刻んでいると考えるのが妥当な中でこの馬自身結構後ろから届いているのでこの馬に限らずL1は加速してきている可能性がある。この馬の上がりが33.6なので、L1で6馬身ぐらいあった差を差し切っていることを考えると11秒前後のラップはこの馬自身刻んでいるんじゃないかなという感じ。なかなか脚を出し切りにくい流れになっていたが、この馬自身福島記念でL2最速の流れをL1で強襲していたようにトップスピードに乗ってからの持続力が売りという感じでその点が今回上手く嵌った感じはあるんじゃないかなと思う。マイル重賞を勝ってまさかの展開になったけど今回はその点でマイル適性が高かったからというよりはペースが上がり切らずに基礎スピード不足が影響しない展開になったこととトップスピードに乗せてからの持続力が上手く嵌った感じかな。もうちょっと距離はあった方がいいと思う。田辺の直線での進路どりの上手さというか外がダメだと思ったら冷静に馬群を割るという選択を取るというあたり、やっぱりトップクラスの騎手ですよ。しかしこの馬だけじゃないけど、今日は波乱でWIN5が4億円近い配当、的中は1票ですよ…おめでとうございます。


 2着エキストラエンドはまずまずのスタートから積極的にポジションをとって行って好位の真ん中ぐらいに入り込む。そこからも終始おっつけつつ油断させないまま3角へ。3~4角では凝縮する2列目馬群の内目で手が動きながらしっかりとアルビアーノの直後をとって直線。序盤で内から入りたがるスマートオリオンとの競り合いを制して進路を取り切りインを確保。そこから伸び切って一旦は勝ったか?という手応えだったが最後は外から猛烈に追い込んできたフラアンジェリコの強襲を受けて涙を呑んだ。能力的にはこれぐらいやれていい馬で、これを重い印を打って言いたかったなあってのが率直な感想。ただ今回は吉田隼人を称賛すべき点が多々ある。まず一つはゲート。この馬はゲートが拙い馬なのでそこを五分はおろかまずまずいいスタートを切ってきたというのは大きい。そしてそこで焦ることなくしっかりとポジション取りをしてもとから好位馬でしたって感じの競馬をし切ったこと。ここは大きいね。出が悪い馬なのであっさり出ちゃうとポジションを下げる意識が働きかねないんだけど、これをきっちりやり遂げたことは称賛されて然るべき。そして要所でスマートオリオンが内から進路を外に寄せてアルビアーノの直後を取り合いになったけどここでもひるまずにしっかりと進路を取り切った。これでもう好勝負だなという感じだったがL1でしっかりと持続させてきたのは馬の力かな。まあそれでも3~4角でもアルビアーノが動くぞという意識をもって直後をついていった分、加速にもそこまで置かれなかったしコーナーワークでポジションも2列目まで押し上げていたと理想的な競馬になったと思う。ここまでやれたなら勝ってほしかったけど、突き詰めれば基礎スピードを活かしたい馬だから、ペースが上がり切らなかった分だけ中距離型のフラアンジェリコが脚を引き出す余裕ができてしまったかなという感じ。まあトータルで見たらいい展開とは言えなかった中で好走できた要員はスタートから最後まで最高の騎乗をしてくれた吉田隼人が占めるウエイトが大きいと思う。馬ももちろんこれぐらいの相手なら当然互角以上に戦える馬だったけどね。この展開でやれたのはこれ以上ないというほど完璧に運んだ騎手を手放しで称賛したい。


 3着ヤングマンパワーは五分には出て外枠からどうするかなと思っていたが結局中団で控える形になる。道中もペースが上がらず中団で脚を溜めて3角。3~4角でも外々からだが仕掛けを待ちつつ4角で追い出しながらだがここでちょっと反応鈍くて置かれて後方に下がりながら直線。序盤でそこから盛り返して中団に取り付くと、L1までしぶとく伸びてきてはいたが及ばずの3着惜敗だった。もったいないというか、序盤のポジションより動き出しの意識が甘かった感じはあるかな。半端なポジションで前走時よりは後ろ、そこからだとこのペースならある程度早めに動いてほしかったんだがコーナーでもペースが上がってこない中で合わせてしまって4角でアルビアーノ辺りを意識した各馬と比べてどうしても反応で遅れた。アーリントンCもそうだがエンジンの掛かり自体が早いタイプではないので、溜めたことは良いと思うがそれならもうワンテンポ早い意識が欲しかったかな。ラストは来ているから4角~直線入りで後方に下がってしまう感じになったのが響いているとは思う。TS持続力は非凡なんだしそこに賭けても良かった気はするかな。まあ無難には乗ってくれたとは思うんだけど。馬自体はやっぱりこういうL2である程度速いラップを踏んだ方がいいんだろうと思う。ポテンシャル戦寄りもTS持続戦向きというか。不利があったにせよNZTで先着を許して完敗しているグランシルクをここで上回っているしね。マイル色がどちらかというと薄いタイプだと思う。距離はもうちょっとあっても良いような。府中1800とかを走らせてみたいね。血統からはちょっと考えにくいんだけど、個体の傾向的に見ると府中1800ややスローからのTS持続とかは嵌りそう。





 4着グランシルクはやはり出負けして最後方近くから進めることになる。道中は中団馬群の中に入り込んで折り合いに苦労する感じで一端下げて3角。3角でも中団馬群の中で動くに動けないという位置、我慢してダローネガやエキストラエンドを見ながら動かさずにスペースを保って直線。序盤で前のスペースを活かしながら進路を探って上手く狭いところを突く。そこからはL1までだらだらと伸びてはきたが、4着までだった。まあ結論から言えば出負けした段階でちょっと厳しかった。これに関しては元々そういうリスクがある馬だからある程度は仕方ない。進路確保は上手くしてくれたと思うし、3角で下げようとしたのも一応外への進路も模索したと思うんだがこれもうまく行かなかった。まあその中でスペースを前に置きながらワンテンポは遅れることを覚悟でそこのスペースを埋めながら進路を待ってその間にしっかりと見つけてスッと導いたという後半の点に関しては福永の技術かなと。ただまあ一言で言えば馬がこの適性でどうなの?ってところもあるし、ペースも遅かったのでもっと積極的に早めに動くという競馬を魅せてほしかったというのはある。トップスピード戦とまではいわないけど中山マイルで今の馬場でL2が11.3って結構速いからね。こういう競馬だと同期のヤングマンパワーの方が上になっちゃうしね。この馬自身はやっぱりステイゴールドの仔だし序盤が甘い、無理せず後半にしっかりとポテンシャルを活かすロンスパで良さが出てきていたので、個人的にはもうちょっと距離を延ばした方がいいと思う。府中とかだともっと苦戦すると思うし。まあ今回は全体のレースレベルに多少疑問はあるんだけど、ひとまずはここで最低限の結果は出せたので、路線をどうするかだね。


 5着ショウナンアチーヴは五分には出ているが大外枠なので無理にはいかずにという形で後方で。道中は中団やや後ろぐらいまでは盛り返す。3角で手が動いてグランシルクの外から外目の進路を意識しながら後方で直線。序盤で追い出されると久しぶりにしぶとく伸びてきてL1では外差しの勢いには屈したものの前との差は詰めながらなだれ込んでの5着。復調の兆しと受け取っていいのか、レースレベルの問題なのかはもうちょっと冷静に見る必要はある。くしくもNZT勝った時と同じ走破時計ではあるんだが、ラップ的には単調な流れではなく外から加速しながらTS持続力をという形。前を向けてまではいなかったがスペースはあったのでその辺り直線序盤でしっかりと動けていた要因かな。ただその分ラストが甘くはなっているのでまだまだ完全復調というか目途を立てたとまではちょっと言えないかなあ。久々の470kg台というのも良い方に運んだか。成長していたとみていたら実はただの贅肉で3歳時のベスト体重そのままだったという可能性もある。いずれにせよこの世代のマイル路線はレベル的に微妙だし、これだけで判断はできない。特殊な流れで脚を比較的出し切れたのもある。現段階では外差し各馬の方が評価を上にしたいところ。


 7着アルビアーノはこちら


 8着ダローネガはこちら





 10着アルマディヴァンは好発からハナを主張するかというぐらいの出脚だったがそこから下げていってポジションをコントロール、上手く中団の最内とベストポジションを確保した。3~4角でも終始最内で手を動かしながらスマートオリオンの直後で進めつつ4角で仕掛けて直線。序盤で前が完全に壁になる、スマートが一つ外に行ったのでその内をとってスマートが不利を受けて下がったのでそのスペースを上手く使ってジリジリとは伸びてきたが破壊力は影を潜めて10着完敗だった。スペースができたのが坂の途中ということもあって、そこまでは様子を見ながらエンジンを欠けられない感じはあったのでその分惰性をつけきれずに苦労したかなという感じ。外からしっかりと勢いをつけて上り坂に向かった馬が上位に入ってきているし、最近のエクイ中山は特にこの傾向が強く出ている感じ(モーリスのダービー卿とかも)。今回はペース的にもゆったりしていたのでこの馬としてはやっぱりどうしても持ち味のバテ差しが加速のウエイトが大きくなったことで上手く引き出せなかったしそこまでの持って行き方もスペースがなくて窮屈になったのが響いているかな。悪い競馬ではないんだけど直線入りまでごちゃごちゃしていて動く余裕がなかったのがなあ。


 16着レッドアリオンはやや出負けからリカバーして何とか前目につけることに成功する。ただ出して行った分だけ少し折り合い面で苦労しながらで、ペースも上がらずに2列目で進めていく。3角で手が動いているのだが全く反応がない。そのままずるずると下がってしまって4角出口で挟まれて終戦という感じ。う~ん…一つ言えるのは動けなかったね。ラップで判断すれば3角からじわっと前が再加速していく流れになっている、ついていこうと思えばコーナーワークでこのラップよりも実質的には速い脚を必要とするんだがそれがそもそもなかった感じ。となると原因は前半にあると。出負けして一気に出してリカバーした、そこから少し折り合いで苦労したという程度だが、そこが響いたのか単純に47.0-46.4とややスロー気味の平均ペースでも前半に脚を使ってしまうと良くないのか。この展開だったら後ろからTS持続力を引き出す方に専念できたと思うし相手関係から考えてもワンチャンスあったと思うんだが。後はこの馬は基本的には高速馬場巧者にはなると思っているので、マイラーズC逃げた時と違ってこの馬場で一応平均ペースの流れに乗ったのが良くなかったかもしれんね。まあいずれにせよ競馬になっていないには理由があるはずで、状態面も気にならなかったから落鉄とか最悪骨折とか出なければいいなとは思いつつ、ラップ的に原因を探るなら馬場がそこそこ時計が掛かった中での平均ペースで出負けしてのリカバーで脚を使ってしまったところになるかなあ。




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