2015 ローズS(GII) 阪神芝外1800m良
レース回顧・結果
1:45.2 12.5 - 11.0 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.9 - 11.2 - 11.5 - 12.2
46.7-46.8M
ペースは見事にきれいな平均ペースだが、これで着差が結構開いているし前の馬にとっては流石に速い流れだったと思う。それと、個人的にはこの走破時計にはかなり驚かされていて、そこそこは時計が出ていたとはいえいつもの秋阪神超高速には届いていない馬場を考えると1:45.2はかなり優秀だと思うね。まあいずれにせよ淀みなく基礎スピード面が問われたし最低限ついていって脚を使うだけの幅の広さは求められた。そこからL3最速は11.2なのでこれをどうとるかだが一応TS持続戦と考えておくべきかな。
1着タッチングスピーチはやや出負けしてとりあえず後方からの競馬にはなる。道中はそこそこ流れている割に団子状態という中で雁行状態の中団から少し離れた後方でトーセンビクトリー辺りを見ながら3角。3~4角ではトーセンが外から上がっていくのを見ながら手が動いて仕掛けつつ4角の最速地点でも外を回しながら後方で直線。序盤ではまだジリジリだったがそれでも徐々に伸びてきてトーセンビクトリーの前に出る。L1でそこからきっちりと抜け出しミッキークイーンの食い込みも問題とせずの完勝だった。確かに前走は強烈だったし、2,3走前は内で包まれて動き出すところで置かれたのもあったから、上位に食い込んできても驚きはしなかったけどここまであっさりと突き抜けての完勝ってレベルまで来ると流石に驚いたなというのが率直な感想。ポテンシャル戦向きではあったと思うので、L3最速戦で外を回しながらもラストまで自身は減速している面もこのラップなので当然あるがその減速度合いを他の馬よりも止めることができたTS持続力の高さは評価すべきかなと思う。本番でも面白い面はあるが馬場次第のところはある。京都の2000で超高速馬場だと枠や3~4角を通したところでも変わってくるので、今回みたいに力でねじ伏せるってのはポジションが悪いと簡単ではない。もちろん京都の馬場もこの分だとソフトに仕上げてくる可能性もあるのでそうなれば問題なく力を発揮できそう。秋華賞の条件でもとは思うがこの辺は意識したい。しかし強かったのは間違いないしポテンシャル戦でも札幌で結果を出してきているんだから素直に褒めるべきだと思うね。ミッキークイーンの出来が万全ではなかったとは思うがそれでも強かった。このペースでこの馬場で4角最速地点で大外を回して33秒台でまとめてくるってのは波の馬じゃできない。キレる脚はそこまでは感じないけど非常に長いTS持続力を発揮したし基礎スピードの幅も広いことを証明できたのは大きいね。
2着ミッキークイーンは出遅れて最後方からの競馬になる。道中ペースは速かった中で最後方で進めていきつつ3角。3角でタッチングスピーチを目標にする形でここでは内目、4角で外目に持ち出していきながら出口で一気に仕掛けて直線。序盤でそこから一気に伸びて一旦はタッチングスピーチの前に出たかなと思ったが半ばでちょっと甘くなってしまう。L1でも喰らいつこうとはしていたのは流石オークス馬だが、厳しく2着までだった。悲観する必要は全くない強い競馬だったね。まあ強いて言えば出遅れが安定的にならないようにしっかりと克服してほしいというぐらいかな。1800で流れる競馬で出遅れ、取り付くタイミングもなかったし3~4角でも動いていくしかない立場で動いていった。そこから直線の入りではいい脚を使えていたしひとまず及第点はやれる競馬をしたと思う。TS持続戦というこの馬にとってはおあつらえ向きの後半ではあったと思うけど、オークスとは違って前半はかなり流れているしね。クイーンCでもスピード負けはしていたが脚は使わされなかった感じだったし、ここでもペースが上がってついていくのはやっとだがそれでも脚は引き出せた。もうちょっと距離があった方がいいのは確かだと思うし、この走破時計で速い地点で外を回して一旦はタッチングの前に出られたのは評価していいね。地味に速いラップを刻んでからがどうかなと思ったけど、時計が出にくい馬場で11.2を外から踏んでいるしTS持続力でもトップクラスのモノを見せてくれた。ポテンシャル戦が合うと思うので距離が延びて良さが出そうな感じはあるんだが、これも秋華賞だと1周コースで前目の基礎スピードタイプも結構頑張れちゃうから後方から外々になると苦しいと思うしその点をどう乗っていくかだね。
3着トーセンビクトリーはまずまずのスタートから様子を見ながら中団に下げていくという形。道中も雁行状態の外目で様子を見ながら3角で動いていく。そこから雁行状態中団の外で勝負を仕掛けていき4角でも楽な手ごたえで直線。序盤でまだ持ったままでそこから追い出されて伸びは見せるが外2頭の伸びには見劣る。最後は甘くなって3着となった。まあ高いレベル相手でやれたのと、ペースがある程度上がった分基礎スピード面も問われているので良かったかなと。ただやっぱりこの馬はTS持続戦はイマイチなんじゃないかなと思う。まあ今回は権利取るのを意識して出し切るイメージで行ったと思うんだけど、3~4角でのロスはやっぱり大きかったしね。まあ1,2着馬はそれでもそこから突き抜けたけどこの馬としてはやっぱりトップスピードに乗せて最速が4角となっちゃうと世代牝馬最強クラスのTS持続戦の中では見劣ったのは確かかな。ただ逆に言えば秋華賞ではこちらの方が狙いやすいかなと思う。まあ馬場にもよるんだがポジショニングは1,2着馬より2段階ぐらい上手いはずなので内目の枠を確保して好位~中団ぐらいで我慢できれば面白いし本番もある程度流れる可能性が高いからね。馬券的には一番いい権利の取り方だったかな。この一戦を見て俄然本番で狙いたくなったという感じ。逆転は十分可能かな。小倉の内容が良かったので早い段階でのロンスパでトップスピードをそんなに要求されないポテンシャル戦になれば。
4着レッツゴードンキは好スタートで外から内のシングウィズジョイにプレッシャーをかけながらコントロールしようとはせず途中でハナを奪い取る。そこからもペースを落ち着けずに淡々と刻む岩田にしては珍しいスピードで押す競馬。3~4角でも仕掛けを待ちながら出口で軽く仕掛けて直線。序盤で出し抜こうとはするが流石に桜花賞ほどの余力はなくこの馬自身も減速ラップ。L1で外の各馬が一気に突っ込んできて成す術なしの4着だった。この馬の良いところは桜花賞でもそうだし激しい気性を何とかコントロールしてペースを緩めてから加速で出し抜いていくというところにあるし、総合力をいかに引き出すかなんだけど今回は基礎スピード特化するような感じの競馬になったので直線で減速ラップ、桜花賞で見せたような出し抜きは使う余力もなかったという感じ。まあこの展開でも4着に粘れるあたり基礎スピードの高さも相当なもんだとは思うんだがコントロールした方がやっぱりいいね。まあ今回はもしかしたらエイシンヒカリやサイレンススズカじゃないがいっそ気性をコントロールせずにどこまでやれるかを見たような気もするけど、まあ結果は出なかったわけだし秋華賞でもちょっと苦しくなるかなあ。京都の下りもあるしね。個人的には府中の1400辺りで一度見てみたい馬なんだよなあ。もちろん最終的にはスプリント戦まで視野に入れても良いと思うけど。
5着クイーンズリングは五分のスタートから少し掛かり気味に先行して言ってそこからコントロールしながら好位のうちに入り込んで上手く我慢する。3~4角でも最内のポケットで前にスペースを置きながらドンキの直後を狙う。4角でもまだ手応えに余裕があって直線。序盤でドンキの直後から外に出してスルッと抜け出しを計るが伸び切れない。そのままラストまでジリジリとしているうちに外3頭に一気に交わされドンキも捕えられずの5着完敗だった。ん~掛かったのは多少影響あるかもしれないけど、この展開でドンキを交わせなかったということを考えても1800はハイレベルになるとちょっと長いかもしれんね。新馬のうちは緩々のドスローで対応できたけど。それとミルコが変に好スタートを切って好位に付けたのも結果的にこの流れを考えると巻き込まれた要素にはなってしまったかもしれん。いつも出負けしてたのに今回に限って出ちゃうのもなんだかなあというところはある。ただまあそれはそんなに影響なくスピードそのものもあった馬なのでその流れでドンキに完敗なんだから現段階では距離が長かったんじゃないかなあ。
6着アンドリエッテは五分には出てそこから無理はせずに一旦は後方に下げる。ただそこから雁行状態の中団馬群の最内に入り込んで流れについていく競馬を選択。3~4角でも最内を立ち回って4角ではしっかりと前のスペースがある中で最速地点、3列目で直線。序盤でちょっと進路で迷いがあった程度、そこから進路もスペースもあったが伸びはなくという感じで完敗だった。ん~確かにエンジンの掛かりは悪い馬なんだが今回の展開でこの競馬だとそこは問題にならない。L3の4角の下りが最速な時点で前にスペースもあったしここを突いて伸びなかったというのはなあ…。もちろん外差しの展開になっているし、個人的には後ろから外を回して正攻法の競馬をしてほしかったんだけどね。ただ内を突くという選択肢を取った中で、展開騎乗は問題になってないと思う。ここで伸び切れなかったというのはやっぱり問題があるかなあ。+12が影響したのか?という感もなくはないし、う~ん…。まあ外3頭に勝つかどうかというラインはともかくとしても、この展開でドンキはもちろんクイーンズリングにも見劣るとなるとなあという感じ…。ショックは大きいけど能力面だけでなく個人的には状態面も関係しているかもしれないなと。
最終週で阪神競馬関係者たちの動きが活発化。
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