2015年9月21日月曜日

秋華賞に向けて楽しみな馬が出てきた

今日行われたローズSを早速振り返っておこう。

それにしても、タッチングスピーチは種馬(ディープインパクト)譲りの鋭い脚を使う馬だね。前が速いペース(1000m通過は58秒3)で引っ張ってくれただけに、展開がうまくハマったのも確かだけど、この馬自身、追ってからがすごくしっかりしていたからね。強い勝ち方だったと思うよ。阪神の千八とコース形態がまるっきり違う京都の(内回り)2000mにどう対応するかがカギにはなるけど、この馬だったらもうちょっと前、中団あたりに付けても競馬はできるはず。ムキになるようなところもなかったしね。いずれにしても、秋華賞に向けて楽しみな馬が出てきたのは確かじゃないかな。

ミッキークイーンは相変わらずゲートが下手だね。まともに出たのはオークスの時くらいじゃないかな?ただ、今回は流れが流れだったから致命的な不利にはならなかったし、直線で追ってからの伸びも良かったから、次につながる競馬はできたと思う。3コーナー手前あたりから乗り役の手が動いていたけど、いつもならスッと動けるはずなのに今回は反応が鈍かった。まだ完調手前だったみたいで、当然次は変わってくるはず。あとはもうスタートだけだね。

正直なところ、トーセンビクトリーの4コーナーの手応えを見て、「この馬に勝たれる」と思った。外枠で終始外々を回るロスがあったのは仕方のないこと。直線で追い出すタイミングもドンピシャだったし、(武)豊は完璧に乗っていたんだけどね。それでいて3着が精一杯なんだから、“一線級のメンバーに入るとワンパンチ足りない”っていうことなんじゃないかな。本番(秋華賞)は枠順次第だけど、恐らく豊はインコースでロスのない競馬をさせると思う。それでどこまで…っていう感じでしょう。

レッツゴードンキは結果的にハイペースで飛ばす形になったけど、ケンカせず気分良く走らせることができたし、直線も最後まで良く粘っていたからね。やっぱり能力のある馬。伊達にGIを勝っていないよ。京都の内回りの2000mならギリギリ我慢できそうで、本番につながる競馬ができたと言えるんじゃないかな。

アンドリエッテは後ろからの競馬になったけど、終始インコースで動けるスペースが全くない。そもそも後方一気っていうタイプの馬じゃないんだし、ましてや今回は内枠だったから、ある程度の位置に付けて自分のスペースを確保したうえで競馬をして欲しかった。賞金的に、ここで権利を取らないと本番に出られるかどうかは微妙。それだけに余計にね。いずれにしても今回は力を出し切れなかった印象で、見限るのはまだ早いと思うよ。

シングウィズジョイはハナを主張してテンから出して行ったんだけど、レッツゴードンキに馬なりで交わされた。それから抑えようとしてウチパク(内田博騎手)が手綱を持ち替えたところで馬がカーッとなってしまったね。結果的にチグハグな競馬になったとはいえ、いくら何でも負け過ぎ。馬は良くなっていただけに残念だよ。春に比べて走りに遊びがなくなってしまった感じで、現状だと距離はもう少し短い方がいいのかもしれない。


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