先週の重賞レース回顧。まずはシリウスSから。
アウォーディーは中団からジックリ行けたし、3~4コーナーで上がって行く時の手応えからして他馬とは違っていたね。外へ持ち出す時に一度もブレーキを踏むところがなかったように、実にスムーズに進路を切り替えている。(武)豊が本当にうまく乗っていたとはいえ、馬も強かったよ。母へヴンリーロマンス(天皇賞・秋など芝の重賞を3勝)も初勝利はダートだったし、下のアムールブリエもダート交流重賞路線で活躍しているぐらいで、ダート適性も高いんだろう。追い切り診断でも言ったけど、今までダートを使わなかったのが不思議なぐらいだね。乗り手にすごく従順で気性も素直そうだから、どんな競馬もできるだろうし、これからが楽しみだよ。
ダノンリバティは、早めに動いて勝ちに行っての2着といった感じ。道中は平均したラップで流れたんだけど、3コーナーからペースアップ。そこで脚を使ったぶん、最後は苦しくなったんだろう。まぁ、勝ったアウォーディーは強かったから、どう乗っても2着は2着だったと思うけどね。まぁ、ソツのない競馬ができていたし、3歳馬なのに古馬のアウォーディーと同じハンデ(55キロ)を背負っていただけに、これだけやれればむしろ上等でしょう。これからもっと良くなってくるはずで、全く悲観することはないんじゃないかな。
ナムラビクターはスタートで大きく出遅れて最後方から。最後はいい脚で突っ込んで来ただけに、もったいない競馬になってしまったね。能力があるのは言うまでもないし、ゲートさえ五分に出れば巻き返してくれるはず。この馬も悲観することはないと思うよ。
キングヒーローは、インコースを通って一切ロスのない競馬ができていたように、1番枠を最大限に生かしても4着が精一杯だからなぁ。これ以上を期待するのは、さすがに酷というものだろう。まぁ、最近の成績からすれば走っている方で、シンガリ人気でこれだけやれれば上等じゃないかな。
ニホンピロアワーズは2番手でスンナリ流れに乗れていたのに、3コーナーでは早々とアラアラの手応え。良かった頃は勝負所でガツンと来るところがあったんだけど、全くそういう感じがなかったね。休み明け、一気に18キロも馬体が増えていたにせよ、あまりもだらしなかった。年齢的なものがありそうで、このひと叩きでガラリ一変とはいかないと思うよ。
ランウェイワルツは、道中はアウォーディーと同じような位置にいたんだけど、3コーナー手前から早めの仕掛け。直線半ばで止まってしまったのは、微妙にレース間隔が開いたぶんじゃないかな。攻めの競馬をしたことは次につながるはずだし、これで変わってくるでしょう。
トウケイヘイローは、何が何でもハナに行くといったスタートの出し方をしていたように、テンのペースが速くなったのが痛かった。向正面からは平均ペースに落とせたんだけど、レース序盤にあれだけ無理をしたらキツいよね。走りっぷりからしてダート適性はあるはずで、もう少しユッタリした感じで先行できれば変わるんじゃないかな。
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